第1弾では第2回飛島盆踊りがどのようなメンバーで運営されたのかについて紹介しています。こちらからどうぞ!
今回の特集では、飛島盆踊りが酒田でどのように準備され、開催されたのかについてお話していきたいと思います。
高校生との準備
9月まで月2回ほどのオンラインミーティングを行い、企画のブラッシュアップを進めました。最終的には2つの企画を実施することになりました。
①パートナー妖怪ワークショップ
さざえの殻に好きな色を塗ったり、目をつけたりして、自分だけの光る妖怪を作るワークショップ。完成した妖怪は持ち歩き、夜の飛島盆踊りを照らす。
②ウォークラリー
色を塗ったサザエの蓋を地図を頼りに探すウォークラリー。集めた数に応じてステッカーやキーホルダー、高校生が絵を描いた缶バッジと交換できる。歩いて飛島の魅力を楽しみながら盆踊りの思い出を持ち帰る。
本番まで残り二週間ほどになった時には、実際に会って作業をし、細かい課題の解決に一緒に取り組みました。
9月6日(土)酒田東高校で一日作業
高校生は平日学校があるため、まとまった時間を取ることが難しいと考え、休日に一日時間をとって、作業とミーティングを行うことになりました。高校の先生方にもご協力いただき教室をお借りして作業を進めました。

この日は、実際にさざえに色を塗って、どう見えるのか、乾くのにどれくらい時間がかかるのかを試行錯誤を行いました。また、ウォークラリーで使用するさざえの蓋にスプレーで色を付けました。

9月8日(月)合同会社とびしまの松本さんとミーティング
飛島で実施する企画の最終確認をするために、合同会社とびしまの松本さんとミーティングを行いました。この時点で確認したことで残りの一週間で何を考えなければいけないのかが明確になりました。

9月9日(火)酒田東高校でミーティング
前日のミーティングで、まだ購入できていないものや、確認できていないものがあることが分かったため、最後のミーティングを実施しました。限られた時間の中で、大学生は車を持っているからこそできる買い物に行き、明日からすぐに高校生が作業ができるように準備を進めました。

本番まで残り5日間は、高校生達が景品づくりや企画を詰める作業を進めてくれました。
2月から始まったこの出会いはいよいよ本番を迎えることになりました。高校生自身がミーティングまでに様々なことを考えて、ミーティングに企画書を持ってきてくれたことで、内容を一緒に考えることができました。高校生一人一人が自分たちで進める企画だという想いを持ってくれたからこそ、実現を目指すことができた企画だと思います。
運営メンバーの準備
対面の活動以外にも、9月までにオンラインミーティングを週1回(必要があれば随時)行いました。各担当が何を進めているのか、不明点をお互いに擦り合わせて準備を進めました。

9月9日(火)市長表敬訪問
9月14日の開催を前に、飛島盆踊り実行委員会のメンバー6人が矢口明子市長の元へ表敬訪問に行きました。飛島盆踊りの目的や今年の開催についてお話させていただきました。貴重な機会をいただきありがとうございました。

9月10日(水)滝を見て帰ろうとした時に緊急ミーティング
実はこの日、早くから酒田に入った6人で酒田を旅しようと決めていました。美味しいものを食べたり、去年から行きたかった念願の玉簾の滝を見に行きました。
自然を満喫して帰ろうとしていた時、全員の携帯の通知が鳴りました…それは合同会社とびしまの松本さんからの連絡でした。
内容は、14日欠航の可能性が高い、イベントを延期、または中止など検討の必要があるということでした。
その通知を見た時、全員の時が止まりました。欠航のリスクは承知の上での開催でしたが、今まで準備していたことを考えると、開催できない可能性があることをすぐには受け入れることができませんでした。一般参加者としてお金を払ってでも来たいと思っていただけた25人からの期待も感じていました。また、関係者も含めると約50人ほどになる大きなイベントを、どう実施するのか考える必要がありました。そのため、最初からどうしようもできないと諦めるのではなく、すぐに6人で話し合いました。どうしたら参加してもらえるのか、100年続く文化行事にできるのか、Bプラン、Cプランはあるのか皆で意見を出し合いました。

その結果、私たちとしては、
・酒田滞在を伸ばすことはスケジュール的にできないため延期は難しい。出航する可能性があるなら飛島で開催できるように準備を進めたい。
・飛島で開催が難しいならば参加者に参加してもらえるように、本土開催の準備を並行して進めることを視野に入れる
と考えました。
この日の夕方、今後どう動いていくのか、合同会社とびしまの松本さん、酒田コミュニティ財団設立準備会の齋藤会長、飛島盆踊り実行委員会で緊急ミーティングを行いました。
話し合った結果、
本番前日に当日の欠航が濃厚な場合はイベントを中止せざるを得ない。関係者のみで飛島で小規模開催をする。
と決定しました。
100年続く文化行事にするためにも飛島盆踊りをここで途絶えさせるわけにはいかないと考えたからです。ここからは、関係者のみだとしても、参加者が来たとしても対応できるように飛島盆踊りの準備を進めるしかありませんでした。
9月11日(木)予定よりも早く島入り
元々は12日(金)に運営メンバー13人で飛島入りする予定でした。しかし、12日(金)の出航予報が△になっていたこともあり、運営メンバーが島に入ることができない可能性を考え、1日早く11日(木)から先発組として5人が島入りすることになりました。

9月12日(金)残りの運営メンバーも島入り
定期船が出航するか不安でしたが、無事出航し、運営メンバー全員飛島入りすることができました。また、本来14日から来られる予定であった酒田コミュニティ財団設立準備会の齋藤会長が実行委員を鼓舞するために弾丸日帰りで飛島に来てくださいました。
齋藤会長は、大正大学で鴨台盆踊りを企画・運営する授業の担当教員を長らくされていました。私たち飛島盆踊り運営メンバーは、その授業を履修して盆踊りの企画・運営を学び、齋藤会長の縁で酒田に繋がりを持ちました。とても心強い応援でした。
会場となる海水浴場に行ったところ、海ゴミが非常に多かったため、まずはゴミ拾いから始めました。

