はじめに
こんにちは!私たち、NPO法人School Voice Project(以下SVP)は、学校をボトムアップで変えていく教職員たちのプラットフォームです。教職員のエンパワメントと、学校内外に対話の文化をつくることをミッションに、一人ひとりの教職員が日々働きながら感じ考えていること=「学校現場の声」を大切にし課題解決につなげるための仕組みとして、WEBアンケートサイト「フキダシ」、WEBメディア「メガホン」、オンラインコミュニティ「エンタク」を運営しています。さらにそれらを生かして、学校現場を支える仕組みや予算づくりを国や自治体に働きかける政策提言・ロビイング活動にも取り組んでいます。
この度、これまで行ってきた事業を基盤に、全国の教職員がそれぞれの教室や学校に変化を生んでいく、期間集中・コミュニティ型の学校変革プロジェクト『エンジン』を始動します!
(大分での対面イベントの時の様子。たのしく、安心感のあるつながりを大事に活動しています)
いま、学校は多様な子どもたちを包摂できているか...?
「民主的でインクルーシブな学校」「子どもも大人もしあわせな学校」
「"自分の思いや声には価値がある" "私には力がある"と実感できる学校」
これが私たちSVPのビジョンです。ですが、それに向かう道には大きな課題が横たわっています。
不登校の子どもたちが34万人超に
文科省による最新の調査データでは、2023年度の小中学校における不登校児童生徒数は過去最多の34万人超。不登校には多様で複合的な背景がありますが、結果を見ると、今の学校教育は、多様な背景・個性・ニーズを持つ子どもたちを受けとめきれていない...と言わざるをえません。
特別支援教育を受ける子どもたちも増え続けている
特別支援教育の対象となる児童生徒も増え続けています。文科省が2023年に公表した資料では直近10年間で義務教育段階の児童生徒数は1割減少した一方、特別支援教育を受ける児童生徒数は倍増。特に、特別支援学級の在籍者数は2.1倍、通級による指導の利用者数2.3倍と増加が顕著です。
これまでの「学校のあたりまえ」の問い直しが必要では?
今起こっているのは、これまでの学校教育の在り方や枠組みが「つらい」「合わない」「苦しい」子どもたちが、不登校になるか、特別支援教育の対象に入ることでなんとかサバイブしている状況、と言えるのではないでしょうか。学びの多様化学校や、校内フリースクールなどの選択肢も出てきています。今、現在進行形でつらい思いをしている子どもたちを受けとめる場所が必要なのはいうまでもありません。ですが、そもそも・・・
メインストリームとされている"通常"学校の"通常"学級のあり方はこのままでいいの?
今の「学校のあたりまえ」を、もっと子どもに合わせて変えていく必要があるのでは?
子どもたちは多様です。家庭環境や心身の状態、SOGIE(性的指向・性自認・性表現)、国籍や民族的なルーツなどは一人ひとりさまざま。興味関心や、コミュニケーションスタイル、得意 / 苦手な学び方もみんな違います。それを前提に、子どもたち一人ひとりにとって苦しいことは何なのか、どんなふうになれば過ごしやすくなるのか、大人が学び、考え、子どもたちの声を聴きながら、「今のあたりまえ」を変えていく。『エンジン』はそれを実践するプロジェクトです。
「なんとかしたい、でも・・・」先生たちも苦悩している
先生たち一人ひとりには悩みや葛藤もあります。「今のあたりまえ」を変えていくためには、さまざまに試行錯誤したり、職場内での葛藤や信念対立にも向き合っていく必要もあります。教員不足や多忙化が叫ばれる中、取り組みを進めていくのは簡単ではありません。
だからこそ、私たちSVPは、思いを共有できる全国の仲間とのつながりを土台に、集中期間を決めて、共に変化を生み出すことを目指す新たなプロジェクト『エンジン』を始めます。
「学校を、子どもたちがつらくない、インクルーシブな場所にしたい」
「本当は一歩、いや半歩でも踏み足したい」そんな思いを持つ教職員の方たちと、共に歩めたらと思います。
『エンジン』って具体的にどんなプロジェクト?
