Child Play Lab. とは?
私たち一般社団法人Child Play Lab.は、病気の子どもたちを対象に「遊び」を届けている団体です。2024年2月に発足し、これまで多くの子どもたちに遊びの機会を提供してきました。
病気を抱える子どもに対する活動として、入院中のお子さんに対し、オリジナルの工作キット「Adventure Box」をお配りしています。工作キットのなかには、絵本が入っており、子どもたちはその絵本の物語にしたがって、想像のおもむくままに塗り絵や工作をおこないます。工作キットや塗り絵には、弊団体が作成したブランド「POCO!」のキャラクターがあしらわれており、子どもにとって親しみやすいデザインになっています。今後も、このキャラクターを用いた遊びを複数展開し、病気を抱える子どもが入院という時間を少しでも楽しめるように、尽力していく所存です。ひとりでも多くの子どもに遊びを提供できるよう、ご支援を募っています。
一般社団法人Child Play Lab.公式Webサイト (https://childplaylab.org/)
弊社オリジナルブランド「POCO!」特設Webサイト (https://poco.childplaylab.org/)
私たちの取り組む課題
私たちは、「病気の子どもにとって、本質的に病気を乗り越えられる環境が整備されていない」ことに課題を感じています。
医療の発展に伴い、治る病気も増えてきました。それ自体は本当に、喜ばしいことですが、それはつまり、病を抱えながら社会の中で生きていく子どもたちが増えているということでもあります。
その結果、退院しても、たとえ病気が治っていたとしても、「自分はみんなと違うんだ」「普通じゃないんだ」ということを突き付けられる日々が続いています。体力が戻らない、外見が違う、同じご飯が食べられない、はたからみたらほんの些細な違いかもしれないけれど、子どもたちにとってはとても辛く大きな違いです。なかには、うまく友達と馴染めずに不登校や精神疾患を発症してしまうケースも少なくありません。せっかく元の生活に戻れるようになったのに、病気という経験が負の体験として彼らの心に残り続け、彼らの未来を閉ざしてしまう。 そんな現状を変えたい、これが私たちの想いです。
入院中にも、自分だけの特別な時間を
退院後、病気と向き合いながら社会のなかで生きていくためには、入院中の経験が何より重要だと考えます。病気を抱える子たちのなかには、幼少期の多くを病棟で過ごす子もおり、入院中の経験がその子の発育や価値観の形成に大きく影響するからです。入院という経験はいいことばかりではありません。でも、この時間があったからこそ育むことのできた力や感性がある、私たちはそう信じているのです。
そこで、私たちは「あそび」に着目し「あそび」を通じて、子どもたちに今までの入院生活とは少し違った体験と、新しい人やもの、そして新しい自分との出会いが生まれる、そんな時間を届けることにしました。
なぜあそび」なのか
では、なぜ「あそび」を用いるのか。
それは、子どもにとって、ひいては人間にとって「あそび」は非常に重要な営みだと考えるからです。
私たちは、「あそび」を「自らの感情の赴くままに、やりたいことに熱中している状態」と定義しています。みなさんも、公園に秘密基地を作ったり、人形を使ってごっこあそびをしたり、子どもの頃に時間を忘れて熱中した経験があるのではないでしょうか。
その「熱中」は、いわば自らの欲求の発露であり、自分らしさの表現でもあります。子どもたちは「あそび」を通じて、自分の好きなことを見つけ、自らを表現する方法を獲得していくのです。
そして、その「熱中」に対して、その子の存在自体に対して、周りのひとが認め、受容し、面白いね、素敵だね、と想いを伝え、時間を共にする。この時間こそが子どもたちにとって「自分はこれが好きなんだ」 「自分はやりたいことをやっていいんだ、ありのままでいいんだ」と気付くきっかけとなり、自己肯定・自己受容に繋がっていく瞬間でもあると捉えています。それと同時に、私たちはこの時間の営みを通じて、病気という経験を本質的に乗り越えるために必要な力や感性が育まれると確信しています。「あそび」はそれ自体でも楽しく、意義のあるものですが、子どもにとっては自己肯定感を育み、自らの表現法を獲得する、発育にとっても最も重要な活動の1つだと言えるのです。
病棟内の実態
しかし、病棟内の子どもたちにとって、上記のような体験は決して十分とは言えません
