活動の背景・社会課題について
〜ひきこもり状態の人が全国に推計146万人、東京都江戸川区にも約1万人〜
ひきこもり状態にある人は、全国で推計146万人。江戸川区でも、令和5〜6年度に行われた実態調査で、10,132人がひきこもり状態にあると明らかになりました。これは、区民の約68人に1人という割合です。不登校の子どもも35万人を超え、各クラスに1人以上が学校に通えていない時代になりました。
私たちが関わりたいのは、遠くの誰かではなく、「すぐそばにいる人たち」。学校や職場、病院など、既存の制度や枠組みにはなじまず、生きづらさを抱えながら日々を過ごしている人たちです。
内閣府の調査では、「孤独を感じることがある」と答えた人は約4割にものぼります。誰かとつながることが難しい社会のなかで、今、「ただいられる」「誰かと出会える」居場所の必要性が高まっています。
私たちは、江戸川区を拠点に、医療・看護・福祉・地域支援の専門職が連携し、ひきこもりや不登校、こころの病気などに悩む方々のために「それぞれの居場所」をつくっていきます。
誰かの居場所があることは、支援される側・する側という関係ではなく、誰もがつながりあい支え合える社会を築く第一歩になります。
だからこそ、今この活動が必要です。
活動内容の詳細、実績について
私たちは、「食べること・学ぶこと・体験すること」の3つを軸に、
年齢や立場に関係なく、誰もが安心して集まり、つながり、学び、心が動く居場所づくりに取り組んでいます。
主な活動内容
①しあわせに”食べること”でつながる居場所づくり
地域食堂 「ひげぞ~のこころ食堂」
- 美味しいごはんを食べながら、楽しい時間を過ごす地域のみんなが集う居場所。 親子やお子様の参加やおひとりでの食事が多い高齢者の方、楽しく食事をしたい方など、地域の方どなたでもご利用が可能
すまいるプロジェクト
- 居場所に来れない子どもやご家族に、駄菓子とメッセージカードのプレゼント
②たのしく”学ぶこと”でつながる居場所づくり
こころに障がいがある方に向けた情報の発信「たゆらかたうん」
- ひきこもり当事者や、専門家などの声を掲載
- 年4回の冊子発行や、Webサイトでの発信
- 江戸川区を中心に、福祉施設や商業施設など約2,000箇所での冊子配布
専門職による小中学校などへ出前授業
- 小中学校などへ出向き、身体とこころの健康サポート講座を実施
- 別室登校の子どもたちのメンタルケア、自分らしく居られるプログラムの実施
- ARスポーツやメタバースなどバーチャル空間を通じて、新たな交流ができる機会の提供
講演会への出演、シンポジウムの開催
- 地域や企業に向けた情報や活動の発信
専門職による対面またはオンライン・メタバース相談
- 家を出られない方を対象に、在宅診療所の医療従事者や精神保健福祉士、管理栄養士などが連携し、医療や生活のことについての相談実施
③心を育てる”体験をすること”でつながる居場所づくり
ひきこもり等就労困難者に向けた「就労訓練」
- 小さな成功体験を積み重ねることで、働く喜びと自信を取り戻す支援
- 就労経験がなく就労機会を得られない方が短時間からチャレンジできる「お試し就労」の提供
- 就労イベントの開催
趣味や興味を活かして人とつながる機会の提供
- 野菜の育成、収穫、調理までを一貫して経験できるプログラム
- ARスポーツ「HADO」、ボードゲーム、メタバース体験
※今後も出会いを通じて、さまざまな事業が増えていく予定です。
寄付金の使い道について
いただいたご支援は、子どもたちやひきこもり当事者の方々が安心して過ごせる居場所づくり、そして新たな就労支援プログラムの実施、専門スタッフの研修などに活用いたします。
代表メッセージ
しろひげたゆらかファンドは、不登校や引きこもりの方々、こころに痛みを感じている方々などが「そのままの自分」でいられる居場所をつくる活動をしています。無理に頑張らなくてもいい。けれど、少しずつ外に出てみたくなったとき、何かをしたくなったときには、そっと背中を押す。そんな“たゆらか”な縁が自然につながる場所を、一緒に支えていただけませんか。私は日々、在宅診療の現場に携わり、この緩やかな居場所の必要性を日々実感しています。皆様方のご支援は必ず、誰かの「あたたかい居場所」につながります。どうか一緒に見守りながらのご支援をいただけることをよろしくお願いいたします。
NPO法人しろひげ・たゆらかファンド
理事長 山中光茂