長期化するコロナに加えて、物価上昇による影響でさらなる「困難」も。それでもなお、子どもや子育て世帯とつながり続けてくれる「こども食堂」
こども食堂は、子どもが一人でもこれる無料または低額の食堂として、全国に7000箇所広がっています。
むすびえが、各地域の団体等と協力して調査をし始めてから、毎年1000箇所以上増えていることが明らかになり、その増加の勢いは、三密回避が叫ばれ、人があつまりづらくなったコロナ禍でも衰えず、3000箇所以上が増えていることが、私たちと地域ネットワーク団体の共同調査で明らかになっています。
「2018年以降は認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ、および地域ネットワーク団体調べ、2016年は朝日新聞調べ」
物価上昇の影響を感じるこども食堂は82%。前回調査(2022年6月)より、10%上昇。
第7回「こども食堂の現状&困りごとアンケート」調査では、物価上昇による影響を感じているが82.7%と前回の70%より10%以上上昇し、その内、物価上昇によってこども食堂を開催するにあたり何等かの変更をしているのが6.9%・する予定と回答しているのが14.1%で合わせると21.0%と前回の15.6%より上昇する結果となりました。
(第7回「こども食堂の現状&困りごとアンケート」調査結果 https://musubie.org/wp/wp-content/uploads/2022/12/musubie_Qvo7F_14.pdf)
また、1回開催あたり1人分の増額影響も62.8円(中央値)ということが明らかとなり、開催における費用も嵩んでいることがわかります。そのため、運営上の工夫を強いられることもあり、実際、こども食堂運営者から以下のような状況が届いています。
・当食堂は開設以来、必ず肉を1品以上入れてきたため、これの見直しや、お菓子やプリンをやめるか等の話も出たが、こういう時だからこそこども達の楽しみを減らしたくないとの思いから、質や量を落とすことのないよう歯を食いしばって頑張っている。(栃木県)
・食中毒を考えると、やはり揚げ物は欠かせないのですが、油の値段がかなり上がったので少し躊躇してしまいます。(沖縄県)
・肉をミンチ類にして対応したりミニトマトを半分以下にして使うことがある。(島根県)
・カレー粉や玉ねぎや野菜等の食料が高いため、スーパーをはしごしている。(茨城県)
コロナ禍で、直接人とあうコミュニケーションが減った人は、約7割。
内閣府「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査」2022によると、コロナ禍において人と直接あうコミュニケーション機会が減った人は、67.6%という結果でした。
それに加えて、孤独感は、相談相手のいる人(2.9%)といない人(23.6%)では、約8倍の開きがあることも明らかとなりました。
コロナ禍での「こども食堂」。全国で増え続け、子どもたちの育ちを支え、地域と繋がり続けてきた。
コロナ禍でのこども食堂は、2020年3月の全国一斉休校、同年4月の全国緊急事態宣言時に私たちが実施したアンケート調査で、56%のこども食堂が活動をしていることが明らかとなっています。その活動は、会食形式を継続するところ、会食が困難な場合でも、お弁当や食材等の配布活動に活動形態を変えて継続していることがわかりました。そして、その活動状況と同時に届けられたのは、「感染症の不安」と「資金不足」等の悲痛の声でした。こども食堂は、ボランティア活動で、政策や制度によって広がっている活動ではなく、民間の非営利活動です。そのため、やりたいのも自分。何かあった時に対処するのも自分です。後ろ盾は、ありません。だからこそ、少しでもその活動が安心して広がり、続けられるように、むすびえでは、応援してくださるみなさんからのご支援で、「むすびえ・こども食堂基金」を創設するなど、これまでに延べ1600団体に対して約4億円の資金支援や延べ2万を超える団体に物資支援、プログラム提供等を行っています。
つながりが希薄になることに抗って、暮らしに安心を。 地域にやさしい未来を。
ある日のこども食堂での出来事。
こども食堂に来ている中学生5人。夏休みに夏期講習を行いました。
最初は15分も、もたなかった子どもたちが夏休みが、終るころには自分からもっと勉強したいから、日にちと時間を取って欲しいと言うようになりました。先生にお礼色紙も自ら用意してくれました。感動しました。人見知り場所見知りが激しい幼児さん。毎月お母さんに連れられて来ても、机の下に隠れたり、壁に向かって小さくなっていたり、ごはんを食べることなく過ごしていました。遊ぶようになってもご飯は食べなかったり、白いご飯のみしか食べなかったりしていましたが、半年以上経って、やっと慣れて来たようで、ごはんが食べられるように。お母さんも気兼ねなく子ども食堂に参加できるようになりました。
子連れでご飯を食べに来ていたお母さん、コロナで少人数ランチ会やパントリーをすることになり、お手伝いをしに来てくれるように。いつの間にか主力のスタッフになっています。
こんな日常の変化が起きているこども食堂のみなさんに、心からの敬意とありがとうの気持ちを届けたい。そして、これからもこども食堂を応援したい。
むすびえでは、おとずれた厳しい冬に、やさしい気持ちをつむぎ、支え合いで少しでも社会をあたたかくしたいと思っています。
そのために、寄付を集めます。
ご寄付は、こども食堂の実態を明らかにするための調査費、こども食堂の活動への理解を促進するための広報宣伝費、その他事務局運営費として活用いたします。
ぜひ、むすびえを通じて、こども食堂の活動を応援してください。
理事長 湯浅誠からのメッセージ
「物価上昇は痛いけど、食数も品数も減らしていない。今までだってそう。あるもので、なんとかやりくりしてやってきたんだもん」ーーあるこども食堂の方の言葉です。
そう、こども食堂はそうやってやってきました。コロナになっても活動を休止せず、何があってもタダでは転ばない。私たちは、こども食堂の「たくましさ」を何度も何度も目にしてきました。
クラファンを行って、みなさんにご支援をお願いするにあたっては「こども食堂の現場は、今とても大変!だからご支援を」とお願いした方がよいのはわかっています。実際、一食あたり60円以上の負担増になっています。
でも、こども食堂のみなさんの、この「たくましさ」も知っていただきたい。私たちの社会は、そうやって何度も、危機を乗り越えてきました。市井の人々のこうしたねばり強さ、それこそが社会の底力だと思います。
だから、奮闘し続けているこども食堂のみなさんに、なんとかやりくりし続けているたくましいみなさんに、エールを送るつもりで、「ありがとう。一緒にがんばろう!」のつもりで、ご協力をお願いできれば大変うれしいです。
<ご寄付に関する注意>
※むすびえは、2021年5月12日付で東京都より「認定NPO法人」の認定を受けました。寄付金の税制控除対象は確定申告をおこなう該当年度の12月31日までにご入金があったものとなります。
★もし「2022年度の税制控除対象」をご希望の場合は、2022年12月31日までにむすびえに着金している必要がございます。そのため、「2022年12月31日までに「銀行振込」でのご寄付」をお願いいたします。
★クレジットカードでのご寄付については、当法人への入金が2023年1月以降になってしまうため、「2023年度の税制控除対象」となります。