茨城県内の空き家
近年、人口減少、少子高齢化により空き家が増え続けています。総務省統計局「住宅・土地統計調査」によると、2018年の全国の空き家の数は、846万戸。住宅総数に占める割合(空き家率)は13.6%と過去最高を記録しました。
茨城県は、総務省統計局「住宅・土地統計調査2018年」によると、空き家は、19万7,200戸、空き家率は14.8%に達し、全国を上回って推移しています。住宅総数は132万8,900戸である一方、総世帯数は約113万4,800世帯となっています。住宅総数と総世帯数の差は年々拡大しており、さらに多くの空き家の発生が見込まれます。
茨城県北中山間地域の空き家状況
「住宅・土地統計調査2013年」によると、県北の中山間地域の空き家率は、大子町をのぞき、県平均(2013年:14.7%)よりも低いものの、空き家の大部分を「その他の住宅」(本来個人の居住用であるものの何らかの理由で居住者がいない住宅)を占めています。この「その他の住宅空き家率」は、全国平均の5.3%、県平均の5.3%を大きく上回っています。
【空き家率】全国平均13.5% 県平均14.6%
常陸太田市:10.4% 常陸大宮市:14.2% 那珂市:10.8% 大子町:15.2%
【その他の空き家率】全国平均5.3% 県平均5.3%
常陸太田市:7.9% 常陸大宮市:8.7% 那珂市:5.3% 大子町:11.7%
要因は、高齢化率が30%を超えている市町村が多く、ひとり暮らし高齢者の割合も高いことにある。行政関係者によると、高齢者の死亡や介護施設等への入居のタイミングで空き家が発生することが多く、また、山間部に限らず市街地にも多くなっています。
(常陽産業研究所 県内の空き家対策の現状と課題 調査結果より引用)
空き家対策の取り組み
管理不全な空き家が防災、防犯、衛生、景観などで問題を生じさせ、地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼすとともに、住みづらい環境から転出・転居者の増加などから、地域の活力低下が懸念されています。今後も、既存建物の老朽化、少子化や晩婚化などのライフスタイルの変化、高齢者単独世帯数の増加等により空き家のさらなる増加が予想されます。
2015年(H27)5月に完全施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」をもとに、全国の市町村では、空き家への対策がすすめられていますが、さまざまな問題からまだ思うように空き家の掘り起こしが進んでいないのが現状のようです。
しかし、空き家に住みたい・活用活したいという潜在的なユーザーや事業者は多く、地域の空き家を見える化し利活用可能な状態へ昇華させることが求められています。
主な活動内容と将来の展望
【主な活動内容】
①空き家に関する相談・支援を行い利活用を進めます。
セミナー(テーマ:空き家の現状、相続、終活など)とセットで相談会を定期的に行い、適正な管理、利活用の啓発を行いつつ、相談窓口へのスムーズな流れを構築します。また、専門家と連携した空き家のワンストップ相談窓口を設置し、「どうしたらよいのかわからない」「どこに相談したらよいのかわからない」所有者が安心して相談できる環境を提供します。空き家所有者が利活用する上で抱える問題は、相続や建築基準法、農地法、登記など多岐に渡ることが多く状況は相談者によって違うため、相談内容に応じ、各連携協力先(行政・自治会・専門家など)と連携し、「空き家バンク」への登録促進や地域に合わせた利用可能な制度の発信などにより、利活用を図り、地域活性化を目指します。
②空き家に関する情報を収集・提供し発生抑制につなげます。
Webサイト、SNSを利用し啓蒙活動を行います。そのほか、地域全体における問題意識の共有化や、空き家所有者(将来的に空き家を所有する方 含む)に対する啓発活動を行います。また、役所担当窓口、地元自治会、地域包括センター、福祉施設などとの連携により、発見されていない空き家(予備軍含め)の掘り起こしを行い、空き家になる前の事前相談を促し、権利関係や登記、相続について早めの対策を提案し空き家の発生を抑制します。
