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アフリカゾウの涙とは
みなさん、ジャンボ(こんにちは)。滝田明日香と山脇愛理です。
いつもアフリカゾウの涙を応援してくださりありがとうございます。
私たちは二人ともアフリカ育ちで働きながら子育て真っ最中の母親ですが、
2012年に1年間で10%のアフリカゾウが殺された時に、
このままでは子供たちが大人になる頃にはゾウがアフリカの大地で
見られなくなってしまうことに気づきました。
その時同じ焦りを感じ、アフリカ育ちの日本人である私たちだからこそ、
実態を変えられるのでは!という想いからアフリカゾウの涙をはじめました。
ケニアではゾウと野生動物を守り人との共生を目標に、
日本では象牙の消費をなくし、密猟を根源から解決してていくことを目標に
仲間と共に活動してきました。
今世界はすでに象牙の販売を次々に禁止し、統一して象牙を使わないことで
アフリカゾウを守ろうというムーブメントが広がっています。
このまま日本が孤立して象牙を使う唯一の国にならないよう、
日本も象牙卒業に向けて消費者理解を広めていきたいです。
アフリカゾウと人と森の共生をビジョンとして
ケニアだけではなく、地球規模で目指しています。
今までもずっと大勢の方に支えられて、色んなことを実現させてきました。
どうかこれからも一緒にアフリカゾウと野生動物を守ってください。
応援宜しくお願いします!
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アフリカゾウの涙の取り組み
アフリカゾウの生息国で
課題1 密猟
密猟者はふたつの目的でゾウ、サイ、その他の野生動物を殺します。ひとつは、肉や皮を食べたり売ったりするため。そしてもうひとつは、牙やツノを採取するためです。象牙や犀角は違法マーケットで高く売れ簡単に現金化できるため、テロや犯罪組織の現金収入として、そし郡資金として利用されます。
密猟者は違法の銃器を用いて動物を殺します。密猟の準備の段階で周辺の村に持ち込んで茂みや地中に隠したり、または車両に隠して保護区地域に持ち込んだりします。また密猟した後に、収穫した象牙や犀角、使った武器を全て運び出さず、周辺の村に身を潜め、運び出しやすいタイミングを計ることもあります。
取り組み1
マサイマラでは、すでに犯行現場から密猟者を追跡して捕まえるための追跡犬を滝田が導入しています。その部隊とは別の役割として、探知犬を2013年に導入しました。アメリカで訓練を受けたラブラドールは、ケニアに訓練士と共に来て、厳しい訓練をハンドラーと毎日しながら周辺の村や地域を出入りする車両に隠された銃器(銃や手榴弾など)や象牙などを見つけるのに活躍しています。
探知犬と追跡犬がハンドラーたちと共に持続的に活躍するためには、資金が必要です。犬たちの食費、医療費や機材、そして犬だけでは活躍できません。犬のパートナーであるハンドラーのユニフォームや給料、車両部のコストなど、犬一頭入れるために多くの運営費がかかっています。そのための資金集めをし、導入した犬たちが滝田の指導のもと活躍できるように資金集めをしています。
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課題2 コミュニティー
メイズ(とうもろこし)はアフリカの広範囲で主食とされていますが、ゾウの好む食べ物でもあります。野生動物保護区付近の村やゾウの移動ルートにある村のメイズ畑では1年の収穫を一晩で食い荒らされることもあり、村民にとって深刻な問題になっています。そのためゾウに対して害獣意識が強く、密猟に加担する村民さえいます。付近の村民が遊牧から定住へとライフスタイルを変化させたこともあり、昔はなかった新たな問題として深刻化しています。
村とマサイマラ野生動物保護区との境界線沿いに位置するニャクエリという森は、昔から地元のマサイにとって神聖な森であり、ゾウにとっても住処や出産場所、食糧庫となる大切な森です。しかしライフスタイルが変化し現金収入が必要になったマサイはいま、この森を伐採し木炭を作って収入にしています。この森は野生動物にとって大切な生息地域であり、また地元の村民にとっても重要な森ですが、現金のために森林伐採が加速して大きな問題になっています。
取り組み2
ゾウはミツバチを本能的に嫌がり(King, L. 2010, 2011, 2014)、避ける行動に出ることが研究結果から判明しています。その研究から蜂箱を畑の周辺にフェンスの様に設置するアイディアが生まれました。また、蜂は森の木々の花の蜜が必要なので、森林保護意識向上にもつながります。アフリカゾウの涙は対象地域の村民に蜂箱をレンタルし、養蜂技術を伝えるプロジェクトを行っています。いずれはそれぞれが自立した養蜂家になり、森林伐採をしなくてもはちみつから収入が得られることを目標としています。
村民のモチベーションを維持するため、養蜂プロジェクトの他にも森の再利用プロジェクトを始めようと村民たちと話し合い、スタートしました。それは森の床どこに生えている木の苗を活用したミクロビジネスです。これらの苗のほとんどは木になる前に踏みつぶされたり食べられたりして成長できません。村民は苗の目利きができるので、それらの苗を森から収穫し、少し大きくなるまで育てて町で売る、または地元の小学校と共に植林をして森を再生していく、という二つの取り組みをはじめました。
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象牙の消費国日本で
