未来スクールとは
どうせ自分には無理。
何がしたいかわからん。
和歌山何もない、とりあえず出たい。
自分にラベルを貼り、自信が持てず、自分の未来・地域の未来へ希望を描くことに不安を持っている10代にたくさん出会ってきました。彼ら彼女らは、ほんの些細な「きっかけ」で前向きになり、努力できる自分に変化できる、可能性に満ちた存在です。
多感で、自分の生き方や在り方を考えだす大切な思春期に、出会ったことのない多様な大人と出会い、社会に触れ、学ぶ機会があれば。「こんな風になりたい」という憧れを見つけることさえできれば。
誰もが、自分で未来はつくりだせると思える意欲を持つはずです。その「きっかけ」にすべての子どもたちが出会えるように、私たち「未来スクール」は学校と地域企業の協働による新しい「探求型キャリア教育プログラム」を義務教育である中学校の総合学習授業で届けています。
「未来スクール」は地域で働く大人が先生です。
「未来スクール」では講師を「職業先生」と呼びます。それは、学校の先生ではなく製造業やサービス業など多様な職種で働く地域の大人たち。親でも先生でもない、いわば “ナナメの関係”にある職業先生から座学と体験を交えて、仕事を楽しく体感することで「働く」ことや「将来のなりたい姿」に対するリアルなイメージを描くことができます。
学校と地域企業の協働による「探求型キャリア教育プログラム」を提供します。
【教育プログラムの特徴】
中学校と共同開発の教材
中学校の先生と共同開発した事前・事後学習を含むオリジナルの教材を使うことで、初めて導入される中学校に対しても、同じ質のプログラムを提供できます。
【職業先生への授業トレーニング】
生徒に伝わる授業を提供できるよう、職業先生はキャリア教育コーディネーターが伴走のもと、授業プログラムシートの作成、模擬授業やマンツーマンでの授業ブラッシュアップなどのトレーニングを経て自信を持って本番に臨みます。
未来スクールが解決したい社会課題
若者が主体的に将来を考える教育的機会が少ない。
現在の日本の10代は自己肯定感が低いと言われています。和歌山でも同様の調査結果が出ています。その低さから、自信がなく、意欲を持てなかったり、就職後3年以内の離職率や社会的自立ができない引きこもり率が高いといった社会的課題があります。「未来スクール」は「職業先生」という地域で働く多様な大人たちの職業観と生き方に直接触れることで、中学生の好奇心に火を灯し、自己肯定感アップをはかります。
実施して得られた成果
生徒たちの自己肯定感がアップ
講話+職業体験がセットになった達成感のある授業で「自分にもできる」 という自己肯定感が確実にアップします。
夢や目標を持てた生徒が増加
幅広い価値観に触れることで、社会に対して興味や関心を持ち 「未来を描く」ことに対する不安が希望に変わります。
活動実績
年間1200人を超える和歌山の中学生に対して、延べ80社以上の企業でプログラムを実施しています。
【2023年度実績】6校の和歌山市立中学校で873名の生徒が受講、職業先生企業延べ57社、サポートスタッフ延べ37名で未来スクールプログラムを実施しました。
【2024年度予定】8校の和歌山市立中学校の1,266名の生徒が受講、職業先生企業が延べ83社、サポートスタッフ40名で実施を予定しています。
寄付の使い道について
お寄せいただきました寄付は、未来スクールのプログラム開発費、また充実したキャリア教育を継続して届けるための運営費として活用します。
<プログラム開発費の例>
- 生徒の教材の開発・制作・製本・印刷(受講生全員に配布)
- 中学校教員向け指導手引き「ティーチャーズガイド」の開発・制作・製本・印刷
- 職業先生(企業講師)の授業プログラム開発・授業練習会実施 等
<運営費の例>
- 中学校の現状・ニーズ等の把握打ち合わせからプログラム実施までのサポート
- 職業先生・サポートスタッフの運営管理、コーディネート
- 生徒・学校・職業先生の実施後の効果測定
- 年次報告会の開催 等
寄付をいただいた方には
- 寄付金受領証明書(領収書)と、ご希望の方には感謝状をお送りします。
- 年次活動報告書をメールにてお送りします。ご希望の方には年次活動報告書にお名前を記載いたします。
- 毎年1回開催する対面で活動の成果や会計報告等をお伝えする「活動報告会」や「キックオフイベント」にご参加いただけます。
皆さまからのご支援が、これまで家庭や学校だけではできなかったキャリア教育を通して、10代の子どもたちの意欲を高める力となります。
代表者メッセージ
大人ではない、けれど子どもと呼ぶには少し大きい中学生という多感な時期。家庭の中よりも、学校や友達と過ごす時間が増え、子どもたちはさまざまな経験や刺激を受けて、心身ともに大きく成長します。
一方で、日本では10代の子どもたちの自己肯定感は小学校から中学、高校へと年齢を経るごとに低くなっており、和歌山県でも同様のアンケート調査結果が出ています。またそこには家庭環境も影響を及ぼしていることが指摘されています。
私たちは、どのような環境で生まれ育ったとしても、すべての子どもたちが、一人ひとり、その子らしい方法で未来を切り拓く力を身につけてほしいと願います。
また時代が変わり、それに応じて必要な教育もその形も変わります。そのためには子どもたちを育むことを家庭と学校だけが背負う限界があります。企業や保護者、行政の垣根を超えて、私たち大人が連携することが必要です。
「あなたたちは、何にだってなれるんだよ」。
そんなふうに温かく見守りながら、子どもたちが持つ可能性の種を一緒に育てませんか。
未来スクール代表 山本 理恵