子どもの入院はある日突然始まる。
「子どもの荷物を準備するだけで精一杯だった」
ページをご覧いただきありがとうございます。NPO法人キープ・ママ・スマイリングです。私たちは、2014年の団体設立以来、病気の子どもを育てるご家族を支える活動を行ってきました。
小児病棟に泊まり込み、子どもの身の回りの世話を担うお母さんたちの日常は過酷です。ごはんは毎食、院内の売店で買うコンビニ食。それも検査や治療の都合で、食べそびれることは日常茶飯事です。トイレに行く時間もままなりません。シャワーすら満足に浴びられず、夜は寝返りも打てないような狭くて硬い簡易ベッドで眠り、看護師さんの巡回のたびに目を覚ます、緊張を強いられた生活が続きます。
こんな日常が、子どもの入院によってある日突然始まります。
多くの親にとっては初めての経験で、十分な準備もないまま、慌ただしく付き添いの日々に突入します。助けになる情報を求めてインターネットを検索しても役立つものはそれほど見つかりません。
初めてのことで右往左往するばかりだった。
子どもの荷物を準備するだけで精一杯だった。
身近に子どもの入院に付き添った経験のある人は、一人もいなかった。
場合によっては、自宅から遠く離れた、まったく知らない土地の病院で、初めての付き添い生活を送らざるを得ないこともあります。
ほんのささいなものが、付き添い生活を少し楽にする
病室では、すぐに脱いだり履いたりでき、外履きにもなるサンダルが便利。
スペースが限られる病室でも、S字フックがあるとベッドに荷物をかけられる。
キャンプ用の簡易ベッドがあれば、寝るのが少し楽になる。
食事の途中で呼ばれることがあるので、 蓋つきのタッパーがベスト。
病院からほんの数分のところに、おいしいお弁当が買えるお惣菜屋さんがある。
たったそれだけのことで、付き添い生活が少しだけ楽になる、日々の生活のクオリティが上がる。子どもの入院に付き添った経験のある人だけが知っている、ささやかな知恵や知見が、実はたくさんあります。残念なことにこのような知恵や知見の多くは、先輩の付き添いママから伝えられることなく消えていきます。
付き添いのバトンをつなぐ、クチコミサイトを作りたい
今日もまた、付き添い生活をスタートさせるご家族がいます。先輩の付き添いママたちと同じように、土地勘のない場所で、苦労しながら付き添い生活を最初から始めなければならない状況が全国の小児病棟で繰り返されています。
しなくてすむなら、しないほうがいい経験だった。
でも、長く、大変な思いをした人ほど、たくさんの知恵や知見を持っている。
もう二度と、私と同じ思いをさせたくない。
初めての入院、初めての土地でも、付き添い生活の質を向上させ、安心して病気の子どもの看病に専念できる環境づくりをサポートするために、付き添い生活を支えるさまざまな情報を掲載したクチコミサイトを私たちは 作りたいと考えています。 付き添い経験者の中で消えていた「知恵」や「知見」を、同じ境遇に置かれたご家族の「安心」と「笑顔」に変えていくためのクチコミサイトです。
誰にでも役立つクチコミと病院別のクチコミからスタートします
このクチコミサイトは、大きく分けて「テーマ別掲示板」と「病院別掲示板」の2つがあります。
テーマ別掲示板は、「持ってきてよかったもの」「もらって嬉しかったもの」といった、付き添い家族とその周りで支える人々にとって役立つクチコミが集まる場です。付き添いを経験した人が「ほかの家族にも教えてあげたい」と思う生活情報を取り扱います。
一方、病院によって付き添いのルールはさまざまです。「この病院は電化製品の使用が制限されている」「コインランドリーを使うならこの時間が空いている」「病院の近くにおいしいお弁当を買える店がある」など、病院ごとに異なる情報を集め、長く入院するほどにたまっていく知見をこれから付き添う人に伝える場です。
病院別の掲示板は、全国に15か所ある小児がん拠点病院からスタートし、順次拡大していく予定です。
そのほかにも、付き添い生活に役立つ家族サポート・医療制度の記事や、全国各地で活動する家族会・患者会など支援団体のリストも掲載する予定です。
この掲示板は、付き添い生活をよりよくするために経験者の知恵や知見を集める場です。そのため、医療情報、病院・店舗への不満・要望などは取り扱わないというルールを定め、投稿内容についても審査を行います。
みんなで作りたい、だからクラウドファンディングに
厚生労働省が集計している患者調査によると、入院している子ども(0〜14歳)の数は年間に2万2900人(2020年10月現在)に上ります。新型コロナウイルス感染症の流行が拡大しても、病気にかかる子どもたちが減っているわけではありません。
一方、小児病棟では感染防止対策の強化により、病室内ではカーテンを閉め切り、付き添い家族同士が気安く会話を交わすこともできなくなっています。付き添い家族が孤立化する中、今まで以上に生活情報をシェアする場が必要とされており、私たちはみんなで力を合わせてクチコミサイトを作りたいと考えました。
