【2023年5月1日追記】
みなさまの暖かいご支援で、開始12日で目標金額に到達致しました!本当にありがとうございます!まさに目標達成した4月30日、全国電話相談会が開催され、NPOトイミッケとして「ボイチャ相談!」システムを提供。本電話相談会では物価高などで苦しむ方々からのご相談が数多く寄せられ、その中で「電話が停止中」の方からのご相談を無料で本システムを以てつなぐことができました。
●生活困窮者向け 全国一斉電話相談 30日実施(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20230430/3000028950.html
●コロナ禍、物価高…生活・医療の相談に弁護士や医師らが対応 電話・対面での相談会(毎日放送)
https://www.mbs.jp/news/kansainews/20230430/GE00049610.shtml
こちらの反響が大きかったことも受け、このような「緊急時の公衆電話を再発明」する「ボイチャ相談」事業を、前倒し&初年度から大きく広げるためにネクストゴールに挑戦します!SOSを誰でも無料で通話出来る仕組みを広げていくため、どうか引き続き応援をお願い申し上げます!(追記了)
はじめまして。特定非営利活動法人トイミッケの代表理事 佐々木大志郎と申します。
私は2012年頃より生活困窮者支援業界に飛び込み、直接の現場支援から広報・ファンドレイジング、複数のNPOを横断してたスキームの構築や中間支援サービスの立ち上げ・運営など、めまぐるしく変化する社会のニーズに合わせた支援の形を模索してきました。(詳細なプロフィールはこちら)
そしてキャリア10年目。この度「より発見しづらい状況にいらっしゃる方へのアウトリーチ」と「通信の貧困」の解決に特化・安定して取り組むためのNPOを代表理事として設立。その立ち上げ費用のためのクラウドファンディングを始めます!
私が支援に関わり始めた2012年は、ネットカフェを長期生活拠点にされる方の増加や、若年の方・女性の方など、従来路上ではあまり会うことが少なかった方々が目につくようになってきたタイミングでもありました。その一方で、当時は完全に疲弊しきってからご自身で相談にいらしていただくことが多く、アウトリーチの難しさ、従来支援団体が多く入り口としていた「炊き出し」「夜回り」といった手法ではつながれない状況がありました。それに対する解のひとつとして「プロの料理人が調理する食事」や「来やすく・安心出来る会場」をコンセプトにした団体横断型の相談スキーム「(年越し)大人食堂」を企画・オーガナイズ。2019年から2022年まで、年末年始や長期連休を中心に5回実施し、のべ2000人以上の方にご利用頂きました。
また、本格的に新型コロナの影響が現れはじめた2020年3月、第一回緊急事態宣言を受け都内ネットカフェが一斉休業することを受け、居場所を失うネットカフェでの長期生活者に向け、相談フォームを入り口したスタッフ駆けつけ型の相談支援体制を企画・実施。その後主催団体を変え、年間のべ700件以上の緊急的なSOSを受けとめる体制を現在も継続しています。
同時に力を入れたのは「通信の貧困」です。携帯電話が「一人一台」となり、住居契約や就職、病院や公的機関とのやりとりが「電話番号」が必須となっています。こうした事実上電話番号が「社会的ID」となっているのにも関わらず、公的な助成や重大さの軽重が社会周知されていない状況が発見されました。これを解決するため、2020年7月より複数の団体と協同、独自の電話番号付き通話アプリを開発・これをインストールしたSIM入りスマホを2年間提供するプログラムを企画・運営。また平行して、公的なFreeWi-Fiが縮小され、コンビニ等の民間企業によるそれも縮小される状況を鑑み、独自に複数の屋外相談会へFreeWi-Fiを展開する事業も試験展開。誰もが権利として「通信につながれる」ための環境整備を、実体調査を兼ねる形で進めてきました。
そして前二項が交わる形の「デジタルを活用したアウトリーチ」も、使える社会制度を紹介・解説するshort動画を作成・若年層が比較的多いSNSを中心に定期投稿し、そこからの相談も受け付けるプロジェクトを企画・演者として実施。また、専用の対応補助アプリと支援パッケージを開発・提供する形で、さまざまな市民が緊急宿泊支援対応を可能とする「せかいビバーク」プロジェクトも、企画・運営として展開してきました。
以上のような取り組みを展開・継続している背景には、現在において特に「困窮されている方が公的支援に繋がることを望んでいない」状況があります。コロナ禍の初期には単発や期間付きの雇用で生活されていた方が失職し、そうした方を生活保護をつながる(つなげる)ことで支援出来ていました。しかし、2022年頃より仕事(単発ないし期間付きの雇用)はかなり復活してきており、就労に戻れる状況の方はそうしています。
不安定な雇用条件にせよ、一定の収入を得ながら、不安定な居住であるにせよネットカフェ等で暮らされている。「不安定さの中で安定している」ので、公的支援に繋がれない/繋がることを望んでいない。もちろんご相談にも来られません。
こうした方にアプローチしたいのなら、私達が手法を開発し、アウトリーチする必要があります。
また、別の軸として「公的支援をすでに使っている方/使えない方」へのアプローチも平行して課題だと考えます。
都内複数の支援団体がおこなっている配食を非常に多くの方が受け取られる状況が続いていますが、受け取られている方の中である程度のボリュームを、既に生活保護を利用されている方が占めていると推測されます。物価高の影響で、本来最低限度の生活が出来るはずの生活保護(公的支援)を利用していても生活が苦しい。
そうして前述の「不安定な雇用と不安定な居所の中で安定している」方も、収入は生活保護基準に近い・わずかに越えるといった状況も少なくありません。
食料支援も欠かせませんが、生活を立て直すには両者とも食料提供以外の「生活インフラ」の提供が支援メニューとして必要なのです。
このような変化する社会課題への対応は、まだまだ不十分な領域だと考えます。
私はNPO法人トイミッケでこれらの課題解決へ挑戦します!
