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2007年度~2011年度に高木基金の助成を受けて、沖縄のジュゴンの生息環境に関する市民調査に取り組んだ、「北限のジュゴンを見守る会」の鈴木雅子さんから応援のメッセージをいただきました。(今回のクラウドファンディングのトップ画像の右側が、ジュゴンが生息する海域での海草調査の写真です。)
北限のジュゴンを見守る会の助成研究の概要はこちらからご覧いただけます。
2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度
沖縄に絶滅してしまった海の哺乳類ジュゴンが生き残っていた!という衝撃的ニュースに当時、自然保護運動のただ中にいた私は大きな喜びの中にいました。しかし、その喜びはすぐに大きな落胆に変わり、深い悩みの中にいました。
国の生物多様性を守るべき環境省からも、大手自然保護NGOからも沖縄のジュゴンには背中に米軍基地問題が張り付いているので、手を出せないと言われました。それでもこの国の生物多様性に豊かさを失いたくないと願う周囲の研究者や市民の応援を受けて、1999年に、日本で初めての野生のジュゴンの保護グループ「北限のジュゴンを見守る会」を立ち上げました。すべてが日米安保条約の元でしか語られない沖縄のジュゴンを純粋に科学的に保護する方法を懸命に探した時に出会った「高木基金」、すべてが市民の手作りの調査を長年に渡り支えてくれました。高木基金の援助がなかったら、市民による細々とした痕跡記録(海草に残されたジュゴンの食みあと)は存在せず、沖縄のジュゴンはその存在を証明する事が出来なかったでしょう。市民の粘り強い活動が辛うじて沖縄県も保全の方向性に向き始めようとしています。
現状、沖縄の基地問題、政治的課題は更に混迷を深めていますが、野生のジュゴンはしぶとく生き延びて、再び私たちの周囲に姿や痕跡を残ししてくれています。
そのエネルギーに私たち人間も応えてたいと願っています。
いのちはあきらめない!未来もあきらめない!
高木基金の更なる発展を心から応援しています。
北限のジュゴンを見守る会 代表
北限のジュゴン調査チーム・ザン 鈴木雅子