課題1 日本の象牙市場は世界最大級
1980年代、アフリカゾウが半減した時、その67%を象牙大国日本が消費しました。日本のような消費国からゾウを守るために1989年に国際取引が禁止されました。80年代と比較すると象牙の消費は減りましたが、中国が国内販売を禁止し、各国次々に止めている中、現在日本の象牙市場は再び世界一です。年間2万頭以上のアフリカゾウが象牙のために殺されています。日本では80%がハンコとして今でも何気なく消費されています。象牙需要によって野生のアフリカゾウの牙に金銭価値が付き、密猟のターゲットにされます。また現在は象牙の国際取引が禁止されているため、密猟された象牙は違法に取引されることになります。違法と合法の象牙の見分けがし辛い他、テロや犯罪組織、政府の汚職が絡んでいたり複雑な社会問題になっています。また合法マーケットがある限り、違法マーケットのカモフラージュになるので、違法取引もなくなりません。象牙の流通を取り締まるのは困難なため、2016年のワシントン条約締約国会議以降、世界では象牙の販売を禁止する動きが広がっています。現在海外で象牙が購入できる国が減っているため、日本の様な販売国に買い付けに来て違法に持ち帰る旅行者もいることが問題視されています。
取り組み1啓蒙活動
「象牙って日本はもう使ってないよね?」「一番象牙を使っているのは中国でしょ?」「日本は合法だから大丈夫だよね?」と良く聞かれます。世界やアフリカのゾウや象牙の実態を知ってもらうことを目標に一般消費者に向けて展示やワークショップなどのイベントや取材協力やSNS発信などメディア活動を行っています。
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取り組み2 NO IVORY GENERATION
また象牙を必要としない世代を作るために、2015年にNHK出版で小学生向けの絵本「牙なしゾウのレマ」を出版しました。プロの声優さんの協力のもと、その絵本の読み聞かせやワークショップを通して、子供向けの野生動物と環境に関する教育プログラムを行っています。
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取り組み3 グローバルマーチ・ゾウとサイの日
アフリカゾウの涙はグローバルマーチの日本実行委員をしています。海外でのグローバルマーチは消費国の大使館の外で行うデモ体質のイベントですが、日本ではそのような「反対運動」ではなく、他の団体と協力し楽しいファミリー向けのイベントとして上野公園で毎年開催しています。
サイプロジェクト
課題
サイの角はダイヤモンドを上回るほどの高値で取引されています。なぜかというと、中国やベトナムではサイ角が健康増進からガン治療までさまざまな効能のある万能薬であると信じられているからです(サイ角は科学的には薬効はありません)。近年これらの国の経済発展により富裕層が増え、さらにサイ角の需要が増加しています。またそれによりサイ角が富裕層のステータスシンボルとなり、さらに密猟が進む悪循環となっています。
ゾウの場合もそうですが、密猟の方法はとても残酷です。高値で売れる角は少しでも取り残しがないように、神経のない角の部分だけを切り落とすのではなく、顔の一部をえぐり取り根元から角を奪います。このときサイは見動きができない状態にされていますが、まだ生きている場合が少なくありません。
取り組み1 VIETNAM SAVES RHINOS
サイ角が高値で密売されるのは多くの需要があるからです。サイの密猟を止めるためには、サイの角の需要をなくさなければなりません。
そこで私達は、サイ角の最大消費国ベトナムでのサイ角使用が根絶され、サイが絶滅危機から救われることを願い、サイ保護のためのキャンペーンを”Vietnam Saves Rhinos” と名付けました。2016年には、ベトナムのハノイでサイ保護イベントを開催し、現地の若い世代に、ベトナムでのサイ角使用ストップの必要性を伝えました。今後もベトナム人にメッセージを届けられるようアプローチしていきます。
取り組み2 ORIGAMI千頭犀
日本では、病気回復や長寿などを願って折り鶴を作る習慣があります。日本の折り紙は、”Origami”という共通語になるほど世界でよく知られています。そこで、サイが密猟されずに寿命を全うできることを願ってサイの折り紙を作り続け、日本らしい方法でサイ保護のメッセージを世界に発信しようと考えました。それが、千羽鶴ならぬ「千頭犀プロジェクト」です。SNSに折り紙の写真を投稿したり、イベントで皆さまと一緒にサイの折り紙を作ったりしています。また動物園で、1年間のサイ密猟数である千頭余りの折り紙サイを一堂に並べて展示、見る人にサイの密猟がいかに多いかを実感してもらい、密猟問題の深刻さを伝えています。
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ご支援の使い道
アフリカゾウの涙のケニアと日本の取り組みは、皆さまのご支援で成り立っています。
日本とケニア両方での活動の継続性と需要に基づいての拡大のため、皆様からのご寄付は本団体の運用とプロジェクト資金として大切に使用させていただきます。
未来の地球にアフリカゾウを残し、人と自然の共生に向けて、
皆さまのあたたかいご支援、よろしくお願い申し上げます。
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