寄付金募集要項
こちらの寄付金募集要項をご一読下さい。
なぜ日本語オペラを?
私は東京藝術大学の大学院で修士課程から博士課程を合わせた7 年間、イタリアオペラを中心と
した作品の演奏研究を行いました。その研究の中で、台本に用いられた韻律の仕組みや語りから発展した音楽の歴史を学び、また舞台裏を支えるスタッフとしても研鑽を積んで参りました。
その間、常に心にあったのは、古い歴史的芸術から学んだものを新しいものに転用して、もっと日本人に身近でありながら世界に通用する新たな芸術を生み出したいという思いでした。
これまで作ったオペラたち
その思いから、在学中より新作の日本語オペラを制作発表する演奏会を企画制作しました。
2018年に第1作目として、前田佳世子作曲のオペラ『注文の多い料理店』を制作発表、2021年には文化庁の「Arts for the future!」(コロナ禍を乗り越えるための文化芸術活動の充実支援事業)の助成を受けて、宮沢賢治の絵本「どんぐりと山猫」を題材に、演出家・中村敬一さんによる台本と演出で、前田佳世子作曲のオペラ『どんぐりと山猫』を制作発表。2022年にも同じく文化庁の「Arts for the Future!2」の助成を受けて、第3作目である前田佳世子作曲のミニオペラ『どろぼうだいしゅうごう』の制作公演を行いました。
3つのオペラを制作し、それぞれに魅力を備えた作品ができたという満足と、まだ何か掴め切れていないというもやもやした思いがあり、その後も試行錯誤を続けておりました。
再発見したアリアが持つちから
そこでオペラの元祖イタリアオペラに立ち返って見てみると、長い時代を経ても魅力を失わず、愛され演奏され続ける作品に必ず存在するのは、歌唱技術を最大限に活かして歌われる感動的なアリア(その場の抒情的表現を抽出して歌われる独唱曲)であると気がつきました。
アリアが存在することで得られる効果は、物語におけるそれぞれの役柄の魅力発信、物語全体における起伏形成、観客の感情の高揚喚起と考えます。しかし、このようなアリアを作曲するには、歌手の身体を楽器として熟知し、アリアとして成立する目的で作られた台本が必要です。イタリアオペラの有名な作曲家たちも、台本に関して、韻律や言葉の表現、順番などに大きなこだわりを持っていたと言われております。
歌い継がれるアリアを創るには
このプロジェクトでは、ドラマティックなアリア作曲を想定した台本を制作し、聴かせどころとなるアリアは歌手の楽器(身体)を最大限生かすような作曲を行います。
そのため、作曲家と演出家、そして歌手である私が脚本家として参加し、必要な知識や技術を持ち寄って、三者が台本制作時から協働して制作にあたっている点が今回のプロジェクトの最大の特徴であり、チャレンジです。
ストーリーと制作布陣
台本の原題は芥川龍之介の「蜘蛛の糸」です。それを基に、30分程度の演奏時間を想定した「蜘蛛」と「カエル」という、生きものの種を超えた愛の物語『a Love story』を書き上げました
作曲を依頼する松岡あさひさんは、ピアニストとして歌手との共演を長く行っていらっしゃる作曲家で、これまで多くの歌曲も作曲されており、歌手の楽器を熟知しておられます。
また、演出家の岩田達宗さんはオペラ界の第一線でご活躍されており、歌手なら誰もがご一緒させて頂きたいと思う人望と実績をお持ちの演出家です。
岩田達宗(Facebook)
指揮者の小津準策さんはオペラやミュージカル、合唱の指揮を手掛けている他、音楽教育や地域の音楽普及にも尽力されています。
今回、東大和市(東京都)を舞台に地域のみなさんと一緒に芸術活動を盛り上げていこうということで、小津さんが合唱団を指導しているご縁もあり、地域の子どもたちに子ガエルの役で出演していただくことになっております。
寄付金の使途
- 人件費
作曲家・演出家:374,000円
指揮者(2公演):220,000円
歌手(ダブルキャスト4名):440,000円
ピアニスト(2公演):132,000円
受付・撮影・舞監:330,000円
他制作人件費:110,000円 - 印刷費用(楽譜、プログラム):54,000円
- 稽古場使用料:45,000円
- 衣装費用:110,000円
- 会場費(照明等使用料含む):220,000円
- 道具類費用:110,000円
- 宣伝費(チラシ・宣伝費用):55,000円
制作総予算 2,200,000円
上記予算のうち、今プロジェクトにて1,000,000円を目指します
<制作スケジュール>
2月:作曲、演出プランニング
3月初旬:キャストオーディション
4月~5月:稽古期間
6月1日:公演(昼/夜2回公演)
於:)東大和市民会館 ハミングホール / 小ホール (東京都東大和市向原6丁目1)
結びに