今回のクラウドファンディングのご寄付は、クチコミサイトを作るために大切に使わせていただきます。完成後は、一人でも多くの付き添い家族に利用していただけるようサイトの広報にも力を入れていきます。
【ご寄付の使い道】
- ウェブサイト開発、デザイン制作費用
- 家族サポートと医療制度に関する記事作成費、ほか
(以下、2022年6月13日 追記)
皆さまのご支援をもちまして、6月13日にファースト目標の200万円を達成しました。
ネクストゴールに向けてのご寄付は、次の目的のために大切に活用させていただきます。
- 完成したサイトの広報・PR費(チラシ作成費、郵送費、ネットプロモーション費など)
- クチコミサイト内のコンテンツのさらなる拡充
クチコミサイトが完成後、全国の約500病院(小児がん拠点病院、 日本小児科学会/中核病院小児科・地域小児科センター登録病院)にチラシ配布し、院内掲示にご協力をお願いします。また、当団体が発信するメールマガジンやSNSのほか、インターネット等を通じて全国の付き添い家族に情報を届けてまいります。
【開発スケジュール】
6月 | 全体コンテンツ設計、システム要件定義、開発着手 |
7月 | ウェブデザイン・ロゴ制作 |
家族サポートと医療制度に関する記事の執筆依頼 | |
8月 | 口コミ掲載運用フロー策定、手順書作成、運用研修実施 |
掲示板作成病院(サイトオープン時は5〜10病院を予定)の口コミ収集開始 | |
病院別口コミ情報の掲載準備、記事ページ編集・制作 | |
9月 | 開発テスト |
サイトオープン、運用スタート |
付き添い家族のセーフティネットになりたい
NPO法人キープ・ママ・スマイリングは、2014年の団体設立以来、入院中の子どもに付き添うご家族を支える活動を行ってきました。この活動の原点となっているのは、理事長・光原ゆきの付き添い体験です。
初めての出産と同時に病児の母となり、いくつもの病院で子どもの長期入院に付き添う中、食事や睡眠を十分にとることができず、倒れた経験がありました。周りを見渡すと自分と同じように心身を疲弊した親が少なくなく、病児の母となって初めて付き添い生活の過酷さを知りました。
「どのような状況に置かれても、安心して病気の子どもに向き合えるよう、付き添い家族のセーフティネットになりたい」。
私たちは、この目標に向かって付き添い家族を支えるさまざまな活動に取り組んでいます。
コロナ禍においては、小児病棟の感染防止対策の強化により付き添い家族が外出や交代を制限され、食料や日用品の買い物もままならない中、私たちは2020年10月からレトルト食品や缶詰、マスク・消毒液などの衛生用品を詰め合わせた「付き添い生活応援パック」を無料でお届けする活動を始めました。
事業開始以来、現在までに2,200名を超えるご家族に応援パックをお届けしてきました。
NPO法人キープ・ママ・スマイリングの公式サイトはこちら:https://momsmile.jp
15,000円以上のご寄付で、オリジナルグッズをプレゼント
ご寄付をいただいた皆様には、お礼のメッセージとサイト完成時のご報告をメールでお送りさせていただきます。
また、15,000円以上ご寄付をいただいた方には、キープ・ママ・スマイリングのオリジナルグッズセット(非売品)をプレゼントします。
【セットの中身】
- Tシャツ(フリーサイズ) 1枚
- トートバック 1枚
- 蓋つきタッパー&スプーンセット 各1個
- オリジナル缶詰セット(「にんじんとオレンジの食べるスープ」「大豆ミートのキーマカレー」各1個)
※プレゼントの発送は、6月末を予定しております。プレゼントの受取りを希望されない方は、お申込みフォームの寄付額のご選択の際に、「プレゼントなし」をお選びください。
※蓋つきタッパーの色はお選びいただけません。
※NPO法人キープ・ママ・スマイリングへのご寄付は、寄附金控除の対象とはなりません。
「あなたは決して一人じゃない」と伝えたい
付き添い生活を支えるクチコミサイトを通じて、私たちが付き添いのご家族に最も伝えたいのは「あなたは決して一人じゃないよ」というメッセージです。
自分以外にもたくさんの子どもと家族が頑張っているのだと実感し、とても勇気づけられました。
これまでお届けしてきたお弁当や応援パックには、付き添い家族に寄り添うたくさんの人々の想いが詰まっています。そして、その想いが、困難の中にある人の心を支える力を持つことを、私たちは多くの付き添い家族から教えてもらいました。
だからこそ、私たちはこのクチコミサイトも、みんなの想いを乗せて作りたいのです。
そして、つらいことのほうが多い付き添い経験が自分と同じ境遇に置かれた誰かの役に立つことで、投稿者である先輩ママたちも元気になって、互いに助け合い、安心と笑顔が無限大に連鎖していくような場も、このクチコミサイトでは提供できると思っています。
付き添いを経験したご家族から、次のご家族にバトンをつなぐこの新たな取り組みに、多くの皆様のご支援とご参加をお願いいたします。