高木仁三郎市民科学基金

「市民科学者」高木仁三郎の遺志を引き継ぎ希望の未来へ:高木基金2023年度助成事業への支援のお願い

img-cover
img-cover
img-cover
支援総額
8,474,412
105%
目標金額 8,000,000
ネクストゴール 9,000,000
サポーター
496
終了しました
2023年12月03日 23時59分 まで
高木仁三郎市民科学基金(高木基金)は、在野の立場から核・原子力の問題への専門的批判に力を尽くした核化学者、高木仁三郎(1938-2000)の遺志に基づいて設立されたNPO法人です。  現代の科学技術は、私たちに様々な利便性を与える一方で、市民社会や地球環境をおびやかす「負の側面」をあわせ持っています。高木基金は、そのような社会課題の解明と解決を目指す調査研究活動を、市民から寄せられた寄付を財源として助成する「市民ファンド」です。  困難な問題の現場で調査研究に取り組む助成先のみなさんと、その財源を支えてくださる寄付者のみなさんとがつながり、交流する中で、問題解決への道を見いだすことを目指しています。
2023-11-30 13:39
高木基金のアジア枠助成先を紹介いたします(その2) 【フィリピン:AGHAM】
高木基金の2023年度アジア枠の助成先のご紹介。2件目は、フィリピンのAGHAM(Advocates of Science and Technology for the People)です。

高木基金 アジア担当プログラムオフィサー 村上正子

 高木基金の2023年度助成を受けて、フィリピンのAGHAM(Advocates of Science and Technology for the People)が取り組んでいる調査研究のテーマは、「マニラ湾埋め立て事業が沿岸コミュニティに与える社会経済的・生態学的影響 」です。

 フィリピン、ルソン島中部のブラカン州では、政府による「マニラ湾総合治水・海岸防衛・高速道路プロジェクト」と、財閥・サンミゲル社による「新マニラ国際空港」の建設が進められていて、これらの大規模開発がマニラ湾とその周辺の生態系や海岸沿いの地域社会にあたえる深刻な影響が懸念されています。

■ AGHAMの調査研究の概要

 AGHAMは、地元のコミュニティ団体「AKAP  KA  マニラ湾」と協議し、特に新マニラ国際空港建設にともなう埋立てによる影響を評価しています。5月におこなったビヌアンガン村での現地調査では、マングローブ林の伐採、魚や鳥の個体数の減少、地元の漁民が生活の糧としている湖、塩田、干潟への深刻な影響が確認されました。

 現地調査に先立ち、軍隊と警察官が一般住民を装って現地に駐留しているという情報が入りました。研究者やコミュニティの安全確保のため、調査スケジュールの変更や調査結果の公表方法を再検討する必要が生じています。とはいえ、調査は完了させ、報告書とともに、被害を受ける住民や近隣コミュニティに配布するための情報・教育・キャンペーン資料を作成する予定です。

■ 高木基金からの補足:現地の過酷な社会情勢と、海外からの注目・サポートの重要性

 現在、マニラ湾での埋め立ては、マルコス政権によって、環境破壊や中国企業関与の問題を理由に一部を除き、凍結されていると報じられています。一方、9月には、高木基金が助成するAGHAMが連携する地元団体「AKAP  KA  マニラ湾」の若い女性ボランティア2人が武装した何者かに誘拐される事件が起きました。(注1)。
 幸い二人は解放されましたが、「真実を伝える必要がある」として、国軍による「誘拐」であったことを告発したうえで法的保護を訴えていますが、国軍からは偽証罪で訴えられているようです。(注2)

 このように高木基金が助成するアジアの市民科学的な調査には、身の安全をおびやかされる事例が少なくなく、国外から関心を寄せ、サポートすることがきわめて重要だと考えています。

注1 AGHAMの声明: http://agham.org/statement/sur...

注2 関連記事:Al Jazeera,“We will cut out your tongue’: Filipino activists recount kidnap ordeal,”2023年10月19日 https://www.aljazeera.com/news...

団体情報
高木仁三郎市民科学基金
団体情報
高木仁三郎市民科学基金
このページは寄付・ 会費決済サービス
コングラント」で作成されています。
このページは寄付・ 会費決済サービス「コングラント」で作成されています。