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「私の夢は、国際機関で子ども関係の仕事に就くこと」
私の夢は、国際機関で子ども関係の仕事に就くことである。そのためにリーチ奨学育英会で、住まい(育英会の運営する東京都国立市にある学生寮)と奨学金を得て大学での学業に励んだ。同時にアルバイトにも一生懸命取り組み、報道関係の仕事であるのでスーツケース片手にあちこちと忙しくしていた。
大学3年生になったとき、社会は新型コロナウィルス感染症の混乱状態で、感染拡大防止のために大学は休校やオンラインとなり、授業もまともにできなくなった。それでも学費等のためにアルバイトは続けなければならない。しかし私は昨年、大学を退学せざるを得なくなった。学業とアルバイトのバランスが崩れ、単位を落としてしまったからだ。こちらの事情は組んでもらえない中、園長先生が大学やその他助けになってくれる方々にも掛け合って動いてくださり、なんとか復学できた。
そのおかげで以前からの目標に向かって頑張ることができ、今年の夏は東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の職員として水泳会場のマネージャーを務めるという貴重な経験をした。短い間だったが濃い経験をして、今までにない達成感を味わうことができた。目の前で繰り広げられる熱戦、感動的な表彰式、その裏で目を停める余裕もないほど、世界中の要人、関係者、表彰式プレゼンターの対応に目まぐるしく動いていた。ボランティア総勢90人をリードし、無線2台と携帯2台をもって、時には耳が足りないほど連絡を取り合うこともあった。毎日へとへとになったがすごく貴重で、重要な部署のメンバー、会場のチームメイト、ボランティアに恵まれて、とても充実して楽しかった。多種多様な職種、価値観を持つ人との仕事は、これから私の目標とする仕事に大切な糧となったと思う。マニュアルはあっても臨機応変に対応する力もこの経験から大いに学んだところだ。
残りの大学生活も学業とのバランスを重視しつつ、いろいろな経験を積むことは最大の武器になると信じて、前向きにトライし、頑張っていきたいと思っている。後ろ盾となってくれる奨学育英会の存在、いつも心の支えである園長先生に感謝します。また奨学金サポートがあるからこそ学業にもアルバイトにも頑張れるので、これからも夢の実現に向け着々と歩を進めていこうと思います。
参加者の感想
2022秋スピークアウトの会に参加させていただき、子ども達への支援やアフターケアについて考える良い機会となりました。会場で登壇された皆さんのみならず、オンラインや映像で元気に頑張っている様子が伺えたことは、支援に関わってきた一職員としては懐かしく、頼もしく、喜びを感じられた時間となりました。私たちが支援できたのは彼らの人生の中のほんのひと時ですが、それぞれの発表で施設での生活を肯定的に捉えてもらえていたことは、私たちの取り組みに対する一定の評価をもらえたようで、今後の支援のモチベーションになりました。自身の今を肯定的に語れることは彼ら自身が努力を重ねたことからくる自信と、施設退所後も多くの人と出会い、支えられたこと、また現在も支えられていることによる安心感があるからだと感じられました。今回参加させていただいた施設の高校生にとっても、自身の将来を想像する良い機会となったと思います。最後の感想の中で、それぞれに前向きな希望を口にしていたことが印象的でした。このような彼らの声が社会に広く伝わり、理解と支援の輪が広がっていくことが、今後社会に出ていく子ども達の大きな支えとなることと思います。このようなスピークアウトの機会を設けていただけたことに改めて感謝するとともに、今後も継続的な支援と情報発信にお力添えをいただけましたら幸いです。(職員)
この度はスピークアウトとマナー講座の会に参加させていただきありがとうございました。ホテルで食事をすることがあまりなく、緊張して少し具合が悪くなり、ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。私は今後の生き方についてあまり考えることができていません。家族のことや将来のことを考えることが得意ではありません。大人になって働くことのイメージができません。ですが、先輩の卒園生の方々が頑張っている話や何とかなった話を聞くと、自分自身も何とかなるかもしれないと少し思うことができました。まだ今の時点で今後どうやっていくか決めることは出来ていませんが、自分なりに少しずつ進んでいけたらと思っています。食事もおいしかったし、参加してよかったと思っています。ありがとうございました。(高校生)