
サンタナ学園の支援者の方々から頂きました応援メッセージを紹介致します。
第5回目はアートワークでサンタナ学園と日本社会を繋いでくれている
山田創さんからの応援メッセージです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
山田創さん(滋賀県立美術館 学芸員)
現在、滋賀県に住む外国人の中で最も多いのは、ブラジルの人々です。
1980年代後半、好景気のさなか、日本では製造業を中心に単純労働力が不足します。
そのような状況下で、1990 年に入管法改正案が可決され、日系 3 世までが就労可能となり、それによってブラジルからの労働者が増加しました。今日までおよそ 30 年間、ブラジルからの人々が多数来日しており(リーマンショックやコロナ禍などで一時的に減少しましたが)、現在でも増加し続けています。
サンタナ学園に通うのは、ブラジルから来た労働者の子どもたちです。
なぜ、子どもたちは、日本の学校に通わずに、サンタナ学園に通うのでしょうか。
実際には、日本の学校に「通わない」というより、「通えない」と言ったほうがいいかもしれません。
言葉の違いや偏見などが、子どもたちと日本の学校の間の溝を作ります。自分たちの言葉で学べる学び舎、あるいは安心して過ごせる場所を求めて、子どもたちはサンタナ学園にたどり着きます
そして、サンタナ学園は、もう 20 年以上、日本とブラジル、2 つの国のはざまに立つ子どもたちを受け入れてきました。
いま、日本は少子高齢化や人口減少の局面を迎えています。これに伴い、就労目的の海外からの移住者も増え、すでに多くの職場で、海外からの人材が定着し、欠かせない存在となっています。
この国の将来を考えるとき、海外から来た人々と、どのように共に生きていくべきでしょうか。都合よく仕事だけ押し付けて、彼ら、彼女らの生活に無関心でいいのでしょうか。同じ国に生活する者として、互いに尊重しあう社会をつくることが、わたしたちの選択すべき道であるはずです。
わたしは、2021 年から 2 年間、美術関係のプログラムをサンタナ学園の子どもたちとともにしてきました。そのなかで、子どもたちの笑顔に元気づけられ、サンタナ学園という素敵な学校に、あるいは校⻑のケンコ先生、事務局の柳田さんをはじめ、スタッフの皆様の懐の広さに感銘を受けてきました。
この場所をなくしてはならない、そう強く思います。
サンタナ学園の存続問題は、対岸の火事ではありません。
この寄付は、困っている外国の子どもへの手助けというよりも、私たちの国の人権に関わる進路選択なのです。
排除ではなく共生を――子どもたちとこの国の未来を守るアクションをともにしませんか?