活動・団体の紹介
NPO法人フリースクール地球子屋は、熊本県で最も古い1996年から保護者が中心となって設立した学校に行けない・行かない子どものための居場所・学びの場所です。設立当時から、子どもを再登校させることではなく、社会的自立に向けて支援してきており時代がようやく追いついてきたと感じています。
学校に行けない・行かない(いわゆる不登校)子どもが、これまで「不登校」という言葉に振り回され、他の子どもと分断されてきた歴史があります。私たちは、すべての子どもたちが自分に合った教育環境を主体的に選べる社会環境をつくることが、究極的な解決だと考えています。不登校だからといって問題視することが無くなることが願いです。
不登校であることで肩身の狭い思いをもししているのであれば、その子どもたちが誇れるような何か行動をすればいいという逆転の発想を考え、また、どんな子どもであっても楽しめる空間をつくりたいと長年考えていましたところ、ニュースポーツ「フラッグハント」と出会ったのです。九州で唯一、初めて「フラッグハント」を開催したのが、2023年2月のことです。その楽しさ、奥深さ、子どもへの影響など素晴らしい成果がわかりました。そこで、本格的に熊本・九州で子ども同士の「フラッグハント」による交流を実施することにしました。
「フラッグハント」の実施には、赤外線銃(日本フラッグハント協会よりレンタル)、障害物(ブラスチック段ボール約350枚)、会場となる体育館など大掛かりな準備が必要になります。機材を運搬するには2トントラックをレンタルしなければなりません。使わない期間は、機材を保管する場所も必要になります。九州全域で交流をするには、宿泊、ガソリン代、高速代など費用がかかります。私たちは、このように費用がかかるとしても多くの学校に行けない・行かない子どもたちとの交流する機会を作っていかなければならないと使命感をもっています。なぜなら、この「フラッグハント」の障害物制作、赤外線銃のメンテナンス、機材運搬、競技の審判などすべての面において、子どもたちが主体的に取り組んでいるからです。子どもたちが、なかなか外にも出かけることができない他の子どもたちのために力を尽くそうとしています。こういった機会を生み出すことはそう簡単なことではありません。だからこそ私たち、子どもを支援する大人としては、この機会を永続的に続けていけるように仕組みを作りたいのです。
活動の背景、社会課題について
令和に入り、学校に行けない・行かない子どもが激増しています。日本全国24万人以上と言われており、実際にはそれ以上の子どもたちが学校に行けていません。学校に行けない・行かないだけで子どもが苦しんでいます。このような状況は、子どもたちに問題があるのでしょうか?私たちは、子ども側ではなく学校・社会の側に問題はないのでしょうか。
フリースクール地球子屋が問題視しているのは、不登校というだけで、学校に「行っている子」と「行っていない子」とに分断されているということです。私たちは、この「フラッグハント」というニュースポーツを通して、そんな分断を解消しひとつのチームとして一緒に成長していける仲間づくりをしていきたいのです。そして学校に行けない・行かない子どもたちには、元気を取り戻してほしいという願いを込めています。どんな原因があるにせよ子どもたち同士が一緒になって遊ぶこと、楽しむこと、成長しているという実感をもてることがとても大切です。そんな学校ではない場所で居場所をつくることが日本全国で求められています。
子ども食堂やフリースクールなど学校に行けない・行かない子どもたちの居場所は、以前と比較してどんどん増えてきています。そういった場所が増えていくことを私たちはとても歓迎しています。そしてそのような子どもの居場所を利用する子ども同士が交流することによって、もっと自尊感情や自信を取り戻してほしいと願っています。
活動内容の詳細、実績について
日本フラッグハント協会と連携をして、九州で唯一、熊本にて「フラッグハント」を2023年2月より定期開催しています。これまで6回開催し、述べ100名を超える子どもとそのご家族に「フラッグハント」を体験してもらいました。定期開催するようになり、フリースクール地球子屋の子どもたちが主体的に協力するようになり、開催準備、設営、審判、後片付けまで子ども中心で取り組んでいます。そんな地球子屋の子どもたちの様子を見た参加した子どもたちも積極的に後片付けに協力してくれるようになりました。子どもも大人も協力して1つのことに取り組む体験が、子どもたちに大きな成長を促しています。
地球子屋の子ども、参加してくれている子どもがひとつのチームを結成し、日本フラッグハント協会の公式大会(東京)へ出場するという夢をもてるようになりました。学校に行けない・行かない子どもが、これまであった過去の出来事にとらわれ、そして苦しんでいましたがそれを乗り越えて未来の、具体的な目標に向かって努力していこうという前向きな姿勢に変化してきています。地球子屋は、多くの方の、社会からの温かい支援を受けることで子どもたちの取組が社会に支えられているという実感をもてるようにしたいのです。社会とのつながり、社会に支えられているという実感をもつことが、社会人になって自立していこうという意欲につながるからです。
また、7月末に同じ熊本県内の子どもの居場所をしている団体の1つに呼びかけて、初めての交流会を先駆的に実施することができました。暑い中で機材を運ぶのも一苦労でしたが、参加してくれた子どもたちの笑顔、やる気、一緒に楽しむことなどこれまでにない表情を見せてくれました。パートナーとなっていただいた団体のスタッフの方もこれまでにない体験で、今まで見せたことがない表情が見れましたととても喜んでくれました。ニュースポーツ「フラッグハント」は、誰もが初体験に近いので年齢、性別、体格、能力、経験の差に左右されることなく誰もが楽しめる時間になることが改めて確認することができました。このような体験が、九州のあちこちで実現することが新たな目標となっています。
代表者メッセージ
「フラッグハント」は、企業研修でも活用される非常に刺激、学びの多いニュースポーツです。サバイバルゲームの一種でありますが、疑似的な戦闘行為としてではなくニュースポーツとして昇華して、参加者同士の交流・コミュニケーションを自然に生み出すものです。子どもたちが一目にてやってみたいと思わせるゲームに似た環境も夢中にさせる要素があり、また自然に身体を活発に動かすことで脳も刺激され元気になっていきます。いろいろなスポーツの中で、年齢、性別、体格、能力などに関係なく、みんなが楽しめるスポーツがこれまであったでしょうか。それがこの「フラッグハント」です。
寄付金の使い道について
日本フラッグハント協会 謝金(審判指導、大会運営指導) 300,000円(東京ー熊本往復費と宿泊費50,000円/回x3回、謝金50,000円x3回)
赤外線銃年間レンタル代 960,000円(1ヵ月80,000円x12か月)
障害物(プラスチック段ボール)代金・メンテナンス代金 158,000円 1)(プラスチック段ボールの周りをガムテープで半年に1回補強する必要がある。(25,000円x2回))、2)赤外線銃のバッテリー用電池を1年1回交換する必要がある。(3,000円x18丁分))、3)スコープ用電池、判定ヘッドバンド用電池を3か月1回交換する必要がある。(ボダン電池2個500円x18丁x4回、単4電池4本250円x18丁x4回)
交流会開催(会場費用、交通費用、レンタカー、保険代など) 470,000円 1)会場費用 1日体育館貸切るため30,000円/日x5か所、2)交通費(ガソリン代、高速代20,000円/回x5か所)、3)レンタカー(2tトラック)20,000円/日x2日間x5か所、4)活動保険代20,000円