その後、百鬼夜行のイベントの安全を願い、林昌寺副住職でもある齋藤会長に会場の清めを行っていただきました。

齋藤会長を見送り、飛島を楽しんだ後は、会場の設営リハを実施しました。どれくらいの規模感にするのか、どこを中心とするのかなど、実際に竹を立てながら決めていきました。

前日の船は欠航。果たして当日の開催は…
高校生が14日欠航の可能性があるため13日から前日入りをしようとしてくれていましたが、無念の欠航になってしまいました…

開催当日14日(土)の欠航も濃厚となり、この時点でイベントの中止が決定しました。今年はイベントに申し込んでくださった参加者の方々と運営メンバーを含めて約50人が集まるイベントとなる予定だったので複雑な気持ちでした。一般参加者の方にはメールで中止の連絡を行いました。第2回飛島盆踊りを参加者の皆さんと一緒に作り上げることができなかったことは今でも心残りです。
その後は、小規模開催はできると前向きに考え、室内で踊り練習会を開催しました。運営メンバーの踊りの練度を高め、本番に備えました。

9月14日(日)本番当日
いよいよ本番当日です!午前中は会場の準備を行いました。

お昼ご飯の前には、全体ミーティングを行い、これからの動きを共有する時間をとりました。一般参加者がいないため、本当に今日が本番なのか、中々実感が湧かなかったのも事実です。しかし、このミーティングを実施したことで、いよいよ始まるのだと皆で共通認識を持つ機会となりました。一般参加者はいませんが、100年続く文化行事にするため運営メンバーで気合を入れました。

13:00-妖怪なりきりワークショップ
飛島盆踊りでは、美術の観点から鶴岡を拠点とする表現者にしかわしょうこさんにご協力いただいています。本来であれば、この時間はしょうこさんに相談しながら、自分なりの妖怪を作るワークショップを実施する予定でした。しかし、欠航でそれも叶わなかったため、Zoomを使いオンラインでアイデアをいただく機会を設けることになりました。どういう妖怪になりきろうか悩んでいる運営メンバーもしょうこさんと話しながら、準備を進めていました。

15:00-オープニング
元々は、合同会社とびしまの松本さんの進行で飛島について知ってもらうと共に、参加者全員の妖怪紹介をしようと考えていました。しかし、一般参加者が居ないということで、初めて飛島に来た運営メンバーへ飛島についての紹介、運営メンバー13人と合同会社とびしまの方との顔合わせの時間を持つことになりました。一般参加者は居ませんでしたが、飛島で働いている方に参加していただくことができました。

16:00-妖怪大行列
オープニングを実施した会場から海水浴場まで妖怪の姿で歩きました。

17:00-盆踊り前半
いよいよ盆踊りの始まりです!私たち飛島盆踊り運営メンバーと、飛島で働いている方々と関係者のみで踊りました。

また、今年初めての取り組みとして、島内放送で島全体に飛島盆踊りの案内を行いました。前回の開催を覚えてくださっていた方や放送を聞いて会場を訪れてくださった島民の方がいました。曲に合わせて手拍子をして盆踊りに参加していただくことができました。昨年はできなかった島民の皆さんとの関わりを持てたことがとても嬉しかったです。

18:00-夜ご飯
元々はバーベキューの予定でしたが、これも叶わず…しかし、オードブルを用意していただきました。これが本当に美味しかったです!皆で話をしながら、美味しいご飯を食べることができました。

19:00-盆踊り後半
後半の始まりです。暗くなりながらも、提灯の明かりを頼りに踊り狂いました。

最後は、飛島盆踊りで一番盛り上がる曲、島人ぬ宝 のアンコールを受けて飛島盆踊りの幕は閉じました。
9月15日(月)本土で高校生企画ワークショップ実施
せっかく企画したワークショップをやらないのはもったいないということで、本土で関係者を呼んでワークショップを実施することになりました。高校生を始め、飛島盆踊り運営メンバー、合同会社とびしまの松本さん、酒田コミュニティ財団設立準備会の齋藤会長とお子さん、飛島盆踊りに協力いただき参加予定だった山形大学農学部の皆様に参加していただきました。高校生にとっても私たち運営メンバーにとっても今までの準備を形にできる機会となりました。

今後の展望
来年、第3回飛島盆踊りを開催したいと考えています。今年の運営コアメンバーが全員4年生ということもあり、来年の引き継ぎに課題が残ります。また、今回は高校生と実行委員として動きましたが、他にも山形の高校生や大学生を巻き込むこともできるのではと考えています。実行委員を増やすことで、新たな文化の担い手を作っていきたいです。

今回、見に来てくれた島民の方から「飛島小唄」を踊ってほしいと要望を受けました。そのため、第3回からは「飛島小唄」を新たに取り入れたいと考えています。
おわりに
「100年続く文化行事にする」を合言葉に準備を進めてきた飛島盆踊り。船の欠航により一般参加者はいませんでしたが、第3回に繋がる期待や課題のある第2回飛島盆踊りになりました。残り97年を引き継いでいくためにも私たち実行委員会は来年に向けて動いていきます。
この場を借りて第2回飛島盆踊りに関わっていただいた全ての方に御礼申し上げます。

来年の盆踊りもお楽しみに!
最後までご覧いただきありがとうございました!
*この記事は酒田コミュニティ財団設立準備会のnote(2025年10月10日掲載)を再編集して掲載したのものです。
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