③空き家の維持・管理を行い適正管理を支援します。
管理不全な空き家が防災、防犯、衛生、景観などで問題を生じさせ、地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼすとともに、地域の活力低下が懸念されています。
所有者自身も、近隣への迷惑などを考え、管理が必要であるとは認識し自身で管理を続けている方もいます。また、認識しながらも距離・費用・労力・心情的・介護施設への入所などの理由で管理ができない状況にある方や利活用予定が無い空き家の管理費は、無駄になるという考えを持つ方など、さまざまです。
空き家は、適正に管理されず放置しつづけると、いざ活用しようとした時に、大きな修繕費が必要となることがあります。適正管理する動機づけを強めるためにも、所有者の管理責任を認識してもらうとともに、賃貸・売買・解体・リフォームなど所有者の意向に合わせた活用が実現可能となるよう、空き家適正管理の支援を行います。
【将来の展望】
①多拠点化
1.安心して、相談したいときに相談できる環境を整えるため
2.地元密着型の団体として継続した活動を行うため
3.自治会活動拡大のため に、拠点を多くしたいと考えています。
②多角化
多拠点において、当事業所にカフェを併設、シェアキッチンを設置するなど、子供から大人まで誰でも自由に利用できる施設とし、地元コミュニティーが生まれる場所の提供や、イベントを開催し多世代交流を促進したいです。
③行政との連携
所有者の意向のみならず、自治体の計画するマスタープランや総合計画を踏まえた地域社会のビジョンに即した提案を行い、活用を促すことで、行政と連携し住みよい町づくりへ貢献したいと考えています。
ご支援の使い道
皆さまより頂いた寄付は、
・1人でも多くの方の支援を行うため開催するセミナー及び相談会実施のための施設利用料、専門家への登壇料
・ボランティアの皆さまが安心安全に活動するための、ボランティア保険料、機械、暑さ対策グッズ、昼食代・交通費
・いつでも相談できる相談窓口の環境整備のため、お借りしている事務所の賃借料やオンラインで相談可能な環境整備費
・安定した情報をお届けするためのWebの更新費用や資料作成費
に活用させていただきます。どうぞ、ご協力をよろしくお願いします。
ミッションとビジョン
【ミッション】
空き家に関するすべての方の支援を行い、地域の活性化と地域住民の不安解消、および、ふるさとの景観保全を目指す
【ビジョン】
未来のこどもたちが誇れるふるさとに
【代表より】
わたしは、3人の子供を育てをしながら普段は建設会社で働いています。2033年、空き家が3軒に1軒になると予想されており、子どもたちが大人になったとき、放置された空き家が立ち並ぶようなふるさとを誇ってくれるだろうか、そう考え、未来の子供たちが誇れるふるさとにしたい、そう強く思うようになりました。
人口減少に伴う社会へ与える影響は多岐に渡ります。問題が山積して何から手をつけていいか分からなくなるほどです。でも、「それは行政の仕事」「誰かがやってくれるだろう」と他人任せにし、いつ起こるか分からない変化をただ待つよりも、子を持つ親として、一人ひとりができることを始める時期なのではないか、人口減少に伴う社会問題への解決活動はまったなしなのでは、そう、考えるようになりました。
設立準備中、当事業に対して前向きな反応や支援の声をいただき、1人では、到底成し遂げられない社会問題であるとしても、同じ思いを持つ人が1人でも多く集まれば、自分ごととして捉える範囲をひとり1人がちょっとずつ広げていけたら、何かが変わるかもしれない、変えられるかもしれない、そう感じるようになりました。
団体概要
法人名 特定非営利活動法人 ふるさと空き家相談・サポート
代表者 古谷 まち子(ふるたに まちこ)
設立日 2019年11月22日
所在地 〒310-0063 茨城県水戸市五軒町2-2-7
T E L 029-291-6363
F A X 029-225-1148
W E B http://e-support.or.jp/index.html