はじめに
こんにちは!このページをご覧いただきありがとうございます。私たちは、栃木県益子町に事務局を置く、若者主体で環境保全に取り組むNPO団体です。
豊かな里山を未来につなげるために、市民、特に若者たちによる森づくり活動の推進を目的に、2010年に設立しました。栃木県内の、手入れができなくなり荒れてしまった森林や里山、竹林の整備を、地域の皆さんやボランティアの皆さんとともに進めています。
活動の背景
課題① 進む「農村の過疎化」と「里山の荒廃」
森林や里山は、土砂災害を防いだり、おいしい水や空気をくれたり、様々な生き物が生活する場を提供したりと、私たちの暮らしに不可欠な恵みを届けてくれています。
しかしながら、過疎化、高齢化などにより、県内でも手入れができず荒れてしまった里山が増加しています。ですが、所有者の方の多くは、”本当は管理したい”と思っています。
でも、、、
高齢で体が辛くてできない...。
整備の仕方がわからない…。
金銭的に難しい…。
整備したところで何にも使わないから、意欲がでない…。
こういった理由から、思いはあるけれど、止むを得ず放置されてしまっている里山がたくさんあります。これからは、もっとこうした里山が増えていくでしょう。しかし、地域の担い手が減少している今、所有者の方だけ、地域の方だけが頭を悩ませるべき課題なのでしょうか?きっと、これからは、みんなで守っていくことが必要です。私たち市民にもできることはたくさんあるのです。
そこで、私たちNPOでは、県内の森林や里山、竹林の整備に、たくさんのボランティアの皆さんと共に取組んでいます。ご参加くださる方は、個人、企業、学生など様々。最初は入ることもできなかった荒れた里山や竹林が、一人ひとりの力の積み重ねで、徐々に片付いていき、光が差し込む美しい場所へと変化していきます。そうした場所を、徐々に増やしていく取り組みを行っています。(現在9カ所約18ha)
課題② 見えにくい子どもの「体験の格差」
〜すべての子どもたちに「自然体験」を届けられるように〜
私たちは、整備した里山を活用することで、子どもたちに「自然体験」を届ける活動も行っています。里山は人に活用されることで輝きを増します。また、子どもたちも、豊かな自然の中で遊ぶことで、しなやかな心身を育みます。
”自然の中で思い切り体を動かして遊ぶ。自然の不思議さに驚く。”
子どもたちにとって、自然体験が大切な経験であるということは、感覚的にはわかるという方も多いのではないでしょうか。実際、独立行政法人国立青少年教育振興機構による体験活動等に関する実態調査では、
「自然体験や生活体験が豊富な子どもほど自己肯定感が高くなる」
という結果が出ています。
しかしながら、家庭環境や、経済的な理由によりこうした活動の機会が少ない子どもたちもいます。2023年に行われた公益社団法人チャンス・フォー・チルドレンによる子どもの「体験格差」実態調査では、
「生活困窮世帯の3人に1人は、学校以外での体験活動をしたことがない」
という結果も出ており、子どもの「体験」の支援の必要性が問われ始めています。子どもの頃の体験の有無は、子どもたちの今後の人生の選択や心の豊かさに関わるものであり、見過ごせない課題です。
①②を同時に解決 〜こどもの里山プロジェクト〜
竹林から、広葉樹の森へ!
