無戸籍の人を支援する会とは

現在日本国内において幾人もの人が生きる権利を得られていない人がおられます。私たちは、日本全国から寄せられる無戸籍や出生届に関する相談を受けて、状況に応じて必要な手続きをお手伝いします。就学・就労・医療・住まいなど生活の基盤に直結するため、まずは現状の整理と優先順位付けを一緒に行います。
無戸籍者が社会に自分の状況を伝えても、無戸籍に対する法律がないことから、行政窓口に相談に行っても非常に高いハードルに直面します。いつ、どこで、誰の子として生まれたのかを証明することができない状況を指摘されても、ほとんどの行政窓口ではマニュアルがないことで全く対応ができません。
当会では支援での様々な経験を活かしてご本人やその家族に多様に対応しています。必要に応じて認知や就籍、DNA鑑定、家庭裁判所への申立、書類収集や作成、窓口同行、福祉・医療・教育機関との連携まで伴走します。プライバシー保護を徹底し、オンライン・対面いずれの相談にも丁寧に応じます。必要に応じて弁護士等の専門家とも連携し、地域差のある運用を乗り越えます。
地域によって運用や理解に差があるため、事例の共有や調整も行います。戸籍回復までには時間がかかることもありますが、その間の住民票・保険・支援制度への接続を急ぎ、日常の困りごとを少しずつ解いていきます。相談者の方の選択を尊重し、途中で立ち止まりそうな時も、情報の翻訳と選択肢の提示を続けます。
無戸籍支援の活動団体に無戸籍者がつながる道筋が増えることは、何より命を守れる導線が増えることだと思います。いつ途絶えることになるのか予測もつかない今日の糧、明日のライフライン、様々なその日暮らしを強いられる中、どんなに苦しくても自分の命を諦めきれません。『誰か助けて』の声を一つでも掴めるような啓蒙活動を続けることも大切な活動です。最優先は生きること。それから受けるはずだった人間としての権利を、一緒に取り戻す伴走支援をしています。
無戸籍者がなぜ存在するのか?
戸籍が無い人「無戸籍者」という立場の人はどうして存在するのでしょうか?
何らかの理由で出生届を出されなかったためとが一番多い理由です。
・300日問題で出生届を躊躇する場合
・DV被害で避難中の出産で居場所を知られることを恐れる、
・望まない妊娠で病院に行かず自宅出産
などが出生届を出されなかった理由にあります。
その他の無戸籍(無国籍)の理由
・出生後母親の母国に出生届が出されていない
・戦争被害者(満州からの帰国者の登録漏れなど)
・人身売買被害(強制労働の為密航させられるなど)
マイナンバー制度の施行にともない無戸籍の人が想定よりも多数存在することが明らかとなり、問題となっています。
戸籍が無い事でどのような問題が発生するのか?
戸籍が無いことで日常生活に大変な不便を強いられることになります。
・病院へ行けない
・進学できない
・銀行口座を作れない
・クレジットカードを作れない
・就労できない
マイナンバー制度が施行されたことにより、最後の「就労できない」という問題が出てきました。
今までは、現金手渡しで生活出来ていた人が、職場からマイナンバーの提出をもとめられても応じられず、職場に行きにくくなり、収入の道を断たれてしまうということもあります。
どうやら自分は戸籍が無いらしい、と気がついた人が役所へ行くとします。
しかし身分を証明するものがないため、交渉は困難です。
戸籍がない人へのパンフレットはありますが、それが活用できる該当者は
生まれた病院、親、が特定できる人に限られています。
それ以外の方は法テラスを紹介され高額な弁護士費用を支払うことになります。
私たちは、実際に無戸籍の方を支援した経験を生かし、戸籍の取得をお手伝いします。
身分証が無くてもご本人のルーツからあなたが生活している証拠を集め各窓口に交渉していきます。
ご支援の使い道
NPO法人無戸籍の人を支援する会は、皆さまからのご支援で成り立っています。
これまで出張費用・啓蒙活動のチラシ代はすべてスタッフの自費で賄っていましたが、
相談件数が増え、すべてを賄うことが難しくなってきました。
ボランティアスタッフさんの交通費もボランティアさん負担です。
皆さまからのご寄付は、主に出張費用、裁判費用、DNA鑑定、啓蒙活動、ボランティアの交通費として使用させて頂きます。
どうしていいか悩み、役所へ相談に行くも追い返されるようにたらいまわしされ、
尋問のように何度も同じ事の質問攻め、これは一人では到底闘うことのできない事態です。
ご寄付で、一人でも多くの無戸籍の方に直接お会いして伴走して支援することができます。
最後まであきらめずに、行けないと思い込んでいた病院、学校の問題、受けれないと思い込んでいた行政サービスなどの問題をを解決し
本人の希望があればその先の身分を作る戸籍取得、
またその後の生活の見守りなど最後まで支援を続けていけます。
義務教育を受けれていない方に夜間中学の推奨、
行政の就学支援への橋渡し、団体生活が出来る生活支援への手続きなどもその範囲です。
母親が外国人であるが故の無国籍問題や、
戦争被害者、人身売買被害者の支援なども一緒に生きる伴走をしています。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
戸籍が無いことで日常生活に大変な不便を強いられる人たちをこれからも手助けしていくため、皆さまからの温かいご支援をお待ちしております。



