認定NPO法人おてらおやつクラブについて
認定NPO法人おてらおやつクラブは子どもの貧困問題の解決を目指し、お寺に預けられる色々な「おそなえ」を、仏さまからの「おさがり」として頂戴し、子どもをサポートする支援団体の協力のもとさまざまな事情で困りごとを抱えるひとり親家庭へ「おすそわけ」する活動です。
活動趣旨に賛同する全国のお寺と、子どもやひとり親家庭などを支援する各地域の団体をつなげ、お菓子や果物、食品や日用品などを日々お届けしています。
2014年に奈良のお寺から始まり、2017年にNPO法人化。賛同寺院は1,866、登録団体は695、おやつを受け取る子どもは月間のべ2万6,000人以上になっています。(2023年4月現在)
コロナ禍・物価高で「たすけて」の声が急増
おてらおやつクラブは、発足当初から各地のお寺と支援団体をつなげ地域での見守りをつくることを目指し、全国の子ども支援団体へおすそわけ(食品や日用品)を届けています。また、支援要請のあった家庭の困りごとを把握して各地の支援団体へつなぎ、貧困問題の根っこにある孤立の問題を解消する活動もしています。
しかし2020年3月以来、コロナ禍で人が集まることが難しくなりました。協働する支援団体からも「活動が続けられない」、「一時的に支援を中止している」との声も聞こえてくるようになり、団体へつなぐことが難しい状況が増えてきました。
一方でコロナ禍の長期化や物価高の影響で、ご家庭から助けを求める声は今なお増加しています。
おてらおやつクラブからおすそわけを受けとっている家庭の数は、2020年3月は351世帯でしたが、2023年4月現在、8098世帯となっており、その数は約23倍にふくらみました。
支援団体とのつながりがない家庭から連日「たすけて」の声が届く状況下で、「まずはご飯を食べて安心してほしい」という想いでおてらおやつクラブから直接おすそわけをお送りする「直接支援」に注力するようになりました。
当初は奈良県にある事務局からのみ直接支援をしていましたが、活動を持続可能にするため匿名配送のシステムを構築し、全国のお寺からも直接支援ができるよう分散化を進めました。お寺への負荷を下げおすそわけの頻度を上げるため、送料はおてらおやつクラブ事務局が負担しています。
現在コロナ禍は収束に向かい、社会活動がコロナ前のように再開しつつあります。私たちも、各地域の団体に「おそなえ」を「おさがり」として「おすそわけ」して困っているひとり親家庭へ届けてもらうことで地域での見守りをつくる、という本来の形をいっそう推進していきたいと考えていますが、さまざまな困難を抱えるひとり親家庭の孤立を解消することは容易ではありません。
そこで、まずは匿名でおてらおやつクラブとつながることで、徐々に地域での支援につなぎ各家庭が自立への糸口をつかむお手伝いをすることが重要だと考えています。
2023年2月27日、関西テレビ「報道RUNNER」で私たちの活動についてご紹介いただきました。放送から24時間で100件以上の支援要請があり、生活に困難を抱えるひとり親家庭がまだまだ多くいることを痛感しています。
特に夏休みなどの長期休暇は給食がなく食費や光熱水費もかさむため、「たすけて」の声も多くなります。
これまで、夏休みシーズンに私たちの元に届いたご家庭の声を一部ご紹介します。(以下の声はすべて掲載許可を頂いています)
全てのご家庭におすそわけできない現状
おてらおやつクラブは今も日々多くのひとり親家庭におすそわけを送っています。しかしながら、すべてのご家庭におすそわけを届けられていない現状があります。
その原因は、配送費の工面の難しさにあります。
2022年、ご家庭からの支援要請は12,323件ありました。しかし、そのうち4,762件(約40%)のご家庭にはおすそわけを届けることができませんでした。
1世帯に届けるためにかかる配送費は約1,000円。すべてのご家庭に届けるには、年間約1,232万円が必要となります。
配送費は皆さまからのご寄付を活用させていただいています。コロナ前と比べて寄付は約2.2倍に増えましたが、支援家庭数は2023年4月現在、約23倍に増加しておりバランスを保つことが困難になっています。おすそわけをお断りせざるを得ないケースもあり、せっかく声をあげてくれたご家庭を落胆させてしまうこともあります…。この状況に、私たちも心苦しい想いです。
全ての家庭の「たすけて」に応えることはできなくても、せめて長期休暇にはおすそわけを届けたい。
そのような想いから、おてらおやつクラブでは今年の夏休み期間に2000世帯、冬休み期間に2000世帯のひとり親家庭へおすそわけを届けるため準備を進めています。
ご寄付の使いみち
今回のクラウドファンディングで頂いたご寄付は、全額をご家庭へのおすそわけ配送費に活用いたします。
目標① 100万円
1世帯の配送費 1,000円 × 1,000世帯 =100万円
⇒夏休み期間中、1,000世帯の子どもたちへおすそわけが届けられます
目標② 200万円
1世帯の配送費 1,000円 × 2,000世帯 = 200万円
⇒夏休み期間中、2,000世帯の子どもたちへおすそわけが届けられます
目標③ 冬休みのおすそわけ配送費
目標金額の200万円を達成できた場合、冬休みのおすそわけ配送費に活用させていただきます。冬休みも2,000世帯の子どもたちにおすそわけを届けられるよう準備を進めます。
⇒夏休み終了後、冬休みも子どもたちへおすそわけが届けられます
※クラウドファンディングサイトを運営するコングラント株式会社に手数料3.4%を支払います。
おてらおやつクラブが目指す社会
私たちは団体のパーパス(社会的な存在意義)として「たよってうれしい、たよられてうれしい。」という言葉を大切にしながら活動しています。
私たちとつながったお母さん・お父さんから、「たよってうれしい」の声が多数届きます。
このようなメッセージを頂くたびに、私たちも思わずうれしくなります。
支援を受けたご家庭から喜びと感謝の声が数多く届く一方で、寄付や寄贈をくださる方からも「こんな不安定な社会情勢だからこそ、誰かの力になりたいんです」、「支援させていただきありがとうございます」といった声が多く寄せられます。
孤立を抱え悩んでいたお母さん・お父さんや子どもが「たすけて」と声をあげたことで誰かとのつながりが生まれ安心感を得られて、うれしい。他方、困っている人に手をさしのべることがその人にとっての喜びにつながり、うれしい。おてらおやつクラブはこれからもさまざまな立場の方の「うれしい」を生みだし、全国各地で見守りのネットワークを育んでいきます。
どうか子どもたちの笑顔と未来のために、お力添えをお願いいたします。