▼紛争や人権侵害が難民となる若者から奪うものとは
世界には戦争や人権侵害などにより、住み慣れた故郷を追われ難民となる人が多くいます。多くの難民にとって、平和と秩序が回復された故郷に帰ることが一番の望みである一方、実際にそれが叶うまでには途方もない年月がかかるのが現実です。
そして、この現実は、難民となった若者に特に厳しい状況を突きつけます。これから未来を切り拓く若者が、たとえ1年、2年であったとしても今の学びを止めることは、将来への希望を失うに等しい影響があるとも言えるでしょう。
そうした背景から、パスウェイズ・ジャパンは、難民となった若者が未来への希望を諦めず、自らの手で未来を切り拓いていけるよう、教育機関と協働して「難民留学生」として日本に受け入れる活動に取り組んでいます。
▼責任ある受け入れを目指して
難民留学生は、多くの困難や命の危険を乗り越え、来日します。しかし、日本での生活立ち上げや新しい環境への適応なども楽ではありません。故郷で追ったトラウマ体験へのサポートが必要な人もいます。パスウェイズ・ジャパンでは、一人ひとりの難民留学生が適切な支援を受け、学びながら自立に向けて日本で一歩を踏み出せるよう「責任ある受け入れ」を目指しています。
現在、25の日本語学校、18の大学や、さまざまな専門家と連携をし、責任ある受け入れの体制づくりを進めながら、受け入れを行っています。
▼難民留学生ーシリア出身スザンさんの思い
2011年3月の東日本大震災直後に勃発したシリア内戦で、スザンの自宅は焼かれ、通っていた大学が爆撃された。隣国トルコに逃れ、内戦で亡くなった父に代わり一家を支えるため、仕事を転々とした。だが、勉強を続けたいという強い思いを手放すことはしなかった。
内戦はスザンから大切な人や時間を奪った。だが、夢を追いかけ、生き延びることの尊さを知っている彼女から希望を奪うことはできなかった。
彼女は今、将来への希望を持って、日本の大学院で平和学を学んでいる。
「将来は難民一人一人が夢を叶え、望む人生を送れるような手助けをしたい。一般的にシリアでは女性が一人で出歩くことすら難しい。家庭の規範、住んでいる地域などによっても違いますが、女性が手にできる自由は男性と同じではありません。でも、女の子たちに伝えたい。自分の夢を追いかけていいんだよって。もっと勉強して、多くの人に思いを伝えられる力を持てるようになりたいんです」
パスウェイズ・ジャパンは、スザンのように、難民という逆境を力に変える若者に未来への選択肢を提示する手伝いをしたいと考えています。
▼ご寄付の使い道
皆さまからのご寄付は、一般寄付としてお受けし、難民留学生の受け入れと、日本での自立に向けて大切に活用させていただきます。例えば、月々のご支援を1年間続けてくださった場合、以下のようなご支援が実現できます。
目安として約100万円あれば、1人の受け入れから自立までを支えることができます。パスウェイズ・サポーターになって、難民留学生が安心して生き延びる道と、未来への道を切り拓くご支援を、どうぞよろしくお願いします。