活動・団体の紹介
学校法人日吉学園とさ自由学校は、2019年4月に高知県に62年ぶりに開校した自然体験学習中心の私立小学校です。本校は、高知県いの町勝賀瀬の山、川、田、畑、たくさんの生き物に囲まれ、日本一の清流「仁淀川」流域にある自然豊かな環境にあります。
私たちは「学習の主役は子ども 大人は子どもの伴走者」を理念に、「個性・多様性の尊重」「自己決定」「体験学習」の3つの原則を大切にした教育活動を行い、主体的に学び、対話を通じて協働し、共に価値を創り出すことのできる子どもを育み、社会をよりよくする担い手が増えていくことを目指しています。

活動の背景、社会課題について
●心を育む出会いこそ、人生の礎。
いのちとは何か、人として何が大切か、心で理解することが大切です。
その為には感性を育てることです。
子どもの人間性を育み、いきいきと輝かせることです。
美しい豊かな自然のなかでのびのびとまっすぐに育つ子どもたち、
自ら学び、考え、行動し、そこに楽しさを見つけ出す子どもたち。
いちばん大切なことは、さまざまなよいものに出会い、豊かな感性を育むことなのです。

●学校設立の背景
今、私たちが暮らしている社会は、変化の激しい時代だといえます。さらにこれからの時代は、これまで以上に国際化、情報化が急速に進み、これまでの知識やルール、常識では、よりよい社会を創り上げていくことは難しいものになると予想されます。
20世紀は、「知識」と「技術」の時代だったといえます。そうした社会では、知識が重要視され、その知識を正確に理解し、その知識をルールに則って活用できることが大切とされ、指示に対して従順で、行動できる人材が求められてきました。
しかし、これからの21世紀の社会は、「心」の時代であると言えます。知識を知恵に変え、
新たな物事を自ら創り出し、自分自身の「心」にある思いを他者に伝え、主体的に協働することのできる人材が求められているのではないでしょうか。つまり、主体的に学び、他者との心の通った対話を通じて、共に価値を創り出すことのできる人材を育てていくことが大切になるのだといえます。
私たちの小学校では、こうした社会的背景のもとで、自分で考え、主体的に行動し、他者と協調しながら豊かな新しい社会を切り拓いていくことのできる子どもを育てたいと考えています。
このような社会背景や考え方から森のようちえん活動の次となる小学校も必要だという想いからとさ自由学校を設立しました。

●めざす学校の姿
前述した森のようちえん活動とは自然体験活動を基軸とした子育て・保育、乳児・幼少期教育の総称です。森のようちえん活動の理念のもと、子ども達は自然体験を通して感性を高め、五感を研ぎ澄ましていくことを重視し、自主性や協働性を重んじた教育を受けます。学び方に関しても体験することを大切にし、自分の心の中や、他者との関わりの中から様々な気付きや知識を得ます。しかし、小学校では逆転してしまい、大人によってまとめられた教材から効率よく知識を学ぶパターンが多いように感じます。

●学習の主役は子ども 大人は子どもの伴走者
「とさ自由学校」では、人間本来が持っている自分自身で学び育っていく力を信じ、子ども達一人ひとりが主役となる学校を創っていきます。子ども達が心からやりたいと思うことに自由にチャレンジでき、徹底してやり抜くことができる環境を整えることで、子どもが自ら学び、育っていく環境を保障していきます。
高知県の豊かな川・森・海を学びの場として、友人や地域の方、自然に対して愛情をもって接し、感謝の心を有することで、相手に対する気持ちや、事物への想像力、共感性を育んでいきます。自然での体験活動を礎とした実践学習のもと、子ども達の健やかな育ちを支援していく学校を目指しています。
活動内容の詳細、実績について
●自然体験から学び、生きる。
私たちの学校は、川、山、田んぼ、畑に囲まれた豊かな自然の中にあります。自然の中は不思議がいっぱいです。「これは何の虫だろう?」「なんで、ここに木の実がたくさん落ちているんだろう?」という知的好奇心の源泉がたくさんあります。また、自然の中では、一人では生きていけません。田植え、稲刈り、川遊び、登山、遊具づくり、畑づくりなど、だれかと共に協力・協働することが必然的に発生していきます。
「僕はこんな風にしたい!」「私は、こうしたい」というお互いの意見を伝え合い対話する中でお互いの共通をみつけ、共に活動していくことができます。その中で、自分のことを知り、相手のことを知り、お互いの関係を作っていきます。対話し、協働することで子どもたちは自分たちで生きていく力をつけていきます。
また、自然・生活体験の中では、物事の順番や成り立ち、自然の恵み、また五感を通して感じて学びます。子どもたちは自然の中に身を置く中で、教科書に書いてあること以上のことを感じ実体験をもって学び、生きる力を育みます。

