活動・団体の紹介
「やさしや足湯隊」は学生・若者を中心に結成されました。阪神・淡路大震災の被災地KOBEから広がった足湯ボランティアを、全国の学生・若者が能登半島地震の被災地で行います。※現地の要望によって足湯以外の活動(物資の管理、ボランティアセンターのサポート、被災家屋の片付け等)も行います。
この活動は被災地NGO恊働センター、CODE 海外災害援助市民センターを通じて行います。阪神・淡路大震災をきっかけに発足した両団体は「困ったときはお互いさま」の考えのもと、2007年の能登半島地震から継続して支援を行ってきました。令和6年能登半島地震では、発生の翌日からつながりのあった石川県七尾市、珠洲市で物資支援や避難所運営のサポート等の活動を行っています。今後、輪島市や門前町等、他地域への活動も広げていく予定です。
名前の由来:「能登はやさしや土までも」という言葉から名付けました。これは、人はもとより土までもやさしいという農の風土を表していると同時に、能登の人は素朴で温かいという意味を表しています。私達は能登の風土、人々に向き合い活動します。
活動の背景
被災地NGO恊働センター、CODE 海外災害援助市民センターは2007年の能登半島地震から継続して活動を行っています。石川県七尾市中島町小牧で9月に開催されるお熊甲祭りには、コロナ禍を除いて毎年神戸からも参加させていただき、住民の方々と共に汗を流しています。
令和六年能登半島地震を受け、学生・若者からも「何かしたい」という声が多くあがりました。学生主体の募金活動から始まり、地震から二週間経った頃には学生も被災地へ赴き足湯ボランティアを行うようになりました。ボランティアの宿泊場所は七尾市中島町小牧の拠点を利用させていただいています。
現在までに、
先遣隊(2/4~2/7)
第1次足湯隊(2/19~2/22)
第2次足湯隊(2/26~2/29)
第3次足湯隊(3/5~3/8)
第4次足湯隊(3/13~3/16)
第5次足湯隊(3/22~3/25)
第6次足湯隊(3/28~3/31)
第7次足湯隊(4/26~4/29)
第8次足湯隊(5/3~5/6)
第9次足湯隊(5/31~6/2)
第10次足湯隊(6/7~6/9)
第11次足湯隊(6/21~6/23)
とこれまで関西のみならず全国から、延べ90名のボランティアが活動しており、次回は第12次足湯隊(7/12~7/15)が活動予定です。また、現在は第17次足湯隊(8/27~8/30)のメンバーまで計画しており、これからも継続して長期的な活動を行なっていきます。
足湯ボランティアとは!?
足を10~15分、お湯につけ手をさすります。その間にボランティアと1対1でお話をします。足湯ボランティアには老若男女誰でも参加することが出来ます。その会話の中の言葉のことを「つぶやき」と呼んでいます。足湯につかりのんびりした空間を作ることで、肉体的な疲れやストレスを少しでも解消していただきます。
足湯の効能
足湯には風邪の予防、睡眠の促進、血流改善などの効能があります。足湯をすることで血圧が調整され、心身ともにリラックスしていただくことが出来ます。
「つぶやき」って??
足湯の間、利用者とボランティアは一対一で向かい合い、リラックスした時間を過ごします。そんな中で出てくる声を、私たちは「つぶやき」と呼びます。「つぶやき」にはなかなか口に出せなかった本音が隠されていることがあります。その「つぶやき」に耳を傾け、一人ひとりに寄り添った活動をおこないます。足湯ボランティアは一方通行の支援活動ではなく、ボランティアと足湯を受ける相手との間に双方向の交流があります。あなた対わたしという1対1の関係性が築くことのできる、一人ひとりに寄り添う活動です。
実際のつぶやき
実際にやさしや足湯隊で拾ったつぶやきを抜粋して紹介します。
「なんでこんな不便なとこに住み続けるのかって思われるけど、やっぱりそれだけの魅力あるんですわ。恵も多いし。」輪島・60代男性
「地震の当日は津波が来るって言うから、山へ避難した。山への避難は本当に大変だった。暗くなるまで山に避難してたの。5月中に仮設住宅が出来るから待っている。しょうがないけど、仮設住宅はちっこいし、嫌だね。荷物も置けないしどうしようかな。」穴水・70代女性
「こんなことになるとは思っていなかったね。地震があってこんな生活になるんだったら生きてこなかったらよかったって思っていたの。でも全国から沢山のボランティアさんに支えられて、足湯ボランティアで〇〇ちゃんにも出会えて、生きていてよかったわ。」珠洲・60代女性
このように、足湯を通すことで外部からやってきた私たちに対しても、当時の大変な状況や感謝、地元のことを話してくれています。私たちも能登半島を知るきっかけにもなりますが、住民さんも思いを口にすることで心のケアにも繋がります。
