本を手にできる子どもを一人でも増やすため、 日本での使命を終えた「移動図書館車」を、南アフリカへ送りたい。
NPO法人SAPESI-Japan(サペーシ・ジャパン/南アフリカ初等教育支援の会)は、「移動図書館車」を南アフリカ共和国に寄贈する活動をしています。南アフリカのほとんどの公立小学校には図書室が無く、子どもたちは教科書以外の本を手にする機会があまりありません。そこで私たちは、日本で役目を終えた中古の移動図書館車を南アフリカへ送り、たくさんの本を載せて南アフリカ中を駆け回っています。
移動図書館車に「第二の人生」を
日本の移動図書館車は通常、走行距離2万から6万キロで車両を取り替えます。しかし、これは南アフリカにとってはまだ現役であり、丈夫な日本製の車体を捨てるには早すぎます。
幸いなことに、南アフリカは日本と同じ右ハンドルで左側通行、キロメートル表示なので、そのままの車体を南アフリカで活かすことが可能です。また、南アフリカはイギリス統治時代に道路整備が進みました。日本の約3.2倍の広大な土地を持つ南アフリカですが、ガタガタ道ではないのでバスの"健康寿命"を延ばすことができます。日系の自動車関連企業も数多く南アフリカに拠点を構えているため、現地での整備が可能なのも大きな利点です。ちなみに、南アフリカで自前の図書館車を製造するには1台あたり1,000万円以上かかってしまいます。日本の中古車を送る方が、はるかに効率が良いのが現状です。
移動図書館車は、現地で子どもたちが喜ぶように色とりどりにペイントされ、名前が付けられます。日本を飛び出した移動図書館車はその後、アフリカ風の愛称で人々に親しまれ、「第二の人生」を送るのです。移動図書館車のドライバーは、「司書」としての役割もあります。歴史的背景から、黒人の先生は十分に教職の教育を受けていない方が多いのですが、図書館車のドライバー兼司書から図書や教材の使い方、指導方法を教えてもらうことができます。子どもたちだけでなく、先生たちにとっても、移動図書館車はなくてはならない存在だと言えます。
人生を変える力が本にある。 南アフリカの子どもたちの夢と可能性を増やすためにも
南アフリカの子どもたちは、満足な、日本でいう最低限の教育を受けることがまだまだ難しい状況です。そんな中、移動図書館車が学校にやってくると子どもたちは自分の好きな本を手にし、読みふけるのです。本を選ぶことは、私たちにとっては日常的で簡単な行為ですが、彼らにとってそれは「選択の自由」であり「学ぶ自由」となのだと思います。生まれた場所や肌の色ではなく、自分の能力や興味関心によって自分の人生を生きることのできる社会が必要だと痛感しています。そこにはまず、日本でいうところの「読み・書き・そろばん」の初等教育の普及が不可欠だと考えています。
これからも南アフリカの子どもたちに本を届け続けるため、皆さまからの温かいご支援をお待ちしています。
NPO法人SAPESI-Japan(南アフリカ初等教育支援の会)事務局長 中川雅里名
ご支援の使い道
「移動図書館車寄贈プロジェクト」は、皆さまからのご支援で成り立っています。
教育というのは効果測定が難しい分野ではありますが、なんとか続けていけば、いつかプラスとなって子どもたちの人生に返ってくるはずです。即効性が無いからこそ、息の長い支援が必要だと信じています。アフリカ大陸を牽引する役割がある南アフリカ共和国という国を、子どもたちへの教育を通してサポートを継続してきたいと考えています。
初等教育が充実し恩恵を受けている日本の私たちから、これから発展を遂げる南アフリカへ、移動図書館車のプレゼントをしませんか?
皆さまからのご寄付は、主にSAPESI-Japan事務局の運営費、ボランティアの交通費、移動図書館車の輸送費として使用させて頂きます。