制作に関わるスタッフの総力を上げて作るオペラ『a Love story』は、現代における多様性を持った愛の形を取込み、子どもたちとの共演による地域交流を実現し、目標として挙げた「世界へ向けて発信するドラマティックオペラ」に成り得る可能性を大いに秘めています。大きな夢の第一歩であるこの公演へ向けて、ぜひみなさまのお力添えを頂きたく、どうぞ宜しくお願い致します。
寄付者のみなさまへ
プロフィール
東京藝術大学音楽学部声楽科アルト専攻卒業、同大学大学院オペラ専攻修士課程、博士後期課程を修了。学部卒業時にアカンサス音楽賞、同声会賞を受賞し第84回読売新人演奏会に出演。大学院在学時には長野羊奈子賞、毛利準賞を受賞。G.ロッシーニのオペラにおける女性が歌う男装役を中心に装飾歌唱の声楽技術を研究し博士号を取得。
在学中より東京藝術大学バッハカンタータクラブに所属しており、現在はOB 会に所属。定期的に開催されるアカデミーや記念公演にて小林道夫氏の指導のもと研鑽を積んできた。これまでに声楽を稲富祐香子、熊谷公博、永井和子、葉玉洋子の各氏に師事。現在は音楽を濱田芳通氏に師事している。
オペラではカヴァッリ作曲 オペラ『カリスト』のジュノーネ、モーツァルト作曲 オペラ『フィガロの結婚』のマルチェリーナ、マスカーニ作曲 オペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ』のサントゥッツァ、マンマ・ルチアなどバロックからヴェリズモまで多様な時代の作品に出演しており、その他にも声楽アンサンブル、宗教曲や合唱まで幅広い分野での活動を行っている。
また、日本語による新しいオペラの制作団体「オペラのまど」の代表として、初めてオペラを観る人も楽しんで見られる作品を生み出すための制作活動を行っている。現在、東京藝術大学附属高校非常勤講師。
このクラウドファンディング(寄付)の運営について
さわかみオペラ芸術振興財団とは
「日本にオペラ文化を広め、多くの人々に心の贅沢を味わっていただき、それが人生の豊かさにつながっていく」という理念の下、活動を行っている公益財団法人です。2015年に日伊共同制作の野外オペラ公演を開催し、2016年よりイタリアの歌劇場と共に日本各地の文化財を借景に、「Japan Opera Festival(ジャパン・オペラ・フェスティヴァル)」の総称で公演を開催しています。公演活動の他に、若き芸術家への活動支援や教育活動も積極的に行っています。
https://sawakami-opera.org/
音楽家支援制度「みんなの寄付」
さわかみオペラ芸術振興財団では、音楽活動のための助成制度「みんなの寄付」を設けています。皆様から募った寄付金は財団諸経費を除き全額を、支援が必要な音楽家に届けます。また、助成金をすべて寄付金から給付することにより、支援者と音楽家を「寄付」というかたちでつなぎ、多くの人々を巻き込みながら、日本のクラシック音楽の文化発展、振興に寄与することを目的としています。
寄付方法は、特定の音楽活動を指定せず「みんなの寄付全体」に対して支援できる<助成型>と、寄付者の方が興味のある活動を指定し個別に支援できる<個別案件型>があります。
税制上の優遇について
当財団への寄附金は、税法上の特定公益増進法人への寄附金として、個人・法人それぞれに税制上の優遇措置がございます。公式サイト
※詳細は、所轄の税務署又は税理士などへお尋ねください。
- 個人によるご寄附
(1)所得税
控除の方法は《税額控除》と《所得控除》による方法がございます。
《税額控除》 下記算式より算出された額が、「寄附金控除」として、所得税から控除
(年中に支出した公益財団法人等に対する寄附金の合計額-2,000 円)×40%=控除額
※寄附金の合計額は年間所得額の 40%が限度となります。
※控除額は所得税額の 25%が限度となります。
《所得控除》 下記算式より算出された額が「寄附金控除」として、課税所得から控除
(年中に支出した特定寄附金の合計額-2,000 円)×所得税率=控除額
※特定寄附金の合計額は年間所得額の 40%が限度となります。
(2)住民税
一部自治体の個人住民税についても優遇措置の対象となります。
(3)相続税
相続税についても優遇措置の対象となります。 - 法人によるご寄附
当財団への寄附金は、(1)一般の寄附金の損金算入限度額とは別枠で、(2) 特定公益増進法人に対する特別損金算入限度額以内の金額を、損金算入することが認められています。
(1)一般の寄附金にかかる損金算入限度額
(資本金等の額の合計額または出資金の額×0.25%+所得の金額×2.5%)×1/4
(2)特定公益増進法人に対する寄附金にかかる損金算入限度額
(資本金等の額の合計額または出資金の額×0.375%+所得の金額×6.25%)×1/2