プロジェクト概要
こども家庭庁では「はじめの100か月(約8年間)」をこどもの生涯にわたるウェルビーイング(幸せ)の基盤をつくる大切な時期と位置づけています。
私たちの子育てひろばでも、核家族化や転勤による知らない土地での子育て、地域とのつながりの希薄化、保護者の社会復帰の早期化など、親子の暮らしの変化を強く感じています。
家庭が担う役割が大きくなる中で暮らしのスピードは加速し、忙しい日々の中で周囲との関係を育む時間が減り、孤立しやすくなっています。だからこそ、身近な地域で「頼り、頼られる」あたたかな関係性を身近なところに築いておくことが大切です。こうしたつながりは、こどもにとってもまた、安心感の輪の広がりとなり、健やかな育ちの基盤となります。
はじめの100か月は「完璧な親になるための時間」ではなく、親子がともに育ち合う時間です。本プロジェクトでは、中でも「保護者・養育者」の成長と育ちに焦点をあて、託児付きの「親育ちの時間」を提供します。プログラムを通して親同士が学びや相談、仲間づくりを通して支え合い、自分らしい子育てを考えることができます。また、こどもの育ちも子育ても家庭で完結するものではありません。取り組みの中では地域・企業・行政を巻き込みに、つながるアクションを取り入れながら、社会全体に共感と支え合いの輪を広げていきます。
NPO法人子育てネットひまわりの活動
私たち〈子育てネットひまわり〉は、子育て家庭が孤立することなく、地域の中で安心してつながりを育めるよう支援する子育て支援NPO団体です。コンセプトは「わいわいガヤガヤ」。
こどもとその家族の最大の理解者として「当事者の声」を大切にし、子育て家庭が主役となる活動を展開しています。また、行政・各種団体・地域コミュニティなどとの連携や協働を重視し、「こどもまんなか社会」の実現を目指しています。
現在は、〈たかまつ子ども食堂ネットワーク〉の事務局運営や〈ひとり親家庭生活支援事業〉など、幅広い分野で地域の子育て支援に取り組んでいます。
はじめの100ヵ月 ―子どもを育てる家族の暮らしが変わっています―
近年、女性の社会復帰が年々早まる傾向にあります。
私たちが出会う親子の中にも、妊娠中から保育所の相談を始めたり、産後わずか数カ月で保育施設を見学する方が増えています。その背景には、職場の人手不足や非正規雇用の増加など、早期復帰を求められる社会構造があります。
しかし、地域で子育てを学び、楽しむ時間が短くなることは、親同士が悩みを分かち合い、支え合う機会の減少を意味します。
子育てを通して地域とつながる大切な時間が、失われつつあるのです。
ある調査では、母親の6割以上が「12ヵ月以上の育休を取りたい」と答えています。多くの親が「こどもとの時間を大切にしたい」と願っている一方で、制度や職場環境がそれを十分に支えきれていません。
実際には、こどもが1歳前後で復職する母親が多く、復帰後には家事・育児・仕事の負担が重なり、9割以上の母親が「復帰後がつらい」と感じているという結果もあります。
子育て期の女性が「家庭」と「仕事」の両立を強いられる中で、地域や社会の支えが十分でないことは大きな課題です。
だからこそ私たちは、母親が安心して子育てと仕事を両立できるよう、地域で支え合う仕組みを広げたいと考えています。育休中も復帰後も、親が気軽に集い、語り合える場をつくることが、これからの子育て社会を支える第一歩になると信じています。
親子が育ちあう はじめの100ヵ月応援プロジェクト ― ノーバディズパーフェクトプログラム ―
妊娠からおおよそ100ヵ月(約8年間)は、親子がともに育ち合うかけがえのない時間です。 この時期の親子の生活が、将来にわたる心身の健康やウェルビーイングの基盤となります。
本プロジェクトでは、ノーバディズパーフェクト「完璧な親なんていない」という理念のもと 地域で子育てをする人も、社会復帰しながら子育てをする人も、子育て当事者同士で語り合い、育ちあえる時間を提供する中で、自分らしい子育てを見つけられる時間を保障します。
