「僕は外国人。日本から出たことないけどね(笑)。」
これは17歳の青年タダシくん(仮名)の言葉です。
タダシくんは滋賀県生まれ育ち。ブラジル国籍をもつ両親は、祖父母のルーツがある日本に出稼ぎにきた、いわゆる日系ブラジル人です。日本の公立小中学校に通っていましたが、いじめを受け中学校の途中からブラジル学校に転校。ブラジル学校とはブラジルの教育課程をポルトガル語で受けられる日本国内にある学校です。

片道バスで2時間かかりますが、ようやく自分らしくいられるコミュニティを見つけたタダシくん。ただ、
「卒業してみんなと離れ離れになったらどうなるんだろう。日本で生きていけるのかな。ブラジルに行っても誰も知らないし・・・。」
周りはみんな16歳から工場で働くのが一番だと言います。
大学進学なんて、考えたこともありません。
17歳という子供でも大人でもない「若者特有」の悩み。
自分だけで決めるにはあまりにも知らないことが多い。
親が日本語を話せないタダシくんは今後日本社会で生きていく術を、誰にどう相談すればいいのでしょう。
(*ブラジル学校...ブラジルの教育課程をポルトガル語で受けられる日本国内にある学校のこと)
タダシくんのように、日本で育ったのに日本社会から孤立している移民ルーツの若者は増えています。

タダシくんのように日本で育ったものの、日本社会から孤立している移民ルーツの若者は増えています。
私たちが活動する滋賀県では特にブラジルルーツの住民が多く、約1万人ほど暮らしています。
ブラジルルーツの住民の約半分が35歳以下の若者で、タダシくんと同じように幼い時または生まれた時から日本にいる、ブラジルのことはあまり知らない「ブラジル人」です。
親が日本語が話せないことが多く、日本社会でどう進学や就職すればいいのかを知らなかったり、知り合いが少なく孤立しています。
特定非営利活動法人immi lab とは?
私たちは「ルーツが彩る、すべての人が生きていたいと思える社会」を目指して、2020年から活動しています。
現在は関西地域で、移民ルーツの若者が安心できる居場所づくりや彼らが一歩を踏み出す伴走をしています。
多様なバックグラウンドを持つ運営メンバーに加え、これまで累計60名以上のボランティアの方々とともに活動を続けてきました。
主な事業はプロジェクトポンテ(Projeto Ponte)です。
15-25歳の移民ルーツの若者の、困難に遭っても諦めずに立ち向かい、問題を解決しようとする姿勢(レジリエンス)の育成を目指しています。
「ポンテ」はポルトガル語で「橋」の意味で、移民ルーツの若者と日本で社会人経験のある「日本で生きる先輩」とをマッチングするメンタープログラムや、オンラインと対面でのイベントを通して若者が志を持てたり、挑戦したりできる環境づくりをしています。

プロジェクトポンテとは?

移民ルーツの若者の困難を乗り越える力(レジリエンス)を育てるためのプログラムです。
プロジェクトポンテでは、若者目線で「つながる」「視野を広げる」「挑戦する」という三つを軸に事業を展開しています。
レジリエンスには、若者自身の成長と、若者のまわりをとりまく環境の両方が大きく影響しています。

若者の成功体験やスキルアップを伴走することに加えて、コミュニティが広がるようなプログラムを設計しています。

🔸どんな子たちがポンテに参加している?
プロジェクトポンテに参加する若者たちのほとんどが中学生や高校生の頃からアルバイトをしていたり、高校卒業後は2交代制の工場で働いていたりしています。
また、幼い頃から、日本語が流暢ではない両親や親族のために、通訳の役割を担ってきたという子たちも多いです。

🔸なぜこのようなプログラムをすることにしたのか?
これまで、immi labは移民ルーツの若者の状況を変えるために様々なことを試してきました。
プログラミングワークショップ、大学進学サポート、などなど。
多くの団体のように、日本語教室をした方が良いのかと考えたこともありました。
しかし、移民ルーツの若者が抱える困難の場にいつも必ず私たちがそばにいられるわけではありません。
人生において何度も直面する困難に自分から行動し、周りの力を借りながら対処していく、そんな根本的な力をつけてもらいたいと思っています。
ただ、今の日本社会は移民ルーツの若者が「頑張ったらなんとかできる」状況ではないのが現実です。
選挙権がないことは代表的な例ですが、そのほかにもコミュニティがなく孤立している状況は、若者が困難を乗り越える力(レジリエンス)を身につけて成長していくことが難しいです。
これらの障壁はひとりひとり違うので、本人がひとつひとつ乗り越えていくのを根気強く伴走するしかありません。
まだ10代の若者には荷が重すぎて、「私には無理かも」「私、日本人じゃないから」と諦めたり諦めそうになったりする様子を何度も見てきました。
その度にこれ以上「がんばれ」というのはあまりにも理不尽だと感じてきました。
そして、彼らも口ではそう言いつつも、本当は諦めたくないと思っていることも。
そこでimmi labが可能性を見出したのが、メンタープログラムでした。
メンターという社会への一歩を一緒に踏み出してくれる人とともに小さな挑戦を繰り返し、immi labを通してコミュニティを感じて、成長していくことでレジリエンスを身につけることができるのではないか。
そう思っています。