現在、病院でのボランティア活動や外部からのサポートは、以前と比べて約70%も減少してしまっています。これは新型コロナウイルス感染症の影響も大きく、子どもたちが新しい出会いや体験をする機会が大幅に失われてしまっているのが現状です。
また、小児看護師や専門家の不足も深刻で、過去10年間で20%以上も減少してしまっています。子どものあそびや学びを専門とする医療従事者(院内保育士・チャイルドライフスペシャリスト・ホスピタルプレイスペシャリストなど)は、全国に 500人程度と欧米に比べて極めて少なく、子どもが病院内で得られる刺激や学びの機会は限られてしまっています。現在働いていらっしゃる医療従事者のみなさんからも、日々の業務に忙殺され、思い描いていた子どもとの理想の関わりを実現できていないという声を多く耳にします。
私たちの活動
そこで、私たちは病気を抱える子どもたちに「あそび」を提供しつつ、子どもたちが「あそび」を通じて自分らしさを育み、病気という経験を強みに変えて生きていけるように、その「あそび」を取り巻く環境の整備を行っています。
活動① 「あそび」の機会を提供する
入院中のお子さんに対し、入院スターターキット「アドベンチャー BOX」をお配りしています。
アドベンチャーBOXのなかには、オリジナルの絵本を作ることができる工作キットが入っており、子どもたちはその絵本の物語にしたがって、想像のおもむくままに工作やお絵描きをおこないます。
時には、弊社スタッフが病棟内におもむき、あそびを通じて。子どもたちの願い・自己表現を可能な限り受け止め、時間を共に過ごします。で、それによって、今までの入院生活とは少し違った体験と、新しい人やもの、そして新しい自分との出会いが生まれる、そんな関わりを大切にしています。
活動② こどもと「あそび」を取り巻く環境を整備する
入院中の子どもたちが、「あそび」に熱中し、それによって今までとは違ったあたらしい体験を得られるよう、子どもを取り巻く環境の整備にも力を入れています。
具体的には、病院様や自治体様と協働し、療養環境・体験の見直しをはじめとする実態調査や政策提言を行っています。また、病棟保育士様や看護師様など、子どもに一番近い存在の方がさらに子どもを第一に想い、対等な眼差しで関わることができるよう、医療従事者様への研修や医療従事者向けのコミュニティサービスも順次運用していく予定です。
活動を通じて得られた声
「あそび」を届けるなかで、様々な嬉しい反応をいただいています。
入院という時間がちょっと楽しい時間に変わるだけでなく、「あそび」を通じて保育士さんとの交流も進み、結果としてお子さんに豊かな経験を届けることができました。
これからも、私たちの活動を全国に広げ、より多くのこどもたちのために頑張ってまいります。
ご寄付の使い道
いただいたご寄付は、主に以下の3つに使用いたします。
① 入院スターターキット「アドベンチャーBOX」の開発および運搬
こどもたちにお配りしているキットは、そのなかに絵本や絵の具、工作用具が入っています。いただいたご寄付は、絵本の印刷代や、絵の具・工作用具の調達に用います。また、これらキットを病院各地に届けるための運送費にも充てさせていただきます。
② ワークショップの運営
こどもに「あそび」を届ける一環として、当法人のスタッフが病棟内までお邪魔してあそびのワークショップをおこなっています。いただいたご寄付は、それらにかかる人件費や移動費に充てさせていただきます。また、退院したこどもたちに対して追跡でワークショップをおこなうことも予定しており、ご寄付はその会場費にも活用させていただきます。
③ 医療者様向け研修費用
「あそび」の環境を整備するべく、医療者様に対しても「あそび」の理解を深めていただくための研修・説明会を予定しています。いただいたご寄付は、研修にお呼びする講師への謝礼や、研修自体の作成運営にかかる費用にも使わせていただきます。
いつ誰が病を抱えて生きることになるかわからない
最後まで読んでいただきありがとうございます。
私たちは「さぁベッドの上から冒険を始めよう!」という合言葉を胸に、日々活動を続けています。あそびを通じて、自分の持ちうる力を信じられたとき、子どもたちが病気という経験を力に変えて、自分らしく生きることができる日が来ることを願っています。
いつ誰が病を抱えて生きることになるかわからない。だからこそ、いつかの自分のために、未来の子どもたちのために、ご支援のほどどうぞよろしくお願いいたします!!