●GL(グループラーニング)での協働と体験
グループラーニングの時間は、学年を超えた異年齢クラスで、年間で自分たちで考えたプロジェクト学習を行います。「発酵」「祭り」「乗り物」等年間のテーマは設定しながらも、「何を」「いつ」「どのように」「どこで」行うか自分たちで計画ミーティングを行い決めていきます。
実際に行う体験としては、みそづくり、建築、農業、料理、工作、登山、生き物飼育、ジオラマづくり、ビオトープづくり、イカダづくり等様々です。活動を行う中で、「何センチでつくるといいか」「どんな気候や地形なのか」「どんな季節によく収穫できるか」などたくさんの疑問や、実際に学習しないとわからないことに直面します。また、たくさんの失敗もします。その過程で子どもたちは次にうまくするために考えたり失敗の原因を調べて考えてまたチャレンジすることができます。さらに、クラスの友達と話し合いをする中で意見の違いに気づき、どのようにみんなの納得を得られるか考えながら話し合い、対話することが増えます。活動では自分一人ではなく、役割分担や協力をしながら1つのモノを作っていきます。こうしたコミュニケーションの積み重ねにより、時にケンカしたり言い合いもしながらも互いを理解し、よりよい仲間になっていきます。

●とさ自由会議~民主的な学校づくり~
本校では大人も子どもも対等にかかわり学校運営を行います。学校で困ったことや企画したいことなどを全校で話し合い、ルールやイベント内容を決めていっています。
例えば、スポーツフェスティバルの種目。どんな種目がいいか、各クラスから意見やアイデアをだしながら、最終的には全校のとさ自由会議で決定していきます。困ったことはトイレの使い方やバスの乗り方の問題についても全校で、どのようにしていくか考えてルールを決めたり約束を全校で行います。特に自分たちの生活に関連する議題について考えていくので、真剣に1~6年生が意見をだし、「延期」「保留」を繰り返しながら何度も話し合いながら納得する結論を出していきます。
自分たちで作ったルールやイベントだと当事者意識をもって、守ろうとする意識や行動が生まれて、誰かに守らされるルールではなく、自分たちが守ろうと思えるルールづくりにつながっています。

●オーガニック給食と食育
人間の発達にもっとも大きい影響がある一つが「食べること」です。とさ自由学校の給食はオーガニック給食を目指して取んでいます。化学調味料をつかわない天然素材のもの、また、食材は農薬・化学肥料不使用の物、また生産者さんの顔が見える物(有機とは限りません)や地域の方の頂き物等を使ってランチを提供しています。
お米は有機米、使用する野菜は、地元の有機農家さんとつながり安心・安全な有機野菜を使用した給食です。給食スタッフの創意工夫により、和食を中心とした献立で、家庭ではなかなか食べられない食材も使用したオリジナティあふれるおいしい給食です。
食育活動としても、お米づくりや給食委員会で残飯について考えたり、クラスプロジェクトでのクッキング、給食スタッフからの給食クイズを行いながら食についての関心を深めてもらい、「食べる給食」から「知り・学ぶ給食」として取り組んでいます。

●大人とこども、異年齢クラスについて
とさ自由学校には、「先生」と呼ばれる大人はいません。大人はみんな「よっしー」「ぽんちゃん」などニックネームで呼ばれます。「先生」というこれまでの指示・管理をする存在ではなく、共に学び育つ存在として、「子どもの伴走者」としてかかわることを大切にしています。
時に大人、時にお兄さん・お姉さん、時に友達、時に仲間として子どもたちと対等な「一人の人間」として関わっています。子どもたちとの距離も近く、共に笑い、共に涙し、共に喜びあいながら過ごしています。子どもたちは大人を信頼し様々な話をしていく中でとさ自由学校にしかない子どもたちの安心感が形成されています。
クラスは異年齢で構成されているため、学年を超えたつながりがたくさん生まれています。同学年、異年齢での人間関係を日々の生活から学び、社会性を身につけていきます。上学年は下学年のお世話や、わからないことがあればわかりやすく伝えたり、泣いていると慰めてくれるお兄さん、お姉さんになります。下学年の児童はそんな上学年に憧れたり、いろいろ教えてもらうことで多くのことを学び、どんどん成長していきます。