プロジェクトポンテの成果
「大学進学に挑戦したい!」という若者も徐々に増え、2024年度には3名、2025年度には2名の大学や専門学校への進学が決定しました!
ただ、大学進学がゴールではありません。大学進学後も彼らが直面する壁はたくさんあります。
一番大きいものは就職の壁です。
日本の就職活動のルールやマナー、仕組みがわからない。
国籍や見た目で差別を受ける、受けているように感じる。
就職しても同期とうまくいかない。
大学進学の時の壁がさらにパワーアップした状態で現れます。
また、その後の人生において例えば結婚、引っ越し、転職など、人生の節目節目において「ルーツの違い」が様々な壁として現れるのが現実です。

プロジェクトポンテでは決して大学進学を勧めているわけではありません。
ただ、若者が挑戦したいと言ったことに全力で伴走しています。
将来のことはまだわからなくても、「人と話せるようになりたい!」「英語や日本語をもっと上手に話せるようになりたい!」という声も増えました。
「将来のために何をしたら良いのか?」「どうしたら目標を実現できるのか?」といったことを若者たちが自分自身で考えていけるようなイベントも実施しています。
具体的には、2024年1月にはメンター・スタッフ・若者・その他プロジェクト・ポンテに関わる方々みんなで交流をしながら、自己理解を深めるためのワークショップを行ったり、2024年11月の対面の居場所では一年を振り返って2025年の計画を立てる計画会を実施したりしました。
2025年度のプロジェクトポンテでは対面イベントのない秋〜冬にかけて個別チェックインを行い、若者たちが計画を立てたりそれに沿って実行していったりする過程を伴走しました。
1対1のメンタープログラムとコミュニティを通して、若者が本当に挑戦したいことを言えるようになること、その1歩をメンターと一緒に踏み出せることを大切にしています。

プロジェクトポンテに参加している若者の声


プロジェクトポンテに参加しているメンターの声


今後の展開
- 若者のエンパワーメントとアライの育成が同時にできるプロジェクトポンテのモデル化
- 全国の特に散在地域への拡大
- 移民の若者の存在や声を可視化する取り組み(※開発中)
現在滋賀県を拠点に行なっているプロジェクトポンテですが、私たちが伴走したいのは滋賀県の若者たちだけではありません。
一番ニーズがあるのは、滋賀県やそれよりももっと公的サービスが行き届いていない移民散在地域に住む移民ルーツのこどもたちだと思うのです。
これまでの活動から、プロジェクトポンテの特徴であるオンラインと対面のハイブリッドでのコミュニティ創成は地方の移民散在地域でも可能であり、団体としての強みであると感じました。
なので、今後の全国各地への展開を踏まえ、若者のエンパワーメントとアライの育成が同時にできるプロジェクトポンテのモデル化に取り組んでいます。
また、移民ルーツの若者の存在や声を可視化する取り組みも開発中です。

なぜ今、法人のみなさまのご寄付が必要なのか?
私たちが目指すのは「ルーツが彩る、すべての人が生きていたいと思える社会」の実現です。これは、「移民が地域を豊かにする、地域にいて良かった」と思える社会です。
- 移民ルーツを持つ方々が地域社会の一員として地域をより良くする存在になっている
- 移民ルーツの若者に関わる市民や企業が、関わることに幸せを感じている
- 違いが分断ではなく、対話と共同を生み、お互いに「関わり続けたい」と感じる地域社会を作る循環が生まれている
そんな状態です。
そのため、プロジェクトポンテでは若者のレジリエンス育成と同時に、移民ルーツの若者と日本社会の対話の機会が増えるようなプログラム設計をしています。
対話がどんどん増え、循環する仕組みをつくることで、ビジョン「ルーツが彩る、全ての人が生きていたいと思える社会」が実現できます。
「違うからこそ対話ができる」と考える人が増え、社会に希望が生まれるからです。

現状の構造を変えるためには、日本社会の側に変革の種を蒔くことが必要なのです。
これをimmi labだけがやるのではなく、法人のみなさまと実施していくことで、一つのコミュニティから地域へ、そして全国へ対話の文化・循環を広げていけると考えています。
一緒に、すべての人が生きていたいと思って暮らせる地域づくり・社会づくりをしていきませんか?

