Sunda Technology Globalについて

はじめまして。アフリカの水問題解決を目指すスタートアップ、株式会社Sunda Technology Global代表の坪井彩です。2018年にJICA海外協力隊としてウガンダで活動をしたことをきっかけに、帰国した2年後の2020年に、前職のPanasonicを退職して会社を立ち上げました。
SUNDAとは英語の「Pump」を指すウガンダの言葉で、「Pump up Water, pump up Africa=水を汲み上げ、アフリカを元気に!」の意味を込めて、現地のメンバーと一緒に名づけました。
みなさんのイメージ通りアフリカをはじめとする途上国はSDGsで解決すべきとされている「清潔な水へのアクセス」や「若者の失業」をはじめとする社会課題がまだまだ多く残っています。
過去20年以上、多くの援助を受けてきたはずなのに、なぜ未だにこんな状況なのか。
現場で見たのは、援助によって設置されたが、壊れたまま放置されているハンドポンプ式井戸の数々、本来住民で担うべき修理が行われずいつ来るか分からない援助に頼らなければならない人々の姿でした。
その根本的な原因は、ハンドポンプ修理のための料金を住民がうまく集金、積み立てできていないことです。そこで、モバイルマネーを用いた水料金管理システム「SUNDA」を開発しました。
SUNDAを通してアフリカの人々の生活を大きく変えることが、私自身の人生初めての「夢」であるとともに、一緒に活動しているメンバー、住民、政府関係者などみんなの夢でもあります。これをなんとか実現したく、皆さまのお力を貸していただければ幸いです。
安全な水を手に入れられないウガンダの人たち
協力隊として村々を訪れた時、壊れたまま放置されている井戸の多さにとても驚きました。井戸が壊れてしまっている村では、子どもや女性たちが、野生動物も使うような溜池に水を汲みにいっていました。非常に不清潔な水であるため下痢が蔓延しており、特に子どもの場合は生死にも関わる深刻な状態になることもあるようでした。


実際、井戸のような安全な水にアクセス出来る人はウガンダ農村部では67%となっています。状況は10年前と比べ改善されていません。
援助のお金が無駄に...なぜ使えない井戸が放置されるのか
これまで莫大な額の援助を受け井戸が設置されてきましたが、多くの井戸が壊れてしまっていて、援助のお金が無駄になっています。
現在、ウガンダには6万基以上の井戸があるものの、そのうち1万基以上が壊れています。また、統計上「稼働している」とされている井戸も、実際は一度壊れてから修理までに数か月という長い時間がかかってしまっており、周辺ではその間、水に苦しむ生活が送られていました。
井戸の設置後、壊れた際に修理をするのは利用する住民の役割です。しかし、ハンドポンプが壊れたときに、修理をするための費用が、住民の中で十分に準備されていないことが多いのです。

各村では住民の代表が各世帯から毎月定額で料金を回収しようとしますが、回収者が不正をしてしまったり、定額料金に対する不公平感などから、なかなかうまく集まりません。
このように、設置後の井戸の維持管理がしっかりされていないことが、安全な水にアクセスできない人が未だ存在している主な要因であるとわかりました。この問題を根本から解決するために立ち上げたのが、「SUNDAシステム」です。

住民がハンドポンプを直せる仕組み”SUNDA”を構築
SUNDAシステムは、水量スマートメーターとオンライン決済システムを組合せ、従量課金制で料金を回収できる仕組みを構築したものです。
これまで問題となっていた料金回収の問題に対して、SUNDA を設置することで、料金回収が継続的に確実に実施できるようになります。
ウガンダでは、農村部でも携帯電話は普及しており、皆さんモバイルマネーは使い慣れています。SUNDAを導入しているハンドポンプの利用者は、モバイル上に決めた金額をデポジットすることで、水を汲んだ分だけ残高から差し引かれます。
プロダクトの詳細はホームページにも掲載しています。

