ご支援の使い道
私たちの活動について
クラシック音楽をキャッチーに聴いてもらうコンサートや、ポピュラー音楽をオーケストラで演奏するコンサートは近年増え、より多くの人に音楽を楽しんでいただく試みは広がり続けています。その多くは1つの音楽団体があらゆる方向性の演奏会をするというものですが、私たちはポップス専門のNaoya Iwaki Pops Orchestra(NIPO)とクラシック専門の新団体アンサンブル・ミラージュの2チームによって新しい可能性を模索しています。その手がかりとなるものが、この後ご紹介する「オールドポピュラーなサウンド」と私たちが呼称するクラシック音楽とポピュラー音楽を繋ぐ音楽のスタイルです。
アンサンブル・ミラージュ第1回コンサートは「国民楽派と映画音楽を紡ぐ弦楽の旅」と題し、19世紀末の国民楽派と20世紀の映画音楽の関係性に焦点を当てることで、クラシック音楽とポピュラー音楽をシームレスに聴いていただく新しい音楽体験をお届けいたします。1つのコンサートで複数の音楽ジャンルを並列して取り上げるというコンセプトではなく、「クラシック音楽の系譜として映画音楽を演奏する」という、1つのクラシックのコンサートの中でジャンルの垣根を越える試みにチャレンジしたいと考えています。
ご寄付のお願い
今回お寄せいただいた寄付金は、こちらの第1回演奏会の運営資金として大切に活用させていただきます。コンサートホールや練習会場の借用料及び備品使用料、楽譜等購入費、著作権使用料、広告宣伝費、スタッフ人件費、感染症対策費などが主な内訳となります。
スタートアップに大きな資金が必要となってしまいますが、親団体のNIPOは立ち上げて1年半と日が浅いため援助を受けることが難しく、また本団体も旗揚げ公演となるため資金確保に難航している状況です。
演奏会の実現のため、皆様のお力をお借りしたいと思っております。あたたかいご支援のほど、何卒よろしくお願いいたします。
私たちのもつ”オールドポピュラーなサウンド“とは
クラシックとポピュラーは別々の音楽ジャンルとして捉えられることが一般的ですが、その中間的存在のひとつである「トラディショナル・ポップ」と呼ばれるジャンルをご存じですか?
トラディショナル・ポップは、ロックが生まれる前の1930〜1950年代に欧米で流行したポピュラー音楽で、映画やミュージカルを通して大衆に広がっていきました。戦前に流行したスウィングジャズと比べてボーカルがより重要視され、ストリングスを主体にしたクラシック音楽のような表現・オーケストレーションが特徴の音楽です。
例えばこのようなアメリカンスタンダードと呼ばれる名曲たち、きっと耳にしたことがあるかと思います。
NIPOの音楽が目指すもの
私たちNaoya Iwaki Pops Orchestra(NIPO)では、本場アメリカで研鑽を積んだ作編曲家・鍵盤奏者の岩城直也音楽監督のもと、このような”オールドポピュラーなサウンド“を目指したアレンジや奏法の再現をコンセプトに活動しています。特に1930〜1950年代の映画音楽やミュージカル音楽を参考にしており、この時代の楽曲をそのまま取り上げるだけでなく、例えばJPOPのアレンジにもその要素を付加するという、日本では唯一無二のポップス専門オーケストラです。
八神純子さんやmainaさんと共演したこちらの映像から、そうした音楽作りを感じ取っていただけると嬉しいです。
これまでのNIPOの歩み
2021年12月の結成から4度の自主公演を経て、昨年2022年にはブルーノート東京にてクリス・ハート氏のクリスマスライブに出演し、たくさんのお客様からご好評をいただきました。それに併せてカバーアルバム『Christmas Hearts 2』のCDレコーディングにもストリングスとして参加し、こちらはApple Musicなど各種配信サービスでお聞きいただけます。
(Apple Music/Christmas Hearts 2)
また2023年3月には、フルオーケストラとして音楽プロデューサー武部聡志さんの音楽活動45周年を記念したコンサートに出演し、多くのゲストアーティストの方と共演いたしました。こちらの配信映像のアーカイブは2023年10月7日までご覧いただけます。
(武部聡志音楽活動45周年プレミアム・オーケストラ・コンサート)
これからもNIPOは「オールドポピュラーなサウンドの再現」をテーマに、国内で唯一無二のオリジナリティをもったクラシカルなポップスオーケストラを目指して参ります。
アンサンブル・ミラージュの結成と活動理念
これまで多くのアーティストと共演してきたNIPOは、公演を重ねることで同時に"オールドポピュラーなサウンド”について学び、団体としてのオリジナリティを深めてきました。 クラシックの要素を内包したその音楽には「音楽のジャンルには垣根がない」というメッセージが込められてます。