多くの寄付が集まった未来に挑戦したいこと
もっと多くの若者たちに「ひとりじゃない」と感じてもらうことができます。
そして、自分のペースで、自分の人生を選んでいけるように、伴走を続けることができます。
「この社会に私の居場所がある」と感じられる移民ルーツの若者を、もっと増やしていくために。
immi labは、これまで滋賀県で活動してきましたが、広島県などの移民ルーツの若者が“散在している他の地域”にも活動を広げていきたいと考えています。
また、移民ルーツの若者たちの声や魅力をもっと伝えるムービーや記事をもっと作成したいとも思っています。
孤立を防ぎ、未来への選択肢を増やすために。
みなさまの応援が、より多くの若者に届きます。
リターンについて
- サポーター会員:月1万円(年12万円)
メリット① 多文化・若者視点で御社の魅力の再発見と発信
メリット② 移民ルーツの若者との顔の見える繋がり- プロジェクトポンテのイベントに社員さま含めて3名までご招待
- 伴走している若者1~2名を御社のインターンとして派遣。事前事後のコーディネートあり。(事前コーディネートMTG2回、当日1日)。
- インターン経験後、若者が御社インターン経験談を弊団体Noteで発信!
- WebサイトやSNSでの法人サポーターのご紹介
- パートナー会員:月25000円(年30万円)
メリット① 社員のモチベーション向上の可能性
メリット② 移民ルーツの若者との顔の見える繋がり- サポーター会員のリターンに加えて、プロジェクトポンテで伴走している若者と御社の社員が対話できる場所の設計(事前MTG2回、当日)
また、サポーター様限定で以下のようなことも行えます。
- 体験型講演会(〜30名様):5万円
- 研修会(〜50名様):要相談
- 興味のある社員さまはメンターボランティアも可能です。
法人サポーター限定ランチ会(年1回)や団体代表との対談note記事などのリターンも今後検討中です。
よくいただくご質問
-
「移民ルーツ」って移民とは違うんですか?
→私たちが関わる若者のほとんどは、親が移民したときに「ついてきた」若者です。親世代とは、少しマインドセットが違うように感じるので、「移民」と「移民ルーツ」の言葉を以下のように使い分けています。(※私たちの事業の中での言葉の使い分け)「移民」・・・中南米から18歳以上の時に出稼ぎのために来日し、日本で働き生活を築き上げてきた世代。「移民ルーツ」・・・上記の移民のこどもたちの世代。親が選択した移民としての生き方を見てきて、移民としての生活をしつつも、実際は今住んでいる国のことしか知らない世代。英語ではSecond-generation Immigrants(移民二世)などと呼ばれる。詳しくはこちらの記事をご覧ください。 -
これって・・・移民ルーツの若者の問題だけではないですよね。日本の若者も似たような状況にある気がしますが、なんで移民限定なんですか?
→貧困支援や子どもの居場所支援を行う団体にも移民ルーツの若者が来ているとよく聞きます。しかし、多くの団体が移民ルーツの若者のサポートに難しさやリソース不足を感じているのが現状です。移民ルーツの若者には日本の若者と同じ課題もありますが、それに加えて特有の課題もあります。これらを総合的に対応できる、移民ルーツの若者に特化している団体は少ないです。immi labは若者や保護者が暮らす移民コミュニティの現状に詳しく、対応ができる体制を整えることを意識しています。 - 講演や研修をお願いできますか?
→はい! info@immilab.orgまでご連絡ください。過去には大学や自治体関連の団体様から講演や研修の機会をいただいております。まずはご相談ください。 - ボランティアは募集していますか?
→ 現場とバックオフィスのどちらもボランティア大歓迎です。info@immilab.orgまでご連絡ください。 -
領収書はもらえますか?
→ 年に1度、1月中に発行いたします。もし早めに領収書が欲しい方は個別にご連絡ください - 税制優遇は受けられますか?
→誠に恐れ入りますが、現時点では税制優遇の対象外となります。
immi labは現在、通常のNPO法人として活動しているためです。 しかし、私たちはより多くの移民ルーツの若者たちへ安定した支援を届け、社会的な信頼を築いていくために、数年以内の「認定NPO法人」の取得を目指して準備を進めています。
認定NPO法人になるためには、「地域や企業の皆さまから広く応援(寄付)をいただいている」という実績がとても大切になります。そのため、今いただく皆さまからのサポーターの輪が、認定取得への大きな一歩となります。
immi labのこれからの挑戦を、一緒に育てていただけますと幸いです。

さいごに
法人サポーターとしての応援をご検討くださり、ありがとうございます。
若者たちのアライとなって、一緒に、「ルーツが彩る、すべての人が生きていたいと思える社会」を作り上げませんか?