① weekdayプログラム 「ノーバディズ・パーフェクト(Nobody’s Perfect)プログラム」
「ノーバディズ・パーフェクト」は1980年代初頭、カナダ政府保健省が開発した乳幼児をもつ保護者のための子育て支援プログラムです。 “予防に1ドルをかけ惜しめば、7ドルの付けが回る”という理念のもとに、こどもと親の健やかな育ちを支えることを目的としています。
連続講座(全6〜8回)では、ファシリテーターの進行のもと、保護者たちがグループで学び合い、語り合いながら、子どもの成長や親としての在り方について考えます。 認定ファシリテーターは講師や指導者ではなく親たちの対話を支える伴走者であり、カナダ公認のプログラムの理念と進行方法を学んだ専門家です。
【プログラム概要】
• 実施形態:週1回 × 6〜8週間(1回約2時間)
• 対象人数:14〜20名程度
• ファシリテーター:2名体制
完全託児付き(託児は講習を受けた先輩ママたちが託児サポーターとして活躍!!地域の力が循環します)
② weekendプログラム 「ワ〜ママ子育てサロン」
仕事と子育ての両立に奮闘する保護者が、週末に安心して集い、語り合える場を提供します。 子どもの成長や職場復帰の悩みを共有しながら、共に支え合い、リフレッシュできる時間をつくります。
• 実施形態:1回2時間 単発講座
• 対象人数:14〜20名程度
• ファシリテーター:2名体制
完全託児付き(託児は講習を受けた先輩ママたちが託児サポーターとして活躍!!地域の力が循環します)
③ はじめの100ヵ月応援アクション
「はじめの100ヵ月」の理念についてのレクチャーや地域や職場でできる応援アクションの呼びかけを行います

ご寄付の使い道について
今回の寄付募集では、以下の用途として113万円を目標とします。
- 人件費・・・スタッフ実働分
- 謝金・・・認定ファシリテーター、託児者
- チラシ、報告書制作費・・・デザイン、印刷、発送
- 消耗品費・・・文具や講座内のティータイムのお菓子などの購入費
リターンのご紹介
ご支援をいただいた方には、感謝の気持ちとして以下のリターンをご用意しています。
- サンクスメール
- ご報告メール
活動・事業の様子を随時ご報告させていただきます。 - NPO法人子育てネットひまわりニュースレターの送付
- 賛同者として報告書へのお名前記載 (希望しない方は除きます)
代表者メッセージ:有澤陽子
23年前、私も一人の親として子育ての一歩を踏み出しました。子育ては思い通りにならないことの連続です。その苦しさから、ある日私はヒステリックに声を荒げ、「いつまで泣くの?」「なにがいけないの?」「いい加減にしなさい!」と我が子に大声を浴びせてしまったことがありました。相手は小さな赤ちゃん。私の問いかけに答えられるはずもなく、怯えたように泣きじゃくる姿を見て、私は「自分はダメな母親だ」と激しく落ち込みました。妊娠、出産、子育て――母親にとって体も心も環境も大きく変化するのが「はじめの100ヵ月」です。今振り返るとあの頃の私は、普段なら気にならない小さなことにイライラしたり、胸がざわついたり、もやもやしてばかりでした。怒りは往々にして強い者から弱い者へ向かいます。母と子という密な関係の中では、残念ながらその感情がこどもに向かってしまうこともあります。それが「虐待」と呼ばれる行為の一端であり、その加害者の多くが母親とされている現実につながっているのです。でも、多くの母親は誰もが思っています。「こんなはずではなかった」「私は笑っている母親になりたかった」と。それが叶わないのは、母親自身が大切にされる時間があまりにも少ないからです。「頑張ってるね」「よくやってるよ」「あなたはあなたを大切にしていいんだよ」そんな言葉をかけてもらえる場所、安心して話ができる時間があれば、心をリセットし、もう一度こどもに優しく向き合う力を取り戻せます。
在宅で子どもと向き合うママにも、仕事を頑張りながら子育てをするママにも――そんな“心のよりどころ”となる時間を届けたい。どうか、あなたも「はじめの100ヵ月の応援団」に加わってください!