SUNDAが住民に受け入れられるポイント
①「月額定額」→「従量課金型」(使う分だけ支払う)で公平な支払いが可能
雨季、乾季などの時期や、利用世帯ごとの水利用量の違いに対応する必要がなく、不公平感も生まれません。また、不払い状態での水利用もなくせます。
②不正リスクと不正への懸念を払拭
現金回収の場合、持ち逃げができてしまっていましたが、モバイルマネーは持ち逃げができないため、住民は不正の心配をせず、安心して支払えます。
③料金回収の自動化で、回収の苦労から解放
上記理由により、これまでの料金回収方法では水利用者が支払いを拒むので、回収者にとってお願い回りは容易ではありませんでした。自動回収が可能になり、辛い回収業務がなくなります。
SUNDA導入の成果と村人の喜びの声
協力隊活動中の2018年、共同創業者のウガンダ人エンジニア2名とSUNDAの開発を始め、2019年1月の協力隊帰国直前に1台のプロトタイプを設置しました。
以降、機器の改善を重ね、2020年以降、JICAの技術協力プロジェクトにてSUNDAを導入し、検証を行いました。その結果、SUNDA が導入されたコミュニティでは導入しなかったコミュニティより、2倍以上の料金回収が確認でき、それが井戸の維持管理に十分な額であることが分かりました。
公共水栓へのSUNDA導入による新たな挑戦(2025年)
またウガンダでは、地域の水の拠点である公共水栓が4万基以上にのぼり、特に都市部や郊外での設置が広がり始めています。
公共水栓では、住民は必要な分の水を汲む際に、管理人へ現金で利用料を支払います。しかし、この管理人は公共水栓の所有者とは別の人物であることが多く、集金したお金を誤って、あるいは意図的に少なく報告してしまうケースが少なくありません。
その結果、所有者は実際の水利用量に見合わない少ない金額で公共水栓を維持・管理せざるを得ず、修理費用が足りずに稼働が止まってしまうこともあります。こうした事態が続くと、周辺の住民たちは安全な水へのアクセスを失ってしまうのです。これらの理由から、安全な水にアクセス出来る人はウガンダ都市部では57%となっています。

この現実に向き合うため、私たちはハンドポンプ向けのSUNDAに加えて、新たに「公共水栓用SUNDA」を開発しました。公共水栓の設置は今後ますます進むと予想されており、この分野でもSUNDAができること、そしてやるべきことがたくさんあります。今後さらに多くの人に、より公平な形で水を届けていきます。
SUNDAアンバサダー募集の背景
現在、約300基のSUNDAがウガンダに設置され、9万人以上の住民がSUNDAを通して安全な水を安定的に得られる生活が送れるようになりました。しかし、安全な水に安定的にアクセスできない方はまだまだ多くいます。この解決を加速させる方法をいろいろと模索しています。その一つとして、アンバサダーを募集しています。
SUNDA設置のためにはSUNDAユニットの製造コストや設置作業のコストがかかりますが、アフリカの住民が負担できないケースが多いです。そのため、アフリカ各国の政府機関、国を支援する国際機関とプロジェクトを立ち上げ、SUNDAユニットを購入してもらいます。ただ、プロジェクトの対象外の地域でもSUNDAの要望があがる村もありますので、そういった村にもSUNDA設置していきたいと思っています。
みなさまのご支援によって、国や援助機関の手が届かない地域にもSUNDAを設置できるようになります。また、SUNDAが先行して導入されることで、やがて大きなプロジェクトや政府支援につながる可能性も広がります。
SUNDAアンバサダーとして、アフリカの村々に安全な水を届ける仲間になっていただけませんか。お一人おひとりからのご支援が、確実に次の村のSUNDA設置へとつながります。


