
2025年、なかよし学園はカンボジアにおいて、地雷問題の解決と被害者支援を目的としたプロジェクトを展開しました。かつて深刻な内戦を経験したカンボジアでは、現在も広範囲に地雷が残されており、無数の人々がその被害に苦しんでいます。私たちは、教育を通じて地雷被害を防ぐとともに、地雷被害者や貧困地域の子どもたちの未来を拓く支援活動を行いました。

まず、地雷原の周辺地域では、住民に向けた地雷被害抑止の啓発授業を実施しました。これらの地域では、知らずに危険な土地に足を踏み入れてしまう事故が後を絶ちません。私たちは、どのような場所が危険なのか、地雷を発見した場合の適切な対応、そして爆発のリスクを減らすための行動について具体的な指導を行い、地雷被害を未然に防ぐための知識を広めました。

次に、地雷犠牲者であるBelが運営する学校で授業を実施しました。この学校は、地雷によって傷つきながらも未来を切り拓こうとする子どもたちが学ぶ場です。今回の授業では、広島の小中学校の生徒たちが手作りした教材を用いました。戦争の悲劇を知る広島の子どもたちが、遠く離れたカンボジアの子どもたちのために心を込めて作成した教材を使用することで、国境を越えた平和教育が実現しました。カンボジアの子どもたちは、自分たちの学びが世界の仲間とつながっていることを実感し、大きな希望を抱くことができました。

また、AkiRaが設立した地雷博物館では、世界中からの訪問者に向けたガイド活動を行いました。この博物館は、地雷除去活動を行ってきたAkiRaの経験をもとに、カンボジアの地雷問題を伝える場として設立されました。私たちは、地雷の恐ろしさだけでなく、なぜこの問題が生じたのか、そして今どのように解決しようとしているのかを来館者に伝え、地雷問題への国際的な関心を高める役割を果たしました。

さらに、地雷被害者や貧困地域の住民の生活向上に向けたソーシャルビジネスの発掘にも取り組みました。その一環として、カシューナッツを活用した雇用創出プロジェクトを開始しました。カシューナッツの生産・加工を通じて、地域住民が安定した収入を得ることができる仕組みを構築し、持続可能な産業の発展を目指しました。また、地雷被害者の自立支援を目的としたジュエリープロジェクトも開始しました。地雷によって手足を失った人々が、アクセサリーの制作を通じて収入を得ることができるよう支援し、彼らの社会復帰を後押ししました。

このように、なかよし学園のカンボジアプロジェクト2025では、教育と雇用の両面から地雷問題に取り組みました。地雷被害を防ぐための啓発活動、地雷犠牲者や貧困地域の子どもたちへの教育支援、そして地雷被害者の経済的自立を促すビジネスモデルの開発を通じて、カンボジアの人々が未来に向かって歩み続けることを支援しています。
この活動を続けていくためには、皆さまの継続的なご支援が不可欠です。教育や仕事を通じて地雷の被害者が新たな人生を築けるよう、ぜひ今後ともご支援・ご協力をお願いいたします。私たちの一歩一歩が、カンボジアの平和と発展につながることを信じて、引き続き活動を続けてまいります。
なかよし学園カンボジアプロジェクト2025
期間:3月2日〜3月11日(9日間)
地域:カンボジア王国シェムリアップ州
・Kouk Thiok Leu村小学生100名グローバルリーダーシップ授業
・Ruessei Lok村小学生160名にグローバルリーダーシップ授業
・Koul村(地雷原)村人30名に地雷啓発授業
・AkiRa地雷博物館でのガイド及び企画立案
・地雷除去団体CSHDのサポート
・Nokor Thum村生徒30名にグローバルリーダーシップ授業