子どもたちと、100本の木を植える
こうした社会課題に取り組むため、「こどもの里山プロジェクト」という取り組みを、皆さまからのご寄付を財源に行ってきました。今回のプロジェクトでは、皆さまからのご寄付を活用させていただくことで、次のことに取り組みたいと考えています。
茂木町町田本郷地区の竹林を、広葉樹の森へ
★植える樹種:クヌギ、コナラ、モミジ、などの広葉樹
現在、ボランティアの皆さんと共に、茂木町の里山(通称:ホオノキ山)で、竹に覆われた里山の竹を伐採し、広葉樹の森に戻す活動を行っています。今年で整備を始めて4年。いよいよ、植林ができるまでに竹の伐採が進みました。
そこで、子どもたちと一緒に植樹を行います。
●豊かな自然環境を育む
生物多様性が失われてしまった放置竹林を、多様な生き物が棲むことができる自然環境に転換していくために、その土地に合う広葉樹の木を植えます。
●植樹を通して、子どもたちの環境への想いを育む
木を植えることを通じて、子どもたちと地球のこと、環境のこと、未来のことに想いをはせる時間と、楽しい里山遊びを組み合わせたプログラムを皆様からのご支援でつくります。
なお、経済的に余裕のない子どもたちにも自然体験を届けるために、「参加費免除」の枠を設けた自然体験活動を企画、運営したいと考えています。
1人でも多くの子どもたちに、豊かな里山と自然体験を届けるために、皆さまのご支援が必要です。どうぞ、ご協力をお願いいたします。
これまでの活動と実績について(昨年度)
子どもの里山の重要性を、改めて認識したのは、コロナ禍の時でした。
休校で外に出られなかったり、公園が閉鎖されたりと外遊びが制限される中で、里山を使った「森でリフレッシュプログラム」を実施しました。県内の子ども食堂やこどもの居場所運営団体の皆さんと連携した自然体験プログラムも継続して実施しました。
そのときいただいたのが、「参加費が厳しい」といった声。その声に応えることができるように、寄付を財源にした運営のしくみづくりをいち早く始めました。それが、「こどもの里山プロジェクト」です。
里山整備
これまで、手入れできなくて荒れてしまった里山を整備し、里山の景観や自然環境を取り戻しながら、人と里山の関わりの再構築を進めてきました。森のようちえんの里山や幼稚園の森など、里山や森を楽しめる環境づくりにも取組んできました。
2023年度は、
森林・里山11.8ha 、海岸林4ha、竹林2.4haを
活動日数61日、のべ1,241人
のボランティアの皆さんと整備することができました。
整備の過程で出る木や竹を活かして、クラフトの材料にしたり、炭をつくったりと、里山資源の有効活用にも力を入れており、里山が循環する新しい方法を探っています。
自然体験プログラム
里山での子どもや親子を対象とした体験プログラムも、通年で開催してきました。
2023年度は、計6回、53人が参加しました。
森でリフレッシュプログラム(2020年3月中旬〜5月末 ※休校期間)
コロナ感染拡大に最大限気をつけながら、子どもたちを森で預かって遊ぶプログラムを、休校期間中に実施しました。
2020年3月中旬〜5月末までの間に、計18回、述べ128人の子どもが参加しました。
(小規模開催/各回6-8人/9:00〜16:00)
参加した子どもの保護者へのアンケートでは、次のような声をいただきました。
参加した子どもの保護者の声
●異年齢の子達と、大好きな森や自然でたくさん遊べた事は子どもの精神面、身体面でかなり良い影響があった。
●子供は、ものすごく、リフレッシュ出来て、楽しめました。本当に感謝です。次の時に秘密基地作りの続きをする!っと言っています。
●この状況下ではこどもたちの笑顔がなによりの喜びでした。
●外で自由に遊べて、いろんな子たちとすぐに友達になれて、ご飯を作ったり、スタッフの方々とも接することができて子どもも親もリフレッシュできました!●お昼も自分たちで作る体験をさせてもらえたこと、自然に触れて遊べたことで気分転換になり、次の日は落ち着いて過ごせたりしていました。何より本人がとても楽しんでいたことも大きかったです。
代表者メッセージ
法人として里山や森林の整備を始めて13年が経ちました。この間、県内各地の里山でボランティアのみなさんと活動をしてきました。荒れていた里山をきれいにすることができました。しかしながら、きれいになった里山が、その後またもとに戻ってしまうこともありました。毎年草は生え、シノ竹は広がっていきます。地域の人や子どもたちに利用され愛され、継続的に手入れがされていく仕組みをつくらないとこの「一時的にはきれいだったけど」問題は乗り越えられないと痛感しました。
子どもたちの力は大きいです。子どもたちが定期的に里山にくるようになると、いつも良い状態にしておかないとな、という整備の動機が生まれます。子どもたちが思い切り里山で遊んでくれることは里山にとってもとても大きな力になるのです。子どもたちが里山で過ごす時間が楽しく、そして驚きや発見に満ちたものになることを願っています。