「自分の足で立って踊れるようになった」——mediVRカグラを使ったリハビリで子どもたちに起きている変化
現代医学では、脳性麻痺や小脳の異常に苦しむ子どもたちの治療は難しいとされています。日常生活動作を改善できるほど有効な治療法は限られており、また、治療には副作用や侵襲、痛みを伴う場合が多く、ご家族は「身体への負担が少なく、かつ効果的な治療を我が子に受けさせたい」という切実な想いを抱えています。
mediVRカグラを使ったリハビリは「椅子に座ってVR(仮想現実)空間上の狙った位置に手を伸ばす動作を繰り返す」というもので、副作用や侵襲、痛みを伴いません。しかし、本人やご家族が驚くほどの変化が生まれています。
具体例として、以下の動画をご覧ください。
動画①急性小脳炎の後遺症により3年間自力で立っていることすら難しかった6歳の女の子は、わずか数週間のリハビリで立って踊れるようになりました。
動画②脳性麻痺により座位保持椅子でしか座れなかった12歳の女の子は、4回のリハビリで普通の椅子に座れるようになりました。
動画③脳性麻痺により車いすを使っていた11歳の男の子は、24回のリハビリで杖を使って歩けるようになりました。
※このお子さんはNHK World Japan Medical Frontierでも特集されました。2023年10月末までオンデマンド視聴が可能です(動画は12分20秒から)。
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/ondemand/video/2050134/
mediVRカグラは、医師が大阪大学との産学連携により開発し、全国の大学やリハビリテーション病院、介護付き有料老人ホーム、デイケア施設に導入されている医療機器です。VRを活用し、医師やセラピストが「ゲームにしか見えない」形で、脳と身体の情報処理過程の異常を整理することをサポートします。
これにより、従来は改善が難しかった脳性麻痺、小脳性運動失調をはじめ、小児脳腫瘍術後の機能欠損や抗がん剤投与に伴う末梢神経障害、自閉症スペクトラム障害や発達性協調運動障害、小児難病疾患に付随する知的能力障害(※以前は精神発達遅滞とも呼ばれていました)や自己免疫性脳炎後の高次脳機能障害、さらには脊髄性筋萎縮症や骨形成不全症等の遺伝病を含めて、さまざまな疾患にアプローチできるのです。
寄付が必要な理由
難病の子どもを持つ親御さんは、定期的な通院や付き添い、緊急時の対応のため常勤の仕事がしづらい状況にあります。一方で、治療やリハビリにかかる費用は決して少なくありません。
国の助成金などは医療や福祉のサービスに限定されており、保険制度でのリハビリの上限を超えてリハビリを受ける場合は完全自費となります。また、新しいリハビリが保険で認められ病院に導入されるまでには時間がかかるため、「子どもにとってより良いリハビリを受けさせたい」と考えるほど経済的負担が増えるのです。
mediVRはこうした状況をなんとかしたいという想いから、社会貢献活動として難病の子どもたちに疾患に応じて通常の4分の1から10分の1ほどの低額でリハビリを提供してきました。半ばあきらめていた身体動作ができて驚きこぼれるような笑顔を見せるお子さんや、涙を流して喜ぶご両親の姿を見るたび、「もっともっと治してあげたい」「たくさんの子どもたちにこのリハビリを届けたい」と強く感じます。
ただ、子どものリハビリテーションには大人の3倍ほど人手が必要なこともあり、小さなベンチャー企業が社会貢献活動として取り組むには限界があります。寄付を活用し、受け入れ人数を増やせたらと考えています。
「自分の足で立ちたい」「両親と並んで歩きたい」「きょうだいや友達と同じ学校に行きたい」——あなたの支援が、子どもたちの夢を叶え未来を明るく照らす力となります。
寄付の使い道
皆さまからいただいた寄付は、子どもたちにリハビリテーションを提供するセラピストの人件費や、ご家庭への機器設置費などに使わせていただきます。また、将来的には、学校を休んでリハビリに通わなければいけない子ども・保護者の負担を減らすため、自治体と組んで小中学校の支援学級や療育施設にmediVRカグラを提供することで、誰でもいつもの場所で気軽にリハビリに参加できるような活動も進めていきます。
<ご家族からいただいたコメント>
最後に動画①~③のお母さまから、リハビリの後にいただいたコメントの一部を掲載いたします。
動画① 6歳 急性小脳炎後遺症
「発症後初めて立ってダンスが踊れるようになりました~!発症後から今までは座って踊っていたのですが、先日、気づいたら立って踊っていてすごく嬉しくなりました」
動画② 12歳 脳性麻痺
「昨日家に帰って、なんだかまだ半信半疑のまま、ダイニングの椅子に座らせてみました。ピンと背筋を伸ばして前を向き、手すりもないのにしっかりと座れていて、私も家族も本当に驚きました!多少ふらつくものの、自分で姿勢を戻しながら座位を保てていて、私が何枚も写真を撮るのを、にこにこしながら眺めるという余裕ぶりでした。12年間、行ける限り色々なリハビリをしてきて、痛い思いや辛い思いをたくさんしてきたので、そのすべてが報われたような、大袈裟ですが神様からご褒美をもらったような、そんな思いでいます。本当に有難うございます」
動画③ 11歳 脳性麻痺
「はじめて杖をつかって歩く姿を見たときは、夢を見ているのかなと思いました。それまで長い間リハビリをしていて、歩けるようになることを目標にはしていましたが、当時は、正直言うと歩けるようになるとは思っていませんでした。想像もできませんでした。それが急に歩き出したのでこれは夢なのかな?と……本当にありがとうございました」
難病の子どもたちとご両親が笑顔で過ごせる未来をつくるために、みなさまからのあたたかなご支援をお待ちしております。