日々いろいろある中で、まずは「取り組んでみよう、やるぞ」と、この期間、このテーマにコミットすると決めるのはとても大きなことです。『エンジン』では序盤に「学校のふつう」をアップデートしていくための、汎用的なノウハウや考え方をみんなで学び、それを踏まえて、それぞれの職場でのチャレンジを共有し、学び合っていきます。すぐにはうまくいかなくてもその試行錯誤を励ましてくれる場があることで心が折れるのを防ぎ、もしくはたとえ折れても回復しやすい環境をつくり、変化を目指して歩んでいけるよう支えます。
例えばどんなことにチャレンジ?(マイチャレンジの例)
「子どもがつらくない、インクルーシブな教室・学校づくり」と言われても、何をしていいのかピンとこない方も少なくないかもしれません。『エンジン』では、以下の4つの柱のもと、それぞれがマイチャレンジのテーマと目標を設定していきます。
《 こんな悩み・思いがある方に 》
飛び出しがある、教室に入らない子がいる、日本語がわからない子が教室にいる、毎日叱ってばかり…、不登校だった子が教室に来るようになったが授業がわからない etc
《 こんな悩み・思いがある方に 》
互いを傷つける言葉が飛び交っている、子どもたちの関係性が冷えている、もっとリラックスできるやわらかい教室にしたい、自分と子どもの関係を改善したい、気づかずに子どもたちを傷つけていることがあるならそれに気づきたい etc
《 こんな悩み・思いがある方に 》
同僚と共通認識がつくれない、大事だと思っていることを問題提起しても伝わらない、職員室で飛び交う子どもへの批判をどうにかしたい、職場内に作戦会議ができる仲間がほしい etc
《 こんな悩み・思いがある方に 》
学校全体で子どもたちが落ち着ず安心安全をつくれていない...、学校組織としてDE&Iの取り組みを進めたい、ビジョンをより多くの教職員で共有したいetc
<※管理職や、生徒指導・人権担当などの分掌長などミドルリーダー的立場の方向け>
100日間の過ごし方:プロジェクトの流れとサポート内容
『エンジン』はおよそ100日間かけて実施するプログラム。その具体的な内容をご紹介します。
1. キックオフミーティング
- オリエンテーション・100日間の過ごし方のイメージを具体化
- 不安な点やわからないことを解消
- グラウンドルールの設定・参加者同士の関係構築・心理的安全性の担保
2. 基礎講座(インプット)
このプロジェクトの共通土台となる知識・考え方・スキルを共有することで、100日間の学びとアクションを支えるコミュニティの安定性を高めます。
※ホワイトボードミーティング®︎の活用について
一人ひとりの意見が活かされる効率的、効果的な話し合いの方法「ホワイトボード・ミーティング®︎」を開発者のちょんせいこさんから学びます。『エンジン』では、みんなで学んで活用することで、コミュニティ内の学び合いの質を高め、参加者の各自の現場でのアクションにも活かせるようにします。
3. マイプロジェクトのテーマと目標を決める / ホームグループをつくる
- 互いに深掘りし合いながら、3ヶ月間取り組むテーマを、一人ひとりが設定します。
- 近しいテーマ・目標の方同士で、学び合い・支え合いの基盤となる少人数の「ホームグループ」をつくります。(校種・経験年数なども考慮します)
4. マイプロジェクト始動!〜現場での実践・試行錯誤〜
- 2週間を1ターム(実践期)として区切り、テーマと目標を意識しながら、自分の職場でマイプロジェクトを回します。(進捗状況や、学び・気づきの投稿を推奨。ただしご自身のキャパシティに合わせて"チャレンジ・バイ・チョイス"でOK)
- 実践期が終わるごとに「振り返り&作戦会議」を行います。ここでは、ホワイトボード・ミーティング®︎の「定例進捗会議」という型を用いて【コンパクト且つ深く】現状を振り返って次への見通しを持ち、そのうえでよりそれぞれの知恵や視点や経験を共有し合いながらネクストアクションを考えられる時間を持ちます。(隔週実施・毎回1時間きっかり!)
- 「振り返り&作戦会議」では、参加者の皆さんの状況やニーズに応じて10分程度の「ミニレクチャータイム」を設け、スタッフやSVP理事メンバーなどから、視点やスキルを共有します。
5. マイプロジェクトの実践中には、こんなオプションも!
