国の重要無形民俗文化財に指定されております大津祭の曳山の一つ、殺生石山(狐山)を収蔵している山蔵(収蔵庫)が現在、倒壊の危機に直面しています。
柳町 殺生石山
殺生石山は、国指定重要無形民俗文化財である大津祭で巡行する曳山の1山で、能の演目「殺生石」を題材にした曳山です。1662年以前に創建されたといわれており、350年以上の歴史を柳町自治会で代々受け継いできました。
山蔵
山蔵は土蔵造2階建てで建築。年次を明らかにする資料はありませんが、柱の墨書銘から文化7年(西暦1810年)頃と考えられ建造から210数年経過しております。
蔵の現状
破損状況を把握のため、令和5年に文化財の専門家に依頼し大規模調査を行いました。柱等は、シロアリによる被害が大きく、基礎も一部地盤が柔くなり石垣の欠落がみられるとのこと。全体として山蔵が北東方向へ傾いていってる状況であり、早急に修理しなければ地震や大雪等で倒壊する恐れがあるという結果でした。
修理方針
調査結果に基づき、可能な限り当時の建築方法を使用した半解体修理を予定しています。基礎工事も切石をいったん取り外し、その下の土壌を改良するところから始めなければなりません。曳山の部材は非常に繊細で、保管場所の環境が変わるだけで曳山に影響が出る可能性もあるため、急を要する事業です。
さいごに
柳町自治会が代々、守り抜いてきた曳山をはじめ、国指定重要無形民俗文化財である大津祭を、後世へと繋いでいく使命があると心得ております。何卒、皆様の御支援、御協力の程よろしくお願い申し上げます。