ご支援の使い道
現在通っているパリ国立高等音楽院サクソフォン科の勉強を続けるための生活費や楽器の維持費、そして国際コンクールへの参加費に充当させていただきます。
パリ国立高等音楽院は音楽の高等教育機関としては世界で最も歴史が長く、今もなお世界最高峰の音楽院の一つとされ、各国の音楽界を担う世界的な音楽家を数多く輩出しています。また、作曲の分野においても最先端の研究が進んでおり、特に現代音楽の分野では常に新たな音楽が生み出されています。
私が所属しているサクソフォン科は1857年に設立され、現在は4代目のクロード・ドゥラングル先生が教授を務めています。このクラスは全学年で12人と大変少なく、私が受験する際も新入生の枠は2枠と、合格するのが非常に難関な学校です。現在は学部の1年目に在籍しておりますが、将来的に学部の3年間と大学院の2年間の合計5年間の在籍が確定しています。
授業内容は、毎週の教授とのレッスンに加え、伴奏員の方のレッスンが毎週、そして2週間に1度のアシスタントの先生のレッスンがあります。その他に初見、楽曲分析、ソルフェージュ、即興演奏、室内楽等、音楽の専門知識を育成するカリキュラムが豊富に組まれています。
また、国際コンクールに挑戦する人数も多いため、仲間から刺激を受けることができ、お互いに高め合いながら音楽家として成長出来る素晴らしい環境です。
写真②「パリ国立高等音楽院の外観」
サクソフォンとは
「サクソフォン」という楽器は、1840年代初頭にベルギーの発明家であるアドルフサックス氏によって発明され、1846年にフランスパリにて特許を取得しました。金管楽器と同じ金属の本体、クラリネットの口元の構造と同じようなマウスピースとシングルリード、そしてオーボエの指遣いを参考とされています。管体は金属ですが、リード楽器であるため木管楽器とされています。金管楽器特有の華やかな音色と木管楽器特有の暖かい音色は、サクソフォンだけが持つ音色です。
今日ではジャズで用いられる印象が強いサクソフォンですが、元々はフランスとイギリスでクラシックを演奏する軍楽隊にて使用されていました。
私がサクソフォンを始めたのは中学校の吹奏楽部でした。それまで音楽をしたことがありませんでしたが、元々トランペットをしていた姉の影響で勧誘され、仮入部で唯一音が出たサクソフォンを選択したことが、現在の道に進むきっかけとなりました。
「サクソフォン」は歴史的に新しい楽器であることから、クラシックからジャズ、ポップス、現代音楽まで幅広く演奏されており、私は現在クラシックと現代音楽を中心に学んでいます。この優れた楽器を、より沢山の方に知っていただければと願っています。
未来にかける思い
将来は国際コンクールで優勝し、世界的なサクソフォン奏者になることが目標です。現在は2023年の4月と12月に開催される2つの国際コンクールについて日々練習を重ねております。
私自身のサクソフォン奏者としての成功はもちろん、サクソフォンという楽器自体の発展も望んでいます。そしてサクソフォンを通じて新たな音楽を生み出すために、既存の曲を演奏するだけでなく、多くの作曲家に新曲を依頼するなど、多岐にわたる活動を行いたいと考えております。
また、帰国後は日本の音楽大学での講師が約束されておりますので、プロフェッショナルな人材を育成し、私が学んだことを後世に伝えていきたいと思います。パリ国立高等音楽院ではクラシック音楽だけではなく現代音楽も勉強しているため、現代音楽の生演奏が生み出す音響や奏者と聴衆の集中力の一体化など、耳だけではなく身体で聴く・感じる音楽をより多くの方に知っていただくための機会を沢山作りたいと考えております。
平井亘よりお願い
プロフィール
兵庫県出身。12歳よりサクソフォーンを始める。兵庫県立加古川東高校普通科を経て大阪音楽大学音楽学部を卒業。同大学卒業演奏会に出演。第13回くらしき国際サクソフォーンコンクール第三位。第6回豊中音楽コンクール管楽器部門大学・一般の部第一位。第20回大阪国際音楽コンクール木管楽器部門Age-U第一位。同コンクールグランドファイナルにおいて日本人管楽器奏者で初となるグランプリを受賞。第7回ナゴヤサクソフォンコンクールアンサンブル部門第1位。選抜学生による第31回ザ・コンチェルト・コンサートに出演し、ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団とH.トマジのサクソフォーン協奏曲を共演。サクソフォーンを津村美妃、西本淳、井澤裕介、井上麻子、大石将紀、クリストフ・ボワ、クロード・ドゥラングルの各氏に師事。室内楽をダヴィッド・ウォルター、井上麻子、葛西知子の各氏に師事。ナチョ・ガスコン、ファブリス・モレティ、アントニーノ・モリカの各氏のマスタークラスを受講。パリ国立高等音楽院サクソフォン科を審査員全会一致の首席で合格し、第一課程に在学中。
さわかみオペラ芸術振興財団とは
「日本にオペラ文化を広め、多くの人々に心の贅沢を味わっていただき、それが人生の豊かさにつながっていく」という理念の下、活動を行っている公益財団法人です。2015年に日伊共同制作の野外オペラ公演を開催し、2016年よりイタリアの歌劇場と共に日本各地の文化財を借景に、「Japan Opera Festival(ジャパン・オペラ・フェスティヴァル)」の総称で公演を開催しています。公演活動の他に、若き芸術家への活動支援や教育活動も積極的に行っています。
音楽家支援制度「みんなの寄付」
さわかみオペラ芸術振興財団では、音楽家のための助成制度「みんなの寄付」を設けています。皆様から募った寄付金は運用諸経費を除き全額を、支援が必要な音楽家に届けます。
また、助成金をすべて寄付金から給付することによって、支援者と音楽家を「寄付」というかたちでつなぎ、多くの人々を巻き込みながら、日本のクラシック音楽文化の発展・振興に寄与することを目的としています。
寄付方法は、特定の音楽活動を指定せず「みんなの寄付全体」に対して支援する<助成型>の寄付方法と、寄付者の方が興味のある活動を指定し個別に支援する<個別案件型>の2通りあります。
税制上の優遇について
当財団への寄附金は、税法上の特定公益増進法人への寄附金として、個人・法人それぞれに税制上の優遇措置がございます。詳細は、所轄の税務署又は税理士などへお尋ねください。
【個人の方によるご寄附】
控除の方法は《税額控除》と《所得税控除》による方法がございます。
《税額控除》 下記算式より算出された額が、「寄附金控除」として、所得税から控除
(寄附金合計額-2,000 円)×40%=控除額
※年間所得額の 40%が限度となります。
※控除額は所得税額の 25%が限度となります。
《所得控除》 下記算式より算出された額が「寄附金控除」として、課税所得から控除
(年内に支出した特定寄附金の合計額-2,000 円)×所得税率=控除額
※年間所得額の 40%が限度となります。
《住民税》
当財団は、一部自治体の個人住民税、相続税についても優遇措置の対象となります。
【法人様によるご寄附】
一般寄附金の損金算入限度額(※1)とは別枠で、特別損金算入限度額(※2)の寄附金として損金算入することが認められています。
※1 一般の寄附金にかかる損金算入限度額
(資本金等の額等×0.25%+所得の金額×2.5%)×1/4
※2 特定公益財団法人に対する寄附金にかかる損金算入限度額
(資本金等の額等×0.375+所得の金額×6.25%)×1/2