子どもたちに、あたたかいつながりを。「こども食堂」の支援を通じて、子どもの育ちを支えたい。
全国こども食堂支援センター・むすびえです。
「こども食堂の支援を通じて、誰も取りこぼさない社会をつくりたい」という思いから、設立された団体です。
全国一斉休校要請での「悲鳴」。緊急事態宣言で、さらなる「困難」。それでもなんとか子どもたちの育ちを支える全国の「こども食堂」
新型コロナウィルス感染症対策として講じられた「全国一斉休校」要請を受け、こども食堂の運営者には、日頃から繋がる保護者から「悲鳴」のような連絡があったと言います。
「明日から、子どもがうちにいる中で、どうやって仕事に行けばいいの?」
「お昼ごはんの支度をどうしよう」
「勉強をみる余裕なんて、ない」
日頃は「みんなで一緒に食べる地域の居場所」として開催されているこども食堂ですが、コロナ禍では、保護者からの切実な連絡を受け、お弁当や食材等の配布(フードパントリー)の活動に活動形態を変えながら、子どもたちの「食」を支えてきました。
【緊急事態宣言下でのこども食堂の活動】
(緊急事態宣言下でも46%がフードパントリー(食材や弁当配布等)を実施していることが、むすびえが行なった「こども食堂の現状&困りごとアンケート」でわかりました。)
そして、むすびえでは、緊急事態宣言が出され、様々な活動が自粛、イベント等が中止される中でも、子どもや子育て世帯の暮らしを守るために活動をしてくれているこども食堂の活動を支えるために、食材等の寄付の呼びかけを行い、「むすびえ・こども食堂基金」を創設し、全国からの支援をつないできました。
「食」を通じて、届けたい「つながり」と「安心感」
「お母さんが入院してしまったとき、こども食堂の人がお弁当を届けてくれました。本当にありがたかったです。」
「フードパントリーの日は、日頃買えない果物を買ってあげることができます。」
「久々に白米を食べられて、子どもが喜んでいました。子どもが喜んでいる姿に私もとても嬉しかったです。」
「こども食堂が中止になって久々におじいちゃんお会いしたら、杖をついていて、おうちにこもりっきりになっているのでは?と心配になり、時々、ご自宅にうかがうようにしています。」
「休校中、お孫さんの面倒を見ることになったおばあちゃんがとても疲れていて、こども食堂でお茶を飲んでもらいました。」
上記は、むすびえ・こども食堂基金の活動団体からの活動報告として寄せられたエピソードです。
コロナの感染への不安を感じながらも、コロナだからこそとなんとか対策を講じ、工夫をこらしながら活動するこども食堂は、日頃から繋がる子どもや保護者、コロナ禍で新たに繋がった世帯などに、全国一斉休校要請から約9ヶ月に渡り「食」を通じてつながり続け、地域に安心感を届けてくれています。
【こども食堂の困りごと】
(こども食堂の困りごとアンケートより。感染防止の対応の難しさと日頃の活動より出費の重なるフードパントリーの活動等による資金不足が深刻なことがわかりました。)
そんなこども食堂の皆さんに、心からの敬意とありがとうの気持ちを届けたい。そして、これからもこども食堂を応援したい。
むすびえでは、おとずれた厳しい冬に、やさしい気持ちをつむぎ、支え合いで少しでも社会をあたたかくしたいと思っています。
そのために、寄付を集めます。
ご寄付は、こども食堂の実態を明らかにするための調査費、こども食堂の活動への理解を促進するための広報宣伝費、その他事務局運営費として活用いたします。
ぜひ、むすびえを通じて、こども食堂の活動を応援してください。
【むすびえ 理事長湯浅誠より】
オリンピック一色に染まるはずだった2020年は、コロナ一色に染まりました。
それは誰も望まなかったし、ただの偶然にすぎません。
しかし、私たち人間はそこから「何か」を汲み取りたいと考えます。
「席を空けて座ろう」だけが「新しい生活様式」というのでは、悲しすぎる。
そのとき、こども食堂の人たちの奮闘ぶりは、これからの社会のヒントになる、と考えてきました。
いつでも、どんなときでも、つながり続けようとするたくましさ、居場所が開けないなら食材配布で対応するという柔軟さ、その中から新たな発見や出会いをつくりだしていくしたたかさ・・。
2020年は、こども食堂のたくましさ、柔軟さ、したたかさが発揮された一年でもありました。
みなさん、ありがとう。私はいつも、みなさんから多くを学ばせてもらっています。
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参考:「こども食堂の現状&困りごとアンケート」
https://musubie.org/wp/wp-content/uploads/2020/10/musubie_Q3_sheet_1020_02.pdf
写真提供:子育てネットくすくす、チャイルドケアセンター、フードバンク八王子、くれかきっちん