現地へスタッフを派遣し被災者に寄り添った支援を実施します
被災地NGO恊働センターでは、姉妹団体のCODE海外災害援助市民センターと連携し、トルコ・シリア大地震の被災地支援を実施いたします。
CODEでは、いままでの支援活動の経験やネットワークを通じて、現地のカウンターパート団体や現地在住の日本人教師である藤本さんとつながり、これまで現地に二度スタッフを派遣し、緊急的な支援活動や今後の復興支援のための課題の調査を実施してきました。
現地滞在中にあh、被災状況の調査、今後の復興支援に向けた被災者へのヒアリング、救援物資(防寒具、雨具、テント)の提供、現地NGOやボランティア団体との協議を行いました。
滞在したのは、下記の場所です。
県 | 自治体の数 | 市郡 | 人口 | 被害状況 |
アジアンテプ県 | 9 | ガジアンテプ市 | 85万人 4万人 | 死者3,273人 負傷者12,468人 |
カフラマンマラシュ県 | 11 | オニキシュパト市 | 45万人 22万人 | 死者11,646人 負傷者5,000人 |
アディヤマン県 | 9 | アディヤマン市 | 26万人 | 死者3,225人 負傷者11,778人 |
CODEが調査した場所
↓写真は第1次派遣の様子
被災地の状況
第1回の現地派遣での状況です。
【ガジンアンテプ市内】
・町は通常通り機能しているが、局所的に被害を受けている場所もある
・トルコ人だけでなく、クルド人、シリア人も避難している。
・大半は、家屋に亀裂が入り、恐怖から公園に避難して暮らしている。
・市内の被害が見えにくいことから、避難キャンプにいる人たちへの支援は手薄になっている。
【ガジアンテプ県ヌルダ郡】
・あまり注目されていなかったことから、NGOが郡政府と連携して郡内3ヶ所に7000戸のコンテナを20日間で仮設住宅として建設している。
・ヌルダ近郊には断層による大きな亀裂が入っている。農村では戸建て住宅の被害がある。
・町の全てを一度、更地にして新しい町を再建する(郡知事)
【カフラマンンマラシュ市内】
・市内中心部の高層マンションが多数倒壊している。
・町のいたるところでAFAD(国家緊急事態管理庁)によって捜索活動が続いており、その前で家族が焚き火を囲んで悲しみを分かち合っていた。
・市内のライフラインはストップしていて、空いている店は一つもない。
・避難所間に設備(暖房、電気、シャワー等)の格差がある。
・倒壊を免れたマンションに戻る人もわずかだがいた。
【アディヤマン県アディヤマン市内】
・市の中心部のマンションやビルがことごとく被害を受けている。
・戸建ての住宅も多く、築20年くらいの家屋が多く被害を受けている。
・公園や空き地が避難キャンプになっており、テントで生活している人もいる。
・学校を拠点にNGOが捜索や炊き出しの支援をしている。政府からの支援はなくNGOスタッフも学校や車で寝ている。
↓避難している方々はテントで寝泊まりをしている(第1次派遣時の建設された仮設、第2次派遣のテントの様子)
被災者の声と課題
「1999年の地震から何も学んでいない」(2/8 大学生)
「最新の耐震技術で適切に建設されていれば、この地震にも耐えれたはず」(イスタンブール工科大学 ファーティ准教授)
「あのビルは倒壊していないのに、なぜ娘のマンションが・・・日本の耐震を伝えて!」(2/12 カフランマンマラシュ)
「政府にはいろんな顔がある」(2/15 カフラマンマラシュ)
「トルコ人として働きたいからここにきた。僕たちの話を聴いてくれたのは、あなたたちだけだ」(2/16 アディヤマンで政府から支援のないNGOの拠点で活動する学生ボランティア)
【課題】
・迅速な復旧・復興の中にどれだけ被災者の声を反映できているのか?
・強権的なトップダウンの中で取りこぼされる地域や人はいないのか?
・仮設住宅などでの被災者の暮らしの丁寧なサポート
今後の復興支援
CODEでは、これまでの経験を活かし緊急的な支援だけにとどまらない復興支援を継続して実施してまいります。
ぜひ皆様のご協力をお願い致します。
■今後の復興支援プロジェクト(予定)
【短期的復興支援】
(1)仮設住宅の暮らしサポート
コンテナハウスを提供しているNGOやガジアンテプのボランティアグループと共に実施
カウンターパート:NGO ACEV/Active Participants Association
(2)学生ボランティア交流
トルコ国内の大学生ボランティアと日本の学生ボランティアの学び合いの機会を創出し、
地元の大学生の活性化や遠くても継続できる支援を模索
カウンターパート:ネブシェヒル大学日本語教師 藤本憲志さん
(3)クルド人やシリア人を対象とした支援
支援の届きにくいクルド人やシリア人を対象として支援を実施
今後、現地からの情報と調査に基づいて実施
【中長期的復興支援】
(4)耐震の住宅再建
ヌルダ郡郊外などの小規模集落で耐震住宅の再建、モデルハウス建設を通じ、
住民と建設業者を対象にして耐震技術の普及
CODE事務局長からのメッセージ
トルコ政府は、復旧・復興にの対応を非常にスピーディーに進めています。仮設住宅の建設や住宅再建をスピード感を持って進めていくことは重要ですが、問題はその中に被災者の声が反映できているのか?という点です。
強権的なトップダウンのやり方では、必ず取りこぼされている地域や被災者が出てくることは、これまでのCODEの活動経験の中からもわかっています。
CODEでは、被災者一人ひとりの声に耳を傾け、トルコ人やシリア人、クルド人の「支え合い」を支えていく支援を展開していきたいと考えています。CODEは設立以来、「最後の一人まで」をモットーに活動をおこなってきました。今回の支援においても、取り残される人たちに目をむけ、耳を傾け、丁寧に向き合った支援を展開したいと思いますので、皆さんのご支援をよろしくお願いします!