活動・団体の紹介
◆Reraの誕生◆
2011年3月より、津波の被害が甚大だった宮城県石巻地域で、札幌市のNPO法人ホップ障害者地域生活支援センターが中心となり、全国の多くの支援者とともに移動支援を専門とした移送チーム『災害移動支援ボランティアRera(レラ)』の活動を開始しました。
「レラ」は「風」を意味するアイヌ語です。
避難所や被災した自宅から病院、仮設のお風呂、コインランドリー、火葬場や葬儀場、仮設住宅への引っ越し、引っ越し後の買い物送迎など、被災のフェーズに合わせて様々な送迎を行ってきました。
北海道が始めた活動を石巻地域の住民が引き継ぎ、2013年2月には宮城県認証のNPO法人移動支援Reraとなり、震災後からの活動を地元住民の手で継続させています。
活動の背景、社会課題について
◆災害の影響と、もともとの問題◆
災害によって引き起こされた様々な要素が、地域住民の移動困難な状況を作り出しています。
自宅を失った若い世代が都市部へ移住し一気に進んだ超高齢化。震災で車を失い、「もう年齢的にも厳しいから」と免許を返納した方や、仮設住宅が狭いため家族がバラバラに離れて入居し、子供に送ってもらうことができなくなった方、不便な仮設住宅に住むことになった方。狭い空間に引きこもり、生活不活発病で歩けなくなる方々もいます。
その一方で、地域が“もともと”持っていた問題も浮かんできます。震災前から自家用車頼みの「マイカー社会」だったこと、そのため公共交通機関がじゅうぶんに活かせていないこと、外出困難な人は家族や親族が送るのが当たり前で、それが頼めない時は外出を諦めるという考え。そして「震災前から移動に困っていた」お年寄りや障害者の方々。
私たちは、「震災前の状態に戻す」のではなく、「震災をきっかけに、以前より住みやすいまちにする」ことを目指して、これからも活動を続けていこうとしています。
活動内容の詳細、実績について
◆現在のRera◆
現在、移動支援Reraの送迎目的地のおよそ9割が通院です。ほとんどの方が障害や高齢、あるいは怪我や病気などを抱えています。健康な生活を送るために欠かせない、生命線としての「移動」を担った送迎がほとんどになりました。
寄贈いただいた福祉車両など6台を活用し、車いすや寝たきりの方にも対応しながら、震災後から2023年3月までの間に、のべ20万人以上もの住民を送迎しています。
「あったらうれしい」ではなく「ないと困る」存在として、地域の要援護者の方々に寄り添っています。
代表者メッセージ
Reraとしてできること
“足”のない人を送迎することは、今現在困っている方々を直接手助けする大切な行動です。でも、送迎するだけでは、困っている方々はいつまでも困っているままです。本当は、ボランティア送迎だけを頼りにするのではなく、自分たち、あるいは地域のみんなで支え合う仕組みを強めていくことが大切です。
バスなどを利用しやすくするための「交通案内」を作り自分の力で行きたいところに行けるようにする、カーシェアリング車輌を使って助け合いを後押しするなど、他の団体などと連携を取りながら、直接の送迎だけでないさまざまな試みを行っていく計画です。
寄付金の使い道について
東日本大震災によって被災された方々への支援、そして被災と関係なく支援の必要な社会的弱者の方々が抱える問題に、「移動」を通して私たちは向き合っています。今後も活動を継続させていくためには、たくさんの皆様からの応援が必要です。是非ともご協力をお願い致します。
尚、皆様からお預かりした支援金は、移動困難者をサポートする活動並びに事務局運営費として大切に活用させて頂きます。