NIPOのこれまでのお客様は、クラシックにあまり親しみのないポピュラーファンの方が中心でした。そこで私たちはクラシックファンの方にもこのメッセージを伝えるべく、アンサンブル・ミラージュを立ち上げました。新団体ではクラシック音楽の演奏を中心に、それと同じ角度から古い時代のポピュラー音楽にもアプローチしたいと思っています。
団体名の由来
アンサンブル・ミラージュ/String Ensemble à la Mirage(SEAM)には二つの意味が込められています。音楽ジャンルに境目のない演奏というコンセプトから、空と地平線あるいは水平線が溶け合う『蜃気楼』をイメージしてミラージュと名付けました。なお、SEAM:シームは「縫い目・縫い合わせる」という意味の英単語です。ジャンルの隔たりを繋ぐ『縫い目』となるような楽団を目指しています。
NIPOから受け継ぎSEAMで新しくする音楽
こういった音楽への取り組みの一例として、NIPOの過去の演奏から映画及びミュージカルの『タイタニック』メドレーをお届けします。こちらは、動画内でピアノを弾くNIPO音楽監督の岩城直也氏によってトラディショナル・ポップの様式で編曲されたもので、アンサンブル・ミラージュ(SEAM)でも同じ編曲様式で映画音楽を取り上げる予定です。
NIPOはポップス団体として古いポピュラーのスタイルを提示して来ましたが、クラシック団体であるSEAMは、クラシック音楽の系譜であるひとつの音楽のスタイルとして、クラシックのコンサートの中で映画音楽をご紹介したいと思っています。
団体の立ち上げに際し、クラシック音楽WEBメディアの『おとペディア』さんに取材していただきました。こちらの記事からも私たちのことを知っていただけると幸いです。
(おとペディアの取材記事)
第1回演奏会「国民楽派と映画音楽のつながり」
この度2023年9月6日、文京シビックホール小ホールにて第1回となるコンサートを実施いたします。クラシック音楽とポピュラー音楽を結びつけるため最初に選んだものは、19世紀の国民楽派の音楽と、その音楽に多大な影響を受けた20世紀の映画音楽です。
ニーノ・ロータとドヴォルザーク
19世紀末を彩った国民楽派の音楽家は、それまでのクラシックの書法を発展させつつも民族音楽の要素などを取り入れ多くの人に愛される音楽づくりを目指し、その大衆の心を掴もうとする波は20世紀以降の映画やミュージカルの音楽に大きな影響を及ぼしました。それを体現する人物が、「本業はあくまでクラシックの作曲であり映画音楽は趣味にすぎない」と語ったニーノ・ロータです。
ニーノ・ロータ(1911-1979)
クラシック音楽と映画音楽で活躍したイタリアの作曲家。当時のイタリアでは新作オペラが減り前衛音楽が台頭する中、映画は新時代のオペラではないかと可能性を見出し、ロータはイタリア伝統の歌心ある音楽を映画の中で開花させました。映画『ゴッドファーザー』は監督コッポラから「オペラのような音楽を」と依頼を受け、彼の理想を叶えたその作品はアカデミー作曲賞など数々の賞を受賞しました。
ニーノ・ロータが手掛けた映画『道』のテーマ音楽、実は19世紀末チェコの国民楽派の作曲家A.ドヴォルザークから大きな影響を受けています。譜例からも読み取れるように、A.ドヴォルザークの弦楽セレナーデ作品22第4楽章の冒頭のテーマから着想を得ており、下記に掲載したご挨拶の動画の中では実際に音を聴いてご確認いただけます。
プログラム全体のこだわり
本公演ではこちらの2人の作曲家を軸に、国民楽派を代表するノルウェーのE.グリーグ、映画音楽の歴史においてニーノ・ロータの後世にあたるイタリアのE.モリコーネ、トラディショナル・ポップと同時代にクラシック分野で活躍したイギリスのG.フィンジ、1970年代風のプログレッシブロックを取り入れた邦人作曲家吉松隆、そしてNIPOの音楽監督である岩城直也氏本人の作品を取り上げます。
これらの楽曲を前半では19世紀末から現代へ時を進め、後半では再び19世紀に遡るという曲順にすることで、お客様が時代を行き来できるような音楽体験を創り出したいと考えています。
結びに
新団体の設立にあたり、第1回コンサートにはNIPO首席や都内のプロオーケストラにも所属するメンバーをゲストに迎え、NIPOにこれまで携わってきた若手メンバーを中心に12人の奏者が出演します。いただいた寄付金は、このメンバーによる第1回演奏会の運営資金に大切に活用させていただきます。
私たちの活動理念、そしてコンサートの実現のため、あたたかいご支援をいただければ幸いです。そして何より、是非コンサートに足を運んでいただき、新しい音楽体験を皆様と一緒に創ることができたら、と心から願っております。
寄付者の皆さまへ
プロフィール
