一般社団法人フリースペース道

不登校の子どもたちの居場所づくりと地域活性プロジェクト @宮城県大崎市岩出山

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 現在、全国に約16万人もの子どもたちが学校へ通えず不登校の状態にあります。その要因は様々であり、すぐに解決できるものではありませんが、その1つとして、教育を受けられる場の選択性がないことと、地域社会の閉そく性が考えられます。  これらの問題を解決すべく、宮城県大崎市岩出山にて『不登校の子どもたちの居場所づくりと地域活性プロジェクト』を開始し、喫緊の日本の課題を解決するための一助を担います。

フリースペース道とは

フリースペース道は、宮城県にて不登校の子どもたちの居場所支援(フリースクール)を運営している一般社団法人です。

2020年4月宮城県大崎市岩出山にオープンしました。

岩出山は、かの伊達政宗公が若年期に城を構え、過ごしたことがある土地であり、以降、文化・学問の発展や継承をしてきた大変歴史のある街です。

この歴史ある街の一角に昭和の香りが漂う一軒家をお借りし、不登校の子どもたちが安心して過ごせる居場所・学びの場を創るべく活動を行っています。おばあちゃん家に来たような懐かしさを感じながら思い思いに過ごすことができます。

 

<活動内容>

子どもたちと話し合い、個々でやりたいことを伸び伸びできる環境づくりをしています。

一緒に勉強をしたり、本を読んだり、テレビを観たり、ゲームをしたり、縁側でのんびりしたり・・・

自分のペースで活動しています。もちろん、地区の体育館に行って運動をしたり、岩出山を散策したりと体を動かすこともしています。

そして、なんといっても大崎市は世界農業遺産にも登録された『大崎耕土』が広がる屈指の農業地域。

米作り体験や野菜づくり体験はもちろん、岩出山の伝統工芸である竹細工づくりなどを、地域の方々と一緒に行ったりもする予定です。

なぜフリースクールが必要なのか

【16万人の子どもの居場所づくり・学びの場の保障】

 

『16万4,528人』

(平成30年度文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査」より)

 

 

これは、現在、全国の子どもたちが何らかの事情で学校に通えず『不登校』の状態にある数です。

衝撃的な数字ではないでしょうか。

 

宮城県でも小・中学生合わせて約4,000人の子どもたちが不登校となっており、特に全児童・生徒数に対する不登校の子どもの数の割合(いわゆる不登校出現率)は、全国でも高い数値を示しています。

不登校になる要因は様々ですが、大きな問題の1つとして現行の教育制度では、普通教育を保障する場が『学校』しかないということです。言い換えると子どもたちが学びの場を選べるのは『学校のみ』で、それ以外の公的な学びの場は認められていません。

ご存じのとおり、学校は1クラス30名~40名の集団での運営となり、学年ごとに決められたカリキュラムに沿って画一的に学習が進められます。また、部活動などの課外活動や運動会や修学旅行などの学校行事も一斉に行われることが多いです。

このような環境に対応できる子どもたちは問題なく学校生活を過ごせると思います。しかしながら、集団が苦手な子、全員が同じペースで学習を学ぶのが苦手な子など、『学校の環境』に合わない子どもたちは、他に学べる居場所や安心して過ごせる居場所を選ぶことができないのです。

そして、まだまだ世間的にも『不登校』についての知識・理解が浸透されず、家族や周囲の偏見などによりだれにも相談できず家に引きこもり、家族以外との交流を絶ってしまうケースも少なくありません。

 

そこで、近年学校以外にも多様な子どもたちの居場所づくりが必要とされ、いわゆる『フリースクール』の設立が全国で増えてきました。現在フリースクールに通い始めた子どもたちは、自分が安心する居場所ができることで、表情も明るくなり、積極的に活動できるようになります。そのご家族も、前向きに生活できるようになってきます。

 

 

【フリースクールの運営の厳しさ】

 しかし、フリースクールは現行の法律上は教育の場として公的には認めれられていないため、各団体が任意で運営している状態です。もちろん公的な支援はないので、自己資金や民間が出している助成金等に頼りながら運営しているのが現状です。

 今もなお、厳しい運営が続き来年の存続が見通せなかったり、閉じざるを得ないフリースクールも多くあります。これは、フリースクール運営者はもちろんのこと、学校以外の居場所を求めて通ってくれている子どもたちも再び苦しんでしまう状態になってしまうのです。

 

【多様な学びを保障するために】

 日本国憲法では、国民の義務として『子どもに普通教育を受けさせる』義務があります。そして、子どもたちには『教育を受ける』権利があります。

 現在、全国のフリースクールでは公的な支援を受けられるよう独自にネットワークをつくり、活動を進めています。しかし、直近の運営を維持していくためには、助成金や寄付金など周囲からのご支援が不可欠となっています。

