
もし、あなたが国境を越えて誰かの夢を応援できるとしたら? バンコクのスラム街で活動する子どもたちのオーケストラに心を奪われた加古川成子さんは今、彼らの日本公演実現のためクラウドファンディングに挑戦している。彼女を突き動かすのは、2017年に出会った子どもたちの演奏がくれた魂の震えと、彼らが持つ「希望の光」。この記事は、彼女の情熱の記録であり、あなたへの招待状でもある。
運命の出会いはバンコクの片隅で
インタビュアー: 本日はお忙しい中、ありがとうございます。加古川さんがバンコクのクロントイ地区を拠点とする「イマヌエルオーケストラ」の支援を始められて数年が経ちますが、まずはその出会いのきっかけから教えていただけますか?
加古川さん: はい。最初の出会いは2017年の5月でした。私がバンコクで企画したコンサートで、一人のフランス人女性と出会ったんです。彼女との出会いこそが、イマヌエルオーケストラとの運命の出会いでした。
インタビュアー: そのフランス人女性から、オーケストラの話を聞かれたのですね。
加古川さん: ええ。彼女から「クロントイ地区にオーケストラがあって、そこには貧困によって職業の選択肢が限られている中でも、ヴァイオリンと出会い、懸命に頑張っている子どもたちがいるんです」という話を聞いた時、強く関心をもちました。すぐにでも会いに行きたかったのですが、実際に行動に移せたのは、その半年後の11月でした。
子どもたちが奏でる「運命」に、魂が震えた
インタビュアー: そして、ついに彼らの演奏を聴くことができたのですね。その時のことを詳しくお聞かせいただけますか?
加古川さん: はい、忘れもしません。イギリス人の指揮者のもと、まだあどけなさの残るオーケストラのメンバー10数名が、音大生やプロの演奏家も加わって演奏していました。曲目は、ベートーベンの交響曲第5番「運命」。ヴァイオリンに出会っていなければ職業の選択肢が限られていたであろう子どもたちが、大人たちに混じって名曲を演奏しているその姿に心打たれ、魂が震えるような、涙がこみ上げてくるような感動に包まれました。その時です。「この子たちのために、何かしたい」と強く思い、支援をすることを決心したのは。
「ヴァイオリンが足りない」その一言から始まった支援
インタビュアー: 運命の出会いと、運命の演奏が重なったのですね。最初の支援は、どのようなことから始められたのですか?
加古川さん: 支援を心に誓った後、フランス人女性と、後にイマヌエルオーケストラの最も熱心な支援者だと知ったタイ人のご夫婦からお食事にご招待いただいたのですが、その席で「ヴァイオリンの数が足りなくて困っているの。なにか協力してくれないかしら」と相談を受けたんです。それを聞いて、すぐに「娘が昔使っていたヴァイオリンがある。これを役立ててもらおう」と思いつきました。そこから、友人や知人にも声をかけ、楽器の寄付を募ったんです。それが、最初の支援活動ですね。
インタビュアー: ご自身の身近なところから始められたのですね。その後、活動はどのように広がっていったのでしょうか。
加古川さん: はい。それからは、私が企画するコンサートの収益を寄付したり、オーケストラのためのチャリティーコンサートを開催したりと、活動を続けています。
「支援」から「学び」へ。価値観を変えたスラム街での出会い
インタビュアー: 支援を続ける中で、加古川さんご自身に何か変化はありましたか?
加古川さん: ええ、とても大きな変化がありました。2020年ごろでしょうか。「自分は彼らを支援しているのではなく、むしろ私の方が彼らに多くのことを教えられ、学ばせてもらっているんだ」と、徐々に気づかされていきました。
インタビュアー: そう考えるようになったきっかけは何だったのでしょうか?
加古川さん: 実際にクロントイ地区を訪れたことです。クロントイ地区は、タイの「スラム街」と呼ばれる場所で、タイの人でさえ訪れるのを避けるような場所です。正直、私も行く前は「私たちのような部外者が行ったら、嫌がられるのではないか」と、少し怖い気持ちがありました。心の壁を作っていたんですね。しかし、実際に足を踏み入れてみると、そこに住む方々はとてもフレンドリーで、私たちを温かく歓迎してくれたんです。その時、「壁を作っていたのは、私たちの方だった」と気づかされました。
インタビュアー: 実際に現地を訪れたことで、見方が変わったのですね。
加古川さん: まさにその通りです。そして何より、子どもたちが音楽を通して大きく変わっていく姿に心を打たれました。音楽と出会ったことで、規則正しい生活を送り、時間を守り、勉強までするようになったんです。音楽に打ち込むことで、子どもたちは麻薬や犯罪といった誘惑からも自然と守られているように感じました。彼らは音楽の力で、新たな人生をスタートさせていました。その変化を目の当たりにして、子どもたちが持つ力強さに、まぶしいほどの輝きを感じました。
彼らの音色を、日本の子供たちへ。そしてタイの未来へ
インタビュアー: 素晴らしいお話ですね。最後に、加古川さんの今後の夢や目標についてお聞かせください。
加古川さん: このような奇跡のような力強さと輝きを持つイマヌエルオーケストラの子どもたちを、日本に招いて演奏会や交流会を開きたいと思っています。彼らのひたむきな姿と素晴らしい演奏は、将来に希望が持てなかったり、夢を描けずにいたりする日本の子どもたちにとって、きっと大きな希望の光になるのではないかと考えています。
インタビュアー: 日本の子どもたちへの影響だけでなく、さらに大きな展望もお持ちなのでしょうか?
加古川さん: はい。タイでは公教育に音楽の授業がないことを知り、大きなカルチャーショックを受けました。ですから、この活動を通して、将来的にはタイにおける音楽教育の基盤作りをお手伝いし、青少年の健全な育成に寄与していくことが、私の人生をかけた夢になっています。
* * *
イマヌエルオーケストラの子どもたちが奏でる希望の音色を、日本の皆様にも届けたい。その一心で、加古川さんは彼らを日本に招くためのプロジェクトを立ち上げました。
現在、渡航費や滞在費、コンサート開催費用などを集めるため、クラウドファンディングを実施しております。
皆様の温かいご支援が、子どもたちの夢を、そして日本の未来を担う子どもたちの心を照らす大きな力となります。どうか、このプロジェクトにご賛同いただき、ご支援いただけますよう、心よりお願い申し上げます。

金額5,000円 | 在庫183 |

金額5,000円 | 在庫196 |

金額5,000円 | 在庫29 |

金額10,000円 | 在庫28 |

金額10,000円 | 在庫47 |

金額15,000円 | 在庫0 |

金額20,000円 | 在庫18 |

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