代表者メッセージ
はじめまして、今回の足湯ボランティアのリーダーをさせていただきますCODE海外災害援助市民センターの山村太一です。
私自身、これまで足湯ボランティアをしたことがなく今回初めて足湯をさせていただきました。足湯ボランティアを行う中で気がついたのは、特別な技術や経験がなくても誰しもが立派な足湯ができ、目の前の被災者一人一人に向き合うことができることです。発災直後は、ボランティアに対する風当たりが強く、経験がないボランティアは自粛ムードでした。しかし、それでも「何か被災地で役に立ちたい」「私にできることはないか」という想いを抱えた若者がたくさんいました。そのような想いを抱えた若者たちだからこそ目の前の被災者一人一人に寄り添い、外部の若者だからこそ被災された方も話せること聞いて欲しいことがあります。被災者一人一人のつぶやき(ニーズ)を拾い上げて今後の復興につなげながら、若者たちの「誰かの役に立ちたい」という想いのため活動しています。
皆様の暖かいご支援ご協力をよろしくお願いいたします。
参加学生の感想
先遣隊メンバー 山口さん(兵庫県立大学院)
まず単純に、足湯ってすごいなと感じました。「私は畑をやっていてね。今の時期は大根やカブラが獲れるはずだったんだよ」。「手がゴッツイでしょ。むかしは水道の工事をやってました」。被災された方々にとって、私たちは見ず知らずの他人。にもかかわらず、足湯を介することで緊張が解け様々な話が溢れ出る。足湯には、ただホッと一息してもらうだけでなく、これまでの経緯を整理したり振り返ったりするツールとしての役割もあることを実感しました。続いて、災害支援では様々な「(人と人との)つながり」が大切であること。ここでいう「つながり」とは支援者間および、支援者と受援者との間にあるものです。前者について、足湯の準備や実施、片付けにあたってはチームワークとも呼べる「つながり」が重要だと感じました。誰かが指示するわけでもなく、自分が何をすれば良いか常に考えて動くこと。こうした目にみえない「つながり」が足湯の円滑な実施につながることを痛感しました。
先遣隊メンバー 糴川さん(神戸学院大学 現代社会学部4年)
私自身、初めての発災直後の町へのボランティアだったため、かなり緊張していました。阪神・淡路大震災が発生した地で生まれ育ち、当時の画像や映像や体験談を多く見聞きする機会はあったものの実際のものを目にするとかなり衝撃的でした。地震が起こる直前まで生活していた痕跡が崩壊した家屋の隙間から見えたり、地震によって失ったものを何の当てもなく探していたり、経験したことのない困難ばかりでした。その精神状態の中、お寺の掃除等の肉体労働も行いましたが、やはり身体的な疲労より精神的な疲労の方が大きかったと感じました。しかし、その精神的な疲労を回復させてくれたのは一緒にボランティアに赴いたメンバーや現地の被災者の方々でした。協力して作業を行うこと、意見を交わすこと、何気ない会話をすること、地震という大きな障害から乗り越えようとする勇気や努力。日々の生活に溶け込んだ何気ないことから特別なことまで、たくさんのことに集中することが自分の気を紛らわして楽しさを感じることができるので、少し大袈裟に言うと新しい生き方を見つけたと感じた時間となりました。
寄付金の使い道について
皆様から頂いたご寄付は、学生・若者が活動する際の交通費・消耗品費として使わせていただきます。能登半島地震の被災地の復興には、長い時間がかかることが予想されます。できるだけ長く活動を続けられるよう学生・若者の片道分の交通費、足湯に使うガスボンベやゴミ袋、タオル等の消耗品費を負担します。
4月からは一ヶ月に2回(1回につき3~4日の活動)のペースでボランティアを派遣し、活動する予定です。一回につき5~10人程度を予定しています。
交通費例)
兵庫県神戸市から石川県七尾市中島町までの場合
片道¥11,600を負担
JR神戸線(神戸→大阪)JR特急サンダーバード(大阪→敦賀)JR新幹線つるぎ(敦賀→金沢)JR七尾線(金沢→七尾)のと鉄道七尾線(七尾→能登中島)を利用
1ヶ月分の交通費:1回7人(7×¥11,600=¥81,200)×1ヶ月に2回
=¥162,400
1年分の交通費:¥162,400×12ヶ月=¥1,948,800
消耗品費例)
ガスボンベ一本当たり¥250~¥350
一ヶ月で12本使用と仮定すると一年間で144本×¥300=¥43200
その他、ゴミ袋、タオル等 ¥8000
計¥2,000,000
最後に
被災地はまだまだ復興の途中です。そのなかで被災地のために活動したいと思う学生・若者が全国にたくさんいます。そんな私達が被災地で復興の一助となれるよう、皆様の温かいご支援・ご協力をよろしくお願いします!!