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丸木美術館は57周年開館記念日を迎えます
日頃より当館へご支援・ご関心をお寄せいただきまして、誠にありがとうございます。 今回の活動報告では、美術館の建物改修の進捗状況に加え、丸木美術館の57周年開館記念日のイベントや開催中の企画展等についてお知らせいたします。
美術館改修計画の業者が確定しました
昨年の秋に基本設計を完了した丸木美術館の改修計画は、概算工事費を算出するため、近隣の3つの工務店に見積を依頼しました。近年、人件費や材料費、燃料費などの価格が上昇し、建設費は高騰を続けています。そのため各社とも見積金額は予算を大きく上回っていました。
そこで、設計者であるwyes architectsの齋賀英二郎さん、八木香奈弥さんを中心に2月16日に各社のヒアリングを行い、提出された見積書とヒアリングの結果を踏まえて検討を重ねました。
とても難しい選定作業でしたが、見積額や過去の実績に限定せず、意欲や技術力も含めて慎重に評価を行い、2月28日の理事会でシグマ建設株式会社(埼玉県深谷市)を施工候補事業者に決定いたしました。今後は予算に合わせた減額案の検討を進めていくことになります。
皆さまのおかげで、丸木美術館の改修計画は一歩ずつ進んでいます。引き続き、ご支援のほどよろしくお願いいたします。
57周年開館記念日のイベント
毎年5月5日は丸木美術館開館記念日。57周年の今年は、阿波根昌鴻写真展の開催中ということもあり、沖縄に注目します。
俳優の鍵本景子さんによる絵本『おきなわ島のこえ』朗読、昨年各地で公開され大きな話題となった映画『沖縄戦の図 全14部』(監督:河邑厚徳、製作:佐喜眞美術館)上映に加えて、画家の山内若菜さんによるワークショップも開催、地元産の有機食材などの出店もにぎわいます。
お近くの方はぜひ、新緑の美しい季節の丸木美術館で、豊かな一日をお過ごしください。
当日のイベントや送迎車についての詳しい情報はこちらをご覧ください。
開催中の企画展:阿波根昌鴻 写真と抵抗、そして島の人々
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現在、企画展「阿波根昌鴻 写真と抵抗、そして島の人々」を開催中です。沖縄戦後、米軍に占領された伊江島で農民たちと共に非暴力の土地闘争を行った阿波根昌鴻は、「銃剣とブルドーザー」と呼ばれた強制的な土地接収や米軍の横暴、射爆演習場による被害を記録するために1955 年から島の記録を始めました。「沖縄のガンジー」と呼ばれ、平和運動家として知られる阿波根の写真家としての側面をご覧ください。会期は5月6日(月)まで。展示の詳細はこちらからご覧ください。
次回の企画展:松下真理子 人間動物
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次回の企画展は「松下真理子 人間動物」です。松下真理子は、ガザへの空爆が開始される直前までパレスチナに滞在しており、虐殺がはじまってから、日本ではもっとも深くこの事態に呼応した表現者のひとりでした。本展では、「人間と呼ばれているもの」と「動物と呼ばれているもの」を隔てない、新たな思想的深淵に踏みこんだ作品群が発表されます。
会期は5月11日(土)から7月7日(日)までです。ぜひ多くの方に、この貴重な展示に足をお運びいただけたらと願っております。
展示やトークイベントの詳細はこちらからご覧ください。
金銭出納管理規程等の策定と公開のお知らせ
丸木美術館理事会は、3月7日に開催された理事会において、あらたに金銭出納管理規程、寄付金等取扱規程、助成金等外部導入資金取扱規程を策定いたしました。
これは、2023年7月に懲戒解雇処分となった当館元職員の重大な就業規則違反を受けて、同様の違反を防止するために策定されたものです。なお、各規定や元職員の懲戒解雇にいたる経過の概要は、ホームページに掲載しております。なお「原爆の図保存基金」に関する不正は行われておりません。
理事会では、今後も諸規程やコンプライアンス体制の整備について討議を継続していきます。
丸木美術館のまわりも、新緑や花々が美しい季節になりました。
うららかな日差しの下、心地よい春をお過ごしください。