1996年長野県出身。第1回全日本弦楽コンクール第2位、第20回東京音楽大学コンクール弦楽部門第3位、第18回ルーマニア国際音楽コンクール弦楽部門ファイナリスト及び奨励賞、第5回K室内楽コンクール優秀賞など賞歴多数。ラ・フォル・ジュルネTOKYO、別府アルゲリッチ音楽祭、宮崎国際音楽祭などの音楽祭に出演。小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトXIXに参加。またNaoya Iwaki Pops Orchestra(NIPO)のメンバーとしてBlue Note Tokyoに出演しクリス・ハート氏と共演。コントラバスを岡本潤、永島義男、吉田秀の各氏に、室内楽を横山俊朗、山口裕之の各氏に師事。東京音楽大学を経て同大学院を修了。現在NIPOコントラバス奏者。アンサンブル・ミラージュ代表。Quintet Odysseyメンバー。東京音楽大学吹奏楽アカデミー演奏補助員。
Naoya Iwaki Pops Orchestra(NIPO)
バークリー音楽大学で研鑽を積み、玉置浩二、小曽根真、ロバート・グラスパーなど国内外のアーティスト作品や公演に携わってきた、作・編曲家としてキャリアを重ねる岩城直也が中心となり2021年に設立。1930~1950年代に生み出された映画・ミュージカル音楽の作編曲技法や演奏スタイルを手掛かりに、世代を超えて愛される楽曲に煌めきを与え、新しい魅力を引き出すポップス・オーケストラとして活動する。指揮者 ジョン・ウィルソンが率いるJohn Wilson Orchestraや、Boston Pops Orchestraなどから影響を受けており、“幅広いポップス音楽を専門とする世界随一の音楽集団” を目指す。これまでに大野拓朗、川崎鷹也、クリス・ハート、斉藤由貴、佐藤竹善、スガシカオ、鈴木より子、武部聡志、一青窈、maina、ももいろクローバーZ、八神純子らと共演。(五十音順)
アンサンブル・ミラージュ/String Ensemble à la Mirage(SEAM)
Naoya Iwaki Pops Orhestra(NIPO)の若手メンバーを中心として2023年に結成したクラシックの弦楽合奏団。「音楽のジャンルには垣根がない」というメッセージを多くの人に伝えることをテーマに、クラシック音楽の演奏のみならずNIPOで専門的に扱ってきたトラディショナル・ポップの手法を通して20世紀の様々な音楽にも焦点を当て、音楽のジャンルを繋ぐ縫い目:seam となる楽団を目指す。第1回演奏会は若手メンバーに加えてNIPO首席などゲストを迎え、2023年9月6日に文京シビックホール小ホールにて開催予定。
このクラウドファンディング(寄付)の運営について
さわかみオペラ芸術振興財団とは
「日本にオペラ文化を広め、多くの人々に心の贅沢を味わっていただき、それが人生の豊かさにつながっていく」という理念の下、活動を行っている公益財団法人です。2015年に日伊共同制作の野外オペラ公演を開催し、2016年よりイタリアの歌劇場と共に日本各地の文化財を借景に、「Japan Opera Festival(ジャパン・オペラ・フェスティヴァル)」の総称で公演を開催しています。公演活動の他に、若き芸術家への活動支援や教育活動も積極的に行っています。
https://sawakami-opera.org/
音楽家支援制度「みんなの寄付」
さわかみオペラ芸術振興財団では、音楽活動のための助成制度「みんなの寄付」を設けています。皆様から募った寄付金は運用諸経費を除き全額を、支援が必要な音楽家に届けます。また、助成金をすべて寄付金から給付することにより、支援者と音楽家を「寄付」というかたちでつなぎ、多くの人々を巻き込みながら、日本のクラシック音楽の文化発展、振興に寄与することを目的としています。
寄付方法は、特定の音楽活動を指定せず「みんなの寄付全体」に対して支援できる<助成型>と、寄付者の方が興味のある活動を指定し個別に支援できる<個別案件型>があります。
税制上の優遇について
当財団への寄附金は、税法上の特定公益増進法人への寄附金として、個人・法人それぞれに税制上の優遇措置がございます。公式サイト
※詳細は、所轄の税務署又は税理士などへお尋ねください。
- 個人によるご寄附
控除の方法は《税額控除》と《所得税控除》による方法がございます。
《税額控除》 下記算式より算出された額が、「寄附金控除」として、所得税から控除
(寄附金合計額-2,000 円)×40%=控除額
※年間所得額の 40%が限度となります。
※控除額は所得税額の 25%が限度となります。
《所得控除》 下記算式より算出された額が「寄附金控除」として、課税所得から控除
(年内に支出した特定寄附金の合計額-2,000 円)×所得税率=控除額
※年間所得額の 40%が限度となります。
《住民税》
当財団は、一部自治体の個人住民税、相続税についても優遇措置の対象となります。 - 法人によるご寄附
一般寄附金の損金算入限度額(※1)とは別枠で、特別損金算入限度額(※2)の寄附金として損金算入することが認められています。
※1 一般の寄附金にかかる損金算入限度額
(資本金等の額等×0.25%+所得の金額×2.5%)×1/4
※2 特定公益財団法人に対する寄附金にかかる損金算入限度額
(資本金等の額等×0.375+所得の金額×6.25%)×1/2