音楽家を志す若者の現状と、その環境における課題とは?
現代の中高生は約7割が将来の夢をもっていないと言われています。
音楽家を志す若者は、比較的早い段階でやりたい事が決まっていて、その点では幸せと言えるかもしれませんが、実現に必要なプロセスを理解し、行動出来ている人はけっして多くありません。
なぜなら、「大多数の学生が音楽の技術習得だけにフォーカスし、職業的自立のノウハウを学ぶ必要性にすら気づいていないから」です。
音大受験や音大でのレッスンは、主に楽器の技術や表現力の指導であり、身につけたスキルをどうやってお金に変えていくかまでは網羅されていません。クラシックやジャズのような伝統的なジャンルの場合、時代によって指導方法自体に大きな変化はないと考えられます。しかしながら、急速に変化する社会において、「どうやったら音楽家として食べていけるのか」といった情報は常にアップデートされる必要があるのではないでしょうか。
デジタル音楽の発展により、生演奏を生業とする音楽家の需要は減少の一途をたどる可能性がある反面、昨今の日本の経済状況の悪化などにより、返済義務のある奨学金や学生ローンを利用した音大進学者は増加の傾向が見られます。
これは「プロの音楽家としての生存競争はさらに厳しくなる事」「音大卒業後、比較的短期間で安定した収入を得られるようにならなければいけない事」を意味しています。
NSPが目指す社会
NSPは、未来の音楽家や音楽の仕事に就きたい若者が職業的に自立し、多様化していく社会の中でも柔軟に生きるためのサポートをしていきます。
夢を実現するために、本来は避けては通れないはずの「お金の教育」「音楽業界の厳しさ、現状」「業界内だけではなく、社会全体ではいま何が起きているのか、その中で音楽家はどのような形で必要とされていくのか」などの情報を発信し、早いうちから「自分で考える」「自分の人生を自分で選択する」という「覚悟」を伝えていきたいと思っています。
音楽以外の知識や情報をより多く得る事で、視野が広がり、「演奏一本で食べていく」という単一的な考えではなく、「音楽家と一般企業との両立」「音楽と他業種との融合」「日本と海外の複数を拠点に活動をする」など、さまざまな選択が可能になり、収入の安定にもつながります。
「安定」は「豊かさ」の要素の一つであり、「安定した豊かな音楽家」が社会に増えるという事は、「芸術や文化の価値を理解出来る豊かな国づくり、社会づくり」でもあります。
社会に必要とされた音楽家たちが、ふだんあまり音楽を聴く事の出来ない子どもや高齢者、公共施設や海外の貧困地域のために演奏をする事で、需要と供給を増やし、平和な社会の実現を目指します。
代表者より
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昨今の日本では、大学生の約半数が返済義務のある奨学金や、学生ローンによる進学を余儀なくされています。
生演奏の普及だけではなく、自立に必要なスキルを身につけるための情報発信や就学サポートを行っていくためには、皆様のご支援が必要になります。
当法人の趣旨に賛同し、活動を支援してくださるサポーターを募集しています。
代表理事 原 正晃
音楽ディレクター藤井より
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僕は中学校の吹奏楽部でトロンボーンと出合い、それ以来、人生の大半を音楽と共に過ごしてきました。ここまで決して順風満帆だったとは言えませんが、音楽に打ち込む事で素晴らしい出会いがたくさんあり、かけがえのない経験を数多くさせていただきました。
とりわけ生演奏(ライブ)には、デジタル音楽では絶対に伝わらないエネルギーがあると確信しています。音楽家でなくても、皆さんも若いころに映画の中で流れていた曲を聴いて青春時代を思い出したり、今でも辛い時に聴くと勇気をもらえるお気に入りの曲などがあるのではないでしょうか。当時は今以上に、豪華なフルオーケストラやバンドが使用されていました。皆さんの心に強く残っているのは、生演奏によるエネルギーがあってこそだと僕は思っています。
生まれた時からスマホやインターネットがある世代が増え、人と人とのつながりが薄れつつある現代社会において、心の豊かさを保つためには、生演奏の価値はより一層高まっていくと考えています。
とはいえ、欧米と比べ、国や地方自治体が文化事業にお金をかけない日本において、その価値を残していく事は容易ではありません。生演奏の価値を理解し、コストをかけられる方は決して多いとは言えないのです。このままでは、音大生の多くが本質的な価値を学べず、職業的に自立出来ないまま、夢を諦めていく社会になってしまうのではないでしょうか。
衣食住だけでなく、芸術やスポーツにお金をかけられる事、未来の若者に投資出来る事は豊かさの象徴でもあると思います。我々の活動に賛同し、ご支援してくださる方をお待ちしています。どうぞよろしくお願いいたします。
音楽ディレクター 藤井 裕樹
ご支援の使い道
NSPが未来の音楽家のために提供するサポートは、寄付によって成り立っています。
皆様からのご寄付は、これからより一層多くの若い音楽家をサポートしていくために、主に情報発信のためのコンテンツ制作費用、セミナーを行う講師への謝礼、法人運営の事務局費用として使用させていただきます。
寄付の方法
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クレジットカード払いでは「毎月の寄付」と「都度の寄付」が選択出来、銀行振り込みの場合は「都度の寄付」のみを受け付けております。