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サンタナ学園の支援者の方々から頂きました応援メッセージを紹介致します。
第16回目はサンタナ学園でアートプロジェクトをしてくれているグローの西野さんからの応援メッセージです。
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西野 裕貴(社会福祉法人グロー 主任主事)
2022年の5月、私は自身が担当するアートプロジェクトを進める中で、アーティスト、学芸員とともに、初めてサンタナ学園を訪れました。
プレハブの建物と一軒家を組み合わせたその場所には、赤ちゃんから高校生まで、ブラジルにルーツがある子どもたちが数多く通っていました。話される言葉はポルトガル語で、昼食はブラジル料理、日本語しか喋れない日本人である僕こそ、そこでは外国人でした。サンタナ学園の子どもたちは、そのほとんどが自分の意思とは関係なく、親の仕事の関係などで、この異国の地である日本で暮らしています。
大人である僕がサンタナ学園に数時間いるだけでも、ひしひしと自分が少数派だということを実感するというのに、この子どもたちが日本の学校で集団生活を過ごす、ということがどれだけ心細いことか、想像を絶します。
サンタナ学園という、日本にいることを忘れてしまいそうなほどブラジルの空気が色濃いその空間は、異国である日本に来た子どもたちにとって、心から安らげるかけがえのない場所であることは間違いありません。
私が担当するアートプロジェクトでは、そのサンタナ学園で暮らす子どもたちが、アートを通じて社会とつながり、視野を広げ、ブラジルにルーツを持つことと日本で暮らしていることの両方に誇りを持てるようになることを目指しています。
昨年は、ボーダレス・アートミュージアムNO-MAでの動画撮影ワークショップや近江八幡旧市街地での街歩きワークショップを実施しました。今年は、サンタナ学園の子どもたちとともに滋賀のアートスポットを紹介する本を作る、というプロジェクトを進めています。
さらに、サンタナ学園は、子どもたちの学びを支えるだけでなく、その生活や家族のことまできめ細かくサポートしています。
子どもたちにお腹いっぱい食べさせることに始まり、子どもが急病になった時に家族の代わりに病院に連れて行ったり、自分の事情を詳しく話す必要がある時に通訳として同行したりと、もはや学校としての役割を超え、この地域のブラジル人コミュニティを支える、なくてはならない存在になっています。
ブラジルにルーツを持つ子どもたちが安らげるこの学び舎を守るために、そしてその家族や地域を支えるために、サンタナ学園への支援がより多く集まるよう、応援しています。
サンタナ学園とのアートプロジェクトを特集しています。ご覧ください。「野間の間Vol.31」(ボーダレス・アートミュージアムNO-MA広報誌)
http://no-maarchive.com/cms/wp-content/uploads/2023/01/vol31nomanoma.pdf