「それでも、かけがえのない親だから」
児童養護施設などで暮らす4万5千人の子どものうち54%が虐待経験者です。
子どもたちの多くは、虐待があったとしても、自分の親を求め、一緒に暮らすことを望んでいます。虐待があったのなら、関わりを絶つのではなく、親が変わってくれることを願っているのです。
たとえ子どもが虐待環境から保護されても、親が変わる働きかけがなされなければ、子どもは家に帰れません。親が変わらないのに子どもを家に返したために再虐待となり子どもの命が失われてしまったケースが繰り返されています。虐待に至ってしまった親には、回復プログラムの受講が必要です。
暴力や虐待によって傷ついた大人と子どもが、本来もつ生命力や回復の力(レジリアンス)を活性化させて、心身共に健康に生きることができるようになるプログラム
「MY TREE ペアレンツ・プログラム」の目的は、虐待に至った親が虐待言動をストップすることで、子どもが健康に成長できることを保障すること。約4ヶ月のグループ・プログラム。
「MY TREE ジュニア・くすのきプログラム」の目的は、性暴力をした子ども・ティーンズがその行動を二度としないようになるためのプログラム。規程のワークブックを使って1対1でする。17週間。
「MY TREE ジュニア・さくらプログラム」の目的は、虐待、性被害、面前DV、いじめなどの心の傷を抱える子ども・ティーンズの回復。規程のワークブックを使って1対1でする13週間プログラム。
いずれのプログラムも、ソマティック・アプローチ(身体にもフォーカスするトラウマ回復セラピーや、瞑想による脳トレーニングなど)の多用、「怒りの仮面」「8つのストレス要因」「体罰の6つの問題性」など一生使える7つの心の健康ツールの習得、自分に正直に話す場作り、ナラティブストーリーの効果、日本の自然の治癒力などを活用するオリジナルプログラム。
参加者が「セルフケア」と「問題解決力」をつけることで、子どもにダメージを与える関わりをストップする回復プログラムの実施
MY TREEの主な活動に「MY TREEペアレンツ・プログラム」があります。
このプログラムは、長年、米国の児童虐待防止分野に携わってきた代表の森田ゆりが、2001年に開発したものです。森田は国内でもっとも早い時期から親支援の重要性を唱え、プログラムのファシリテーター達とともに実践を重ね、これまでに1241人の親の回復を支えてきました。
10名前後の参加者と3名ほどのファシリテーターが一つのグループとなり、毎週2時間の濃密なグループセッションを、4ヶ月にわたって全13回+個別面接3回+1〜2回の同窓会を行います。
このプログラムの大きな特徴は、以下のMY TREE プログラムの本の冒頭に明確に書かれています。
「子ども虐待とはこれまで人として尊重されなかった痛みや悲しみを怒りの形で子どもに爆発させている行動です。MY TREEはその感情、身体、理性、魂のすべてに働きかけるプログラムです。木や太陽や風や雲からも生命力の源をもらうという人間本来のごく自然な感覚を取り戻します。さらに自分の苦しみに涙してくれる仲間がいるという、人とつながれることの喜びは、本来誰でもが内に持つ健康に生きる力を輝かせるのです。」
(「虐待・親にもケアを」森田ゆり編著 築地書館)
ご支援の使い道
児童相談所は全国に220か所あります。MY TREEペアレンツ・プログラムは、現在は全国16か所での実施にとどまっています(2020年度)、
4ヶ月のプログラム実施のためには、会場のほか、参加者が子どもを預けるための保育の用意も欠かせず、約150~200万円が必要になります。参加費、保育料はとりません。
現在は、実施地域ごとに、行政の委託費や補助金等でまかなっていますが、安定した資金獲得が難しいのが実情です。そのため経験のあるファシリテーターがいるのに実施できないという事態が起きています。。
そこで、MY TREEではマンスリーサポーターを募集し、継続的なご支援のもと、虐待に至ってしまった親、そして虐待を受けた子どもの回復を支えていただきたいと考えています。
パソコンの場合は画面右の、スマートフォンの場合は画面下の「寄付をする」のボタンを押していただき、必須事項をご記入の上、決済をお願いいたします。
MY TREEペアレンツ・プログラムに参加するのは、重い虐待をしてしまいながらも、自分で「どうにかしたい」と強く思っている親たちです。
たとえ深刻な虐待をした人でも、変わりたいと強く願い、プログラムのドアを叩いた時点ですでに回復のための大きな一歩を踏み出しています。
虐待ケースにおける親支援の重要性は、まだまだ認知されていないのが現状ですが、MY TREEでは全国で継続的にプログラムを開催し、虐待や暴力の「加害」「被害」からの回復を支えます。
どうかあたたかいご支援を、よろしくお願いいたします。