▶︎ 個別相談:
それぞれ得意分野を持ったSchool Voice Project の理事やスタッフメンバーに個別に相談することができます。相談に乗る人の人選は希望やニーズに沿うかたちで個別調整します。
(本クラウドファンディングのリターンとなっています)
▶︎ 公開お悩み相談会:
自分の悩みや困りごとを「まないたの上」に出し、ファシリテーターに深掘りして聞いてもらい、他の参加者からもフィードバックや視点をもらうことで、今後の打ち手を探すことができます。(本クラウドファンディングのリターンとなっています)
▶︎ グループコンサルティング:
インクルーシブな学校・教室づくりを目指してさまざまな立場で取り組んでこられたフロントランナーや専門家の方たちに、少人数でアドバイスをもらう。
(本クラウドファンディングのリターンとなっています)
▶︎ 有志での勉強会やおしゃべり会(自主企画):
例えば、以下のような会を「この指とまれ」で立ち上げてみんなで学ぶことができます。
・自由進度学習に以前から取り組んでいる◯◯さん、◯◯さんからアドバイスをもらう会
・『◯◯』を読んでみんなで語るブッククラブ
・同じ立場◯◯(管理職、研究主任、生徒指導担当etc)同士で集まって話そう!
・ホワイトボード・ミーティング®︎の練習をしよう!
・クラス会議のやり方で、話し合いをやってみよう!
5. 生まれたものを分かち合う「ハーベストDAY」
最終回は、およそ100日間の取り組みと、そこで起きた自分の変化、教室の変化、職場の変化をみんなで共有し、祝福し合います。それがまた次のチャレンジへとつながるように。
『エンジン』のその他の特徴(おすすめポイント)
SVPのオンラインコミュニティ『エンタク』を活用!
『エンジン』は、School Voice Project が運営しているオンライン・コミュニティ『エンタク』を基盤に展開します。現在未加入の方にも、プロジェクトの実施期間は『エンタク』にお入りいただくかたちです(その後、抜けるのは自由です)。
『エンタク』は、メンバー限定で交流できるSNSのようなもの(専用アプリあり)。
「自分のフィード」「つぶやきやブログ」「ダイレクトメッセージ」「グループ」「メンバー一覧」「イベントページ」などの機能があり、書き込んで交流したり、イベントに参加したりすることができます。非同期の気軽なコミュニケーションが取りやすいことや、守秘義務のあるクローズドの空間だからこそ、現場のリアルを発信できるのは大きな利点です。
伴走するスタッフ
学校現場で長く教員をやりながら、子どもたちを包摂できる環境づくりや職場づくりに取り組んできた大野、工藤、横山と、外部の立場から学校向けの研修や授業・コンサルティングに携わっている武田がプロジェクト全体の運営と場づくり・ファシリテーションを担当します。
職場に仲間を増やすキッカケになれば...という思いから、職場の同僚と一緒に参加いただくことができる仕組みを考えました。基礎講座(①②)は、同僚の方を何人でも誘っていただいてOKとします。プログラム全体については、申込み者の方1名につき、同僚の方1名分の無料招待枠をプレゼントします。(もちろん、単独参加でも大丈夫です◎)
SVPがこれをやる理由・今後の展開
School Voice Project は、思いを共有できる仲間が集えるコミュニティづくりと声の見える化を通して、教職員が「学校はもっとよくなる」「自分たちには力がある」という【変えていける実感】を持てるようになること=エンパワメントを目指して活動しています。そしてその先に子どもたちの幸せやエンパワメントがある、と信じています。
これまで、3つのWEBサービスをリリースし、政策提言・ロビイング活動を行ってきました。「エンタク」はよいコミュニティに育ってきていると感じていますが、そこを基盤にさらに「着実に現場に届くアクション」が生まれていくようになれば、もっともっと学校のエンパワメントにつながっていくと思い、その仕掛けとして『エンジン』を構想しました。
プロジェクトのスキームを固めて継続的な自主事業に!
今回は「インクルーシブな学校づくり」をテーマに実施しますが、同じスキームで「働き方改革(業務改善)」「学び方変革」といったテーマでも実施できるため、発展性もある事業だと考えています。
現場だけが頑張ればいいわけじゃない!