<新たに目標を300人とした理由>
活動を始めた当初、私たちには大きなプロジェクトを動かすだけの資金も、現地の体制も十分ではありませんでした。そこで、まずは100名のアンバサダーの皆さまとともに活動を進め、仕組みを整えながら一歩ずつ確かな成果を積み重ねてきました。
約1年半の歩みを経て、現地チームの運営、生産体制が強化され、より多くの地域へ拡大する準備が整いました。さらに、これまでのアンバサダーでの活動も経て、こちらから村を探さなくても、ウガンダ各地から「次は自分たちの村にもSUNDAを導入してほしい」という声が自然と届くようになりました。
こうした現地からの強い要望と、拡大の準備が整った今、新たな目標として300人のアンバサダーを掲げます。この人数が集まれば、月に数基のSUNDAを設置でき、このペースで進めば毎月1,000人以上が安全な水へ安定的にアクセスできるようになります。
100人の皆さまの力が築いたこの基盤をもとに、次の200人の仲間として、共に新しい一歩を踏み出していただけないでしょうか。
SUNDAアンバサダーの内容
アンバサダーから頂いた金額は、全額SUNDAの設置、水設備のアップグレードに関わる費用に使わせていただきます。具体的には、従来のハンドポンプ用SUNDA設置に加え、都市部、郊外でも普及の進んでいる公共水栓用のSUNDA設置、そしてハンドポンプから公共水栓へのアップグレードに利用させていただきます。(アップグレードにつきましては、1年に1回程度を目標としております。)300人のアンバサダーが集まった場合、1年間で約30基の設置が出来ます。また1基あたり300人から大きな村では1000人を超える方がSUNDAを通して継続的に安全な水にアクセスできるようになります。
SUNDAの設置にかかる費用
●ハンドポンプ用SUNDA設置 1500ドル程度・ハンドポンプ井戸アセスメント、住民啓発費用
・ハンドポンプ用SUNDAユニット代
・ハンドポンプ修理費用 ※必要に応じて●公共水栓用SUNDA設置 2000ドル程度
・設置場所のアセスメント、住民啓発費用
・公共水栓用SUNDAユニット代
・コンクリートエプロン(水のこぼれや泥を防ぐために水栓周りを舗装した部分)※必要に応じて●ハンドポンプから公共水栓へのアップグレード 7000ドル程度
・電動ポンプ
・貯水タンク
・貯水タンク台座
・公共水栓用SUNDAユニット代
・そのほか電気配線、配管工事など※実際の費用は設置場所や設置場所の環境などにより毎回異なります。
SUNDAアンバサダーの皆様には、定期的な活動レポートをお送りいたします。さらに、現地の井戸修理やSUNDA設置などの作業風景のライブ配信も行います。アーカイブはアンバサダー限定で公開します。
この機会に、私たちのことやアフリカ、水問題などについて理解を深めていただければ幸いです。また、アンバサダーの皆様からは積極的なご意見などもいただけますととてもうれしいです。
長年の水問題の根本解決へ。覚悟を持って事業を進めます。
水問題は、過去何十年と解決されてきませんでした。未だに問題が残ってしまっているのは、海外からの援助や国が設置した設備が維持管理されず、有効活用されてこなかったことが大きな理由の一つです。
今、これを進めなければ一生解決されず、アフリカ農村部の方々の生活は変わりません。ウガンダの地方都市でも一部水道の普及が始まっていますが、ウガンダの農村部に住むハンドポンプを使っているような一番社会的に弱い立場の方は、不清潔な水を飲み続けるしかないのが現状です。
援助だけでは限界があり、住民の力で設置された設備を継続的に維持管理していくために「サービス」が必要です。みなさんの想像通り非常に難易度が高いビジネスであるため、これまで誰もやってきていません。だからといって、多くの方が困っている課題をそのまま放置したくありません。
私たちはこの事業にチャレンジし、ウガンダ全土、更にアフリカ各国の水問題を解決したいと思っています。
ウガンダは平均年齢が16才という国で、村で活動していると、優秀で信頼できる若者が多くいます。彼ら彼女たちがちゃんと働いて、収入も得て、よい生活を送れるようにしたいです。
アンバサダーという形で応援いただくことで、私たちと一緒に、ウガンダの衛生環境に貢献する体験や、事業が広がっていく喜びや、時には挫折や苦悩を味わいながら、共に事業を作っていただけませんか?ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。


