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高木基金では、「市民科学」にふさわしい助成先を選考するために、国内枠助成の最終選考で公開プレゼンテーションを実施しています。公開プレゼンテーションでは、高木基金の役員だけでなく、一般の方も参加する場で、書類選考を通過した助成応募者に、調査研究計画を発表していただき、質疑応答を行います。最終的な助成先、助成金額は、高木基金の理事会で決定しますが、公開プレゼンテーションでの発表・質疑応答の内容を重視して判断します。
公開プレゼンテーションは、助成選考の場であるとともに、助成応募者同士が情報交換をしたり、高木基金の役員と個人的な議論をしたりする機会としても、重要な役割をはたしてきました。
ここ数年は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、2020年度は公開プレゼンテーションを中止し、2021年度はオンラインのみで実施するなどの対応を迫られました。今年7月30日に開催した2022年度助成の公開プレゼンテーションでは、会場参加とオンラインの併用としました。かつてのような交流・意見交換の場としては、十分なものではありませんでしたが、限られた人数とはいえ、実際に顔を合わせて議論することの大切さをあらためて感じました。
公開プレゼンテーション終了後に、理事会で決定した助成先は以下の通りです。助成先のお名前のところをクリックすると、高木基金のウェブサイトに掲載している助成研究の概要がご覧いただけます。
公開プレゼンテーションに限らず、高木基金の助成事業(特に国内枠助成)においては、助成先のみなさんの調査研究の状況や、その成果を、広く一般のみなさんに共有することを重視しています。一般のみなさまからもご質問、ご意見などがありましたら、高木基金の事務局にぜひお知らせください。(高木基金 事務局長 菅波 完)
■ 2022年度国内枠助成先一覧(12件 助成合計金額550万円)
- 山室真澄さん 【助成金額:70万円】
「水道水のネオニコチノイド濃度の全国調査」 -
R.I.La尾崎美佐子さん 【40万円】
「多摩川源流域におけるマイクロプラスチック汚染調査」 -
西舘 崇さん 【40万円】
「使用済核燃料の中間貯蔵施設を巡るむつ市政20年の展開と住民運動についての研究」 -
木質バイオマス発電チェック市民会議 川端眞由美さん 【20万円】
「長野県東信地域の放射能汚染木燃焼による環境汚染を監視する」 -
沖縄京都PFAS 研究グループ 徳田安春さん 【80万円】
「沖縄県の人々における血中の残留性有機汚染物質 (PFAS)濃度とSARS-CoV2 ワクチン中和抗体価との負の関連」 -
あびらの自然を守る会 内藤圭子さん 【30万円】
「北海道庁が許可した産業廃棄物処分場計画の許可プロセスの見直しと地域環境リスク評価に関する調査研究」 -
外環振動・低周波音調査会 上田昌文さん 【50万円】
「外環道大深度工事で発生した振動・騒音・低周波音による被害の実態把握とそれへの対策に関する調査」 -
JVC南スーダンチーム 今井高樹さん 【50万円】
「南スーダンの石油施設による汚染の住民影響調査」 -
いわき放射能市民測定室たらちね 鈴木 薫さん 【50万円】
「たらちね海洋調査 ~東京電力福島第一原発周辺海域における海水のトリチウム濃度の測定と記録~ ②」 -
福島老朽原発を考える会 青木一政さん 【50万円】
「福島原発事故による放射能汚染地域に住む住民の尿検査による内部被ばく実態調査」 -
たまあじさいの会 古澤省吾さん 【30万円】
「田村バイオマス発電所の稼働開始による周辺への放射性物質汚染の計測とその記録結果の拡散」 -
原子力資料情報室 高野 聡さん 【40万円】
「NUMOによる文献調査と対話の場の問題点とそれに抵抗する寿都町を中心とした北海道民の住民運動に関する研究」