『エンジン』は、教職員が学校現場でできることを促進・サポートするための取り組みです。しかし、ただでさえパツパツの状況下で、「足元の学校現場でできることをがんばろう!」だけでは、この先ジリ貧になっていくのが目に見えています。現場にゆとりを増やし、教職員のがんばりを支える予算や仕組みが絶対に必要です。SVPは【現場レベルのアクションの推進・サポート】と、現場を支える環境をつくるための【ロビイング・政策提言活動】は両輪で進める必要があると考えています。
これまでにも、『フキダシ』を通して集まった現場の声をもとに、「教員不足の解消」「新年度準備期間の確保」「スクールソーシャルワーカーの常勤化」などについて、記者会見やメディア発信、議員や行政機関への政策提言・ロビイング活動を展開してきました。特に「教員不足」についての問題提起はテレビや新聞でも大きく取り上げられ、重大な問題として認識されるようになりました。最近では提言してきたことの1つ「産休育休の代替教員に正規教員を当てられる制度に変更」が実現するなるなど、取り組みの成果も出てきています。
昨年・2024年は、ソーシャル・ジャスティス基金の助成を受け、性的マイノリティ・外国につながる子どもたち・厳しい家庭環境で育つ子どもたち・不登校の子どもたちなどの当事者活動や支援活動を行う団体と協働して、政策提言を策定してきました。今後は、それをもとにしたロビイング活動(政治や行政へのアプローチ)を展開していきます。そのための費用も本クラウドファンディングには含まれています。
※なお、現場レベルの取り組みの課題や限界を明らかにして、政策提言に活用するためのアンケートを現在実施中です。こちらもぜひご協力ください。(教職員向け)
運営団体を代表して、メッセージ
応援メッセージ
資金の使い道
いただいたご寄付は以下の内容に使わせていただきます。
- プログラム運営のための人件費(60万円)
運営のマネジメントスタッフと、参加者サポートを行う事業スタッフでチームを組んで実施します。 - ファシリテーター/専門家等への謝金(30万円)
インプットの学びのための基礎講座や振り返り&作戦会議には、専門家やアドバイザー、ファシリテーターが入り参加者のチャレンジを支えます。 - ガイドブックの制作のためのコンテンツ制作費・デザイン費・印刷費(20万円)
プログラム参加者の学びを深め、かつ参加者以外の関心のある方が誰でも手に取れるガイドブックを制作します。 - 現場での変革と両輪で!政策提言にかかる経費(50万円)
- 「エンジン」のプログラムと同じ方向で行う、インクルーシブな学校づくりのための政策提言事業を行うため、事業スタッフや調査費、資料作成費等経費として活用します。
今後『エンジン』は、参加者に参加費をいただいて運営すること想定していますが、今回は初めての試み(0回目)ということで、クラウドファンディングを実施することで参加費を下げ、参加のハードルを下げたいと考えています。同時に、今回は参加者からのフィードバックを反映して、『エンジン』の運営方法をブラッシュアップし、プロジェクトスキームを固める機会としたいと考えています。(そういう意味でも参加費を抑えて実施します)
プロジェクトとしての精度が上がり、しっかり参加費をいただいて運営できるようになれば、後述する政策提言活動や、「フキダシ」、「メガホン」の運営も含めた、SVPの団体運営・事業運営の基盤を支える自主事業になりうると考えています。
SVPの団体運営自体は現在相当な範囲がボランティアワークに依存しており、「財政基盤さえ安定すればもっとしたいことがある...」と悔しい思いを抱えているのも現状です。
クラファンとは別に、マンスリーサポーターの募集もしておりますので、ぜひとも合わせてご検討ください。
また今回『エンジン』を実施していく際の舞台となるSVPのオンラインコミュニティ『エンタク』も随時メンバー募集中です。この機会に『エンタク』のメンバーになっていただくことも、大歓迎です!(※現職教職員の方以外は理事の紹介or事務局の承認が要ります)
リターンもご用意しています!
本クラウドファンディングの寄付金額は1口3000円からです。ご支援をいただいた方には、感謝の気持ちとしてリターンをご用意しています。ぜひリターンの内容をご覧いただき、支援額をご検討ください。
最後に
このクラウドファンディングを通して、一緒に「どんな子も過ごしやすい学校」を目指していく仲間が増えたら、それが何より嬉しいです。クラファン終了までじっくりと仲間の輪を広げていけたらと思います。
金額10,000円 |
金額20,000円 |
金額20,000円 |
金額20,000円 | 在庫5 |
金額20,000円 | 在庫5 |
金額20,000円 |
金額10,000円 |
金額20,000円 |
金額20,000円 |
金額20,000円 | 在庫5 |
金額20,000円 | 在庫5 |
金額20,000円 |