こども達の自死率が高まる9月1日
平成27年に厚生労働省からとても悲しい数値が公表されました。
過去40年間の統計から18歳以下の日別自殺者数が9月1日が突出した数値になっています。「学校の長期休業の休み明けの直後は、児童生徒にとって生活環境等が大きくかわる契機になりやすく、大きなプレッシャーや精神的動揺が生じやすいと考えられる」と報告されています。
私たちの相談でも毎年8月下旬からこどもたちからの苦しい思いを告げる相談が増えてきます。例年この時期はカウンセラーの人数を増強するなどの対策を実施してきましたが、もっと直接的な方法はないかと考え、「こどもを対象とした無料相談」を集中的に実施することにしました。
そして子どもたちの相談することへの心のハードルを少しでも下げるために、その手法をZoomのアバター機能を使用した相談にすることにしました。
出典:平成27年版自殺対策白書
ある日の女子学生からの相談
若い世代に向けた、無料のアバターカウンセリング
時代とともに人が心地良いと感じるコミュニケーション方法は変わってきています。私たち自身の活動も、設立当初の2012年には電話相談と対面のカウンセリングだけでした。それが今は、SNS相談が圧倒的に多い状況です。
東京メンタルヘルス・スクエアのスタッフの中には子どもを持つ親も多く、若い年代にとって心地良いコミュニケーション方法が変わってきていることを日々実感しています。
たとえば、YouTuberやVTuberにスーパーチャット(いわゆる投げ銭システム)で相談する若い方々も多く見受けられます。そして、そのYoutuberやVtuberの回答に救われている方々もきっと多いことと思います。
そうした中で、年々増えている若い年代からの相談に対して、その方々に合った方法でお話を聴けるように私たちから歩み寄ることが大切だと思い、オンライン会議ツールZoomのアバターを活用した無料カウンセリング「こどもアバターほっとライン」を始めるに至りました。
今年度は、8月末~9月初旬の他に相談が増える3月末頃に第二回目を行い、来年度以降に体制を拡充させて実施ができるようにしていきたいと考えています。
第一回目
日時:2023年8月30日(水)~9月3日(日) 16時~22時
時間:20分/回
第二回目
日時:2024年3月末頃 時間未定
時間:20分/回
こどもアバターほっとラインのページ
https://www.npo-tms.or.jp/service/avatar-hotline.html
ご支援の使い道
今回のクラウドファンディングでいただいたお金は、8月30日~9月3日に実施する1回目と2024年3月に実施する2回目の無料アバターカウンセリングに伴う人件費・通信費などの諸費用に充てさせていただきます。 また、余剰が出た場合、2024年4月以降の当法人のこころのほっとライン(無料電話相談)などの相談事業や法人全体の運営費に充てさせていただきます。
東京メンタルヘルス・スクエアの事業
東京メンタルヘルス・スクエアでは、3つの相談事業「お話しパートナー(傾聴カウンセリング)」「こころのほっとチャット(無料SNS相談)」「こころのほっとライン(無料電話相談)」を実施しています。
電話、対面の相談は30代以上のご利用が多く、SNS相談は10代、20代の方のご利用が中心になっています。
その他、専門講座や勉強会、一般参加可能なテーマでチャリティセミナーの開催を通じてカウンセラー育成にも努めています。
すべてのひとに、温かくて優しい空間を
当団体の活動にご関心をお寄せいただき、ありがとうございます。
東京メンタルヘルス・スクエア会長の武藤清榮です。
振り返ると2011年の東⽇本⼤震災をきっかけに、東京メンタルヘルス株式会社の社会貢献室をNPO法人化したことが東京メンタルヘルス・スクエアの始まりでした。 当時、被災地に赴いて傾聴ボランティアをしたり、支援が必要な方の電話相談を東京で受けるにあたり、NPO法⼈格を取得して⻑期に渡り⽀援を続けていく 必要性があったことを思い出します。
その後、「話をちゃんと聞いてくれる社会をつくる」ことを目標に、NPO法人としての活動を開始しました。最初は、月に1人しかいらっしゃらなかった相談者が、今では傾聴カウンセリングでは年間約700件、無料電話相談では年間約1,000件、無料SNS相談では年間60,000件以上のご相談をいただくようになりました。
みなさまそれぞれの環境の中で悲しみや苦しみを抱えて、それでも頑張って日々暮らしていらっしゃいます。そんな方たちに温かくて優しい空間をお届けしたい。私たちはそう思って活動しています。
そして、今回のクラウドファンディングを通じて、若い年代の方々にとって相談しやすい環境をつくれるように無料アバターカウンセリングを、是非かたちにしたいと思っています。
温かく優しい、安心して話ができる新しい居場所を実現できるように、ご支援よろしくお願いします。
NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア 会長 武藤清榮