 フリースペース道も例外ではありません。将来的に公的な支援を受けられるよう、宮城県内のフリースクールネットワークをつくり活動を広げていますが、『フリースペース道』自身の運営も始めたばかりとはいえ厳しい状態が続きます。

 宮城県で居場所や学びの場を必要としている子どもたちのためにも、みなさんのご支援をお願いします。

 

子どもと大人が互いに見守りあえる地域づくり

【フリースペース道の運営と岩出山の地域活性プロジェクト】

 

前述のとおり、不登校の要因の1つとして『学校以外の学びの選択性がない』点を挙げましたが、さらに別の要因として『地域のつながりの希薄性』もあると考えます。

ご存じのとおり、近年の日本は急速に少子高齢化が進み、同時に地方の過疎化も合わさっているため、2~30年前と比べて世代を越えた地域のつながりが希薄になっています。

ひと昔前であれば、子どもたちは親以外の大人(近所のおじちゃんやおばちゃん、お兄ちゃんなど)に見守られながら成長する光景が各地で見られました。それは一緒に遊んでもらったりご飯を食べさせてもらったりと、子どもたちにとって自然に多様な居場所が存在していたのです。

しかし、近年は核家族化が進み、近所との交流も激減。子どもたちがふれあう大人は、『親』と『学校の先生』が主になってしまいました。子ども一人を育てていくのに『親』と『学校の先生』だけでは多大な負担を強いられるため、ほぼ不可能に近いです。現実に近年は子どもの虐待問題や、学校の先生の負担増による離職や採用試験の応募数減少などの問題が深刻化しています。

 

未来ある子どもたちを、たくさんの大人で見守ることが私たちの責務ではないでしょうか。

また、子どもたちの元気な姿は大人へも力を与えてくれるのではないでしょうか。

 

このように、子どもと大人が世代を越えて交流できる地域づくりが、これからの日本では必要になります。

それを、この宮城県大崎市岩出山で創っていきます。

 

【地域食堂の開催】

『食事』は、みんなを明るく元気にします。そして、一人で食事をするよりたくさんの人が集まって食事をするとより楽しくなります。

現在、高齢者の一人暮らしや共働き世代が増加し、家庭内で一人で食事をとる高齢者や子供たち、いわゆる『孤食』の状態が続いている家庭が増えています。それにより、人との会話の機会が少なくなったり、貧困や虐待など家庭内の問題が外に伝わりにくくなっています。

地域内で、みんなが集まって食事をする場を設けることで、『会話』を中心としたコミュニケーションの場を提供し、『孤食』や『孤立』を防ぐことができます。また、家庭で起こっている諸問題をいち早く察知できる役割も担えます。

なによりも、みんなで明るく元気な交流の場ができることが、地域の活性につながるのではないでしょうか。

そして、フリースペース道に通ってくれている子どもたちにボランティアなどの活動の場を用意し、『だれかの役に立つ』喜びを経験できる機会を設けることができます。

この『地域食堂』を月に1~2回のペースで行っていきます。

※現在、新型コロナウイルスの対策により開催はできませんが、状況の推移を把握しながら、遅くとも2021年4月には開始する予定です。

 

【地域図書館の開催】

現在フリースペース道には、家主さんが昔から買いためてきた蔵書やマンガ本が5,000冊以上あります。

家主さんは、「ぜひ子どもたちに活用してほしい。」という思いで、これらの本を貸してくださっています。

そこで、フリースペース道で『地域図書館』を開催し、『地域食堂』と同様に新しい交流の場を創っていきます。

ふらっと立ち寄って本を読むのもよし、お茶を飲みながら談笑するのもよし。

『図書館』という場を創ることで、大人も子どもも一緒に交流する機会が生まれます。

まさに、伊達家が代々学問を伝えてきた『有備館』を有する岩出山にふさわしいプロジェクトです。

こちらにも、フリースペース道に通っている子どもたちをボランティアで参加してもらい、『地域貢献』『社会貢献』を直に経験できる機会をつくります。月に2回の開催を予定しています。

※地域食堂同様、、新型コロナウイルスの状況を見極めながら、遅くとも2021年4月から開始します。

 

ご支援の使い道

フリースペース道は、皆さまからのご支援で成り立っています。フリースペース道をはじめ、多くのフリースクールは財政的にも厳しい運営を続けています。

皆さまからのご寄付は、主にスタッフの人件費、フリースペース道の維持・管理費、ボランティアのみなさんの交通費として使用させて頂きます。

未来の宮城を引っ張る子どもたちのため、そして魅力ある地域づくりのため、みなさんのご寄付をよろしくお願い致します。

団体情報
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このページは寄付・ 会費決済サービス
コングラント」で作成されています。
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