オンラインワークショップと日本国内での展覧会の実施
Pendiente del Destino は私たちがフィリピンの都市貧困地域で実施している活動の1つです。この活動ではフィリピンの困窮する女性たちを支援するために、セブでクリエーションワークショップとしてハンドクラフトのジュエリーや水彩画の制作ワークショップの開催と作品展覧会の企画・運営を主におこなっています。
パンデミック以降一年以上も現地訪問ができない状況が続く中で、現在は関西NGO協議会の助成プログラムのご支援をいただき、ワークショップをオンラインで開催したり、ワークショップを通して制作された作品を日本国内へ輸送して国内各地での作品展の開催をおこなっています。
これまでに東京都と滋賀県、兵庫県で展覧会を実施してきました。
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【これまでの経緯】問題の認識と学生のアイデア
本プロジェクトの始まりは、当団体が2019年に実施したセブの貧困地域での支援・交流活動に参加したスペインからの留学生ボランティアの一人が「夜のセブの繁華街で男性に声を掛ける女性たちのために何かサポートできることはないか」という一言がきっかけでした。
フィリピンで働くセックスワーカーの多くは地方の貧困地域の出身者が多く、貧困で苦しむ家族により人身売買の被害者となります。何も知らないまま身寄りのない都市部に連れてこられ、学校に行かなくても収入を得ることができる生業としてセックスワーカーとして働くことを強いられているケースも少なくありません。
そんな女性たちと留学生の思いを形にしたのがPendiente del Destinoというクラフトヒーリングプログラムです。このプロジェクトはフィリピンのセブでセックスワーカーの保護・転身を支援する事業を展開するGood Shepherdと協力する形で、シェルターで生活する女性たちの転身を促進するプログラムとして2020年1月にスタートしました。
オンライン開催へと移行することで、コロナ禍の影響を受けながらもこれまでに6回に渡りワークショップを開催することができています。また、展覧会も国内ではありますが計5回開催することができました。ワークショップがない期間も女性たちは自主的に制作を続けているようで、彼女たちなりのアイデアやアレンジにチャレンジするなど、個性的な作品が作れるようになっています。
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【これからの展望】コロナ禍のワークショップの継続と女性支援の輪の拡大
コロナ禍において国外の事業を発展させるのがなかなか難しいというのが正直なところですが、まずは現在の支援を途切れさせつことなく、少しでもオンラインでのワークショップを充実させ継続することを大切に活動を続けていきたいと思います。
また、2022年1月にスペインのセビージャで展覧会を開催するべく計画と準備を進めています。活動を開始して以来、国外での展覧会は初の試みとなります。日本からは遠隔でのサポートのみになってしまいますが、スペインの多くの方に活動や現地の様子を知ってもらう良い機会になればと思っています。
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ご支援の使い道
*必要資金:50万円 (1年間)
*使途 ーオンラインワーショップのための教材費、郵送費、インストラクターへの謝礼費。
ー展示材料費、展示会場費。
*期待される効果
セックスワーカーという仕事を経験した人びとへの社会的偏見や蔑視を無くし、彼女らが転身したいと思ったときに必要なサポートが受けられる社会を作りたいと考えています。あらゆる国の全ての女性と男性が課題を認識し、声を上げることで、人身売買をはじめとする幼い子供や女性への暴力が無くなり、あらゆる女性たちが自身の人生・ライフスタイルを自ら選択して生きていける貧困のない社会をみなさんと一緒に実現していきたいです。