●子どもたちが1から考える学校行事
スポーツフェスティバルや、秋祭り、ラーニングフェスティバル、修学旅行は、子どもたちが1から考えてつくる「子どもが主役の行事」です。スポーツフェスティバルでは、どんな競技をするか、どんなルールでするか、どのような時間でするか、何が必要かを自分たちで話し合い企画していき、本番も子どもたちが中心になって運営します。毎年、創意工夫された競技や、普通の運動会では実施されないようなスポーツまでみんなで一緒に楽しみます。修学旅行は6年生が1年間かけて行うプロジェクト行事です。みんなで行きたい場所を調べてプレゼンをして行き先を選びます。予算や移動手段、スケジュール、宿泊場所なども子どもたちがリサーチして、保護者へプレゼンをします。意見をもらい修正し、いざ修学旅行へ。修学旅行に行った後は、学んだことや知ったことを文集や資料にまとめ、保護者の方や在校生へ報告会を行います。
子どもたちは自分たちで考えて、決めて実行し、ふりかえり学び、主体的な行動力を身につけることができます。

●地域とつながり学ぶ・チャレンジする
「こころざし科」の一環では月に1回程度、多様なゲストをお呼びして子どもたちのこれからの生き方や夢、希望を育み考える時間をつくっています。これまでも、番組プロデューサー、生き物コレクター、カポエイラ、深海生物ハンター、和太鼓アーティスト、力士、画家、サッカー選手等に来ていただきワークショップや体験講座、講話をしてもらいました。子どもたちは普段なかなか出会えない大人との出会いの中から自分の好きややってみたいことを知る時間になっています。
その一環で、土佐和紙を使い、企業と連携した商品パッケージデザインも行い、社会とつながった学びも行われ、自分のデザインしたものが社会の他の人の手元に届く経験は何事にも代えがたい授業となりました。

また、AMSから派生した歌チームは2025年に初めて、「NHK全国合唱コンクール」へ出場しました。大きな舞台でものびのびと堂々と歌う姿に初出場ながら、「とさ自由学校いいね!」という賞賛の声を多数いただきました。やってみたいというエネルギーが様々な場面で発揮され、子どもたちは様々な経験を通じてたくましく成長しています。

代表者メッセージ
第1期の卒業生に先日会った時にこんな話をしてくれました。
「この学校に2年間だけだったけど通って、自分はやっぱりものづくりが好きで、したいと思ったから、溶接の仕事に就こうと思って、今は工業系の高校でがんばっている」
自分自身を知り、他者と協力しながら、主体的に学ぶこと。それは、一朝一夕にできることではなく、日々、自分と向き合い過ごした結果の上に身につくことだろうと思います。
彼のように、自分の人生をイメージして、デザインしていき、自分らしく生きることのできる子どもたちがますます増えていくことを何よりも願っています。
そして、現在、とさ自由学校には、このような教育を求めて、県外からの移住者も含めて多くの児童が通学しています。毎日楽しく通い続け、「自然体験学習を通じて心も体も頭も、よりよく育つ」ことを目指していくためには、より充実した教育環境が必要です。
さらに、この教育を持続可能な形で継続し、世界に、未来に羽ばたく子どもたちが育つ学校にするには、皆さんのご協力が必要です。
ぜひ、学校理念に共感いただけた方と一緒に、この世界によりよい学びの場をともに創っていくことを寄付を通じて応援していただければ嬉しいです。

寄付金の使い道について
いただいた寄付金は、学校運営に関わる管理・人的経費、施設・設備関係への充実費、プロジェクト・体験学習に必要な材料・道具、活動で使用するバスの維持管理費等にあてさせていただきます。
子どもたち一人ひとりの個性が大切にされ、自分で決め、自分で行動することで、他者と協力したり、ぶつかり合いながらも、たくさんの自然や社会体験を行い、自分の人生を自分で切り開いていき社会をよりよくしていける子どもたちが育っていく学びの場に、とさ自由学校をますます発展させていくため、ぜひぜひ、お力添えいただければ嬉しいです。
ご寄付のほど、よろしくお願いいたします。

