高木仁三郎市民科学基金(高木基金)は、在野の立場から核・原子力問題への専門的批判に力を尽くした核化学者、高木仁三郎(1938-2000)の遺志に基づいて設立されたNPO法人です。現代の科学技術は、私たちに様々な利便性を与えた一方で、市民社会や地球環境の脅威となっているような課題も少なくありません。高木基金は、その解明と解決を目指す調査研究活動を、市民から寄せられた寄付を財源として助成する「市民ファンド」です。私たちは今回のクラウドファンディングを通じて、高木基金の活動についてより多くの方に知っていただき、仲間になっていただきたいと考えました。高木基金は、困難な問題の現場で調査研究に取り組む助成先のみなさんと、その財源を支えてくださる寄付者のみなさんとがつながり、交流する中で、問題解決への道を見いだすことを目指しています。ぜひあなたのお力を貸してください。
2022-09-13 19:08
鮎川ゆりかさんから応援メッセージをいただきました。

鮎川さんは、千葉商科大学では気候変動対策やエネルギー政策を研究しておられましたが、元々は原子力資料情報室の国際担当として高木仁三郎さんとともに活動され、その後はWWFのスタッフとして気候変動問題に関わる国際交渉や、政府・産業界への政策提言活動にも取り組んでこられた方です。(事務局長 菅波 完)
高木仁三郎市民科学基金に期待すること 鮎川ゆりか
日本のシンクタンクでは、政府の方針と異なる結論を導く研究は、なかなかできない。彼らは政府系の委託研究を受けられなくなることを恐れているからだ。
そのためWWF(世界自然保護基金)で気候変動の政策提言を仕事としてやっている時、本部から資金を得られても、第三者的に研究を行ってくれる専門家を見つけるのに大変苦労した。最初は海外のシンクタンクに依頼する始末であった。
高木基金はその観点から、日本で初めて市民向けの独立した研究のできる資金を提供してくれる貴重なファンドである。基金を設立した高木仁三郎さんが亡くなられて早22年である。高木さんの夢であった、そうした「市民科学者」を育てることのための「高木基金」を存続させ、さらに大きく育てていきたい。これは日本の政策決定の場面に第三者的観点をもたらすためであり、市民の意見がきちんと政策に反映されるよう、そうした研究の支援をすることは重要である。
そのためにも、今回のクラウドファンディングが、多くの方の賛同で、目標額1000万円を達成できるよう、ご協力をお願いします。