まず「不安定な雇用と不安定な居所の中で安定している」、いわば「困窮の二歩手前」の方へつながりを作るためのアウトリーチ。
2022年12月よりネットカフェ・ネットルーム・個室ビデオ店などを生活拠点として就労しながら生活されている方を対象に、食料宅食や荷物預かり、オンラインでの専門家との相談を提供するプログラム「夜のセーブポイント」をスタート。毎月2回、都内駅近くのスペースで利用登録&食料提供をおこなっているほか、スケジュール的に来づらい方への個別出張対応も開始しています。
また、住まいを失いながらフードデリバリーで生計をたてている方へ、電動自転車貸し出しと保険の提供をおこなうプログラムも平行して実施しています。
これらのことを実施しつつ、支援情報を新たな角度で届けるための動画アウトリーチ「生活保護おじさん」プロジェクトも、トイミッケの事業として継続。こちら経由の相談対応もしてきます。
そして「現在の公的制度では足りない・こぼれおちている対象へ提供する必要な生活インフラ」として「通信の貧困」に着目し、その開発・社会実装もやっていきます。
2022年末より、すでに電話回線がなくとも公的相談窓口や支援団体にインターネット経由での電話(ボイスチャット)が出来るシステム「ボイチャ相談!」の試験運用を一部で開始。今後、対応先を増やす形での正式運用を今年中に目指します。また、市民主導の公共Wi-Fiについても、屋外相談会のみならず常設設置を模索、こちらもすでに都内数カ所で試験運用中です。
そして「社会的ID」となった電話番号を担保するための「電話」事業については、現在存在するものより発展した形のものをスタートするべく準備中です。さらに普及させるためコストを下げ、ニーズの粒度を上げることによって困窮された方がそれにより電話番号を失い社会参加を妨げられない社会実現を目指します。
特定非営利活動法人トイミッケは2022年1月に任意団体として活動を始め、2022年10月より法人登記し、現場支援を先行する形で(代表等の持ち出しで)現場活動を先行してまいりました。
今回いただいたお金は、2023年4月より本格始動するトイミッケの事務局立ち上げや広報費用、またすでに動いている複数動いているプロジェクトの費用へ、大切に使わせていただきます。
- トイミッケの事務局機能立ち上げ費用(年間住所維持費・通信費・広報費など):45万
- 夜のセーブポイント運営費(スペースレンタル費用一年分など):30万
- アウトリーチでお会いした方へお渡しする食料品等支援物資購入費:20万
- 通信支援で利用する機材購入費:5万
- 「ボイチャ相談」実施における通話料(弊団体負担):50万(2023年5月1日追記)
- 「ボイチャ相談」展開の広報・事務局費:20万(2023年5月1日追記)
- 「ボイチャ相談」等、通信事業関連のシステム改修費:30万(2023年5月1日追記)
など、詳細な使途については支援終了後、会計報告をさせていただきます。(トイミッケの年次報告等はこちら)
もともと私がこの活動に飛び込んだきっかけは、2011年頃わけあって住まいを失い、短期間の契約期間をくり返す形の不安定雇用を続けながらネットカフェを生活拠点にせざるを得なくなったことからでした。同僚や友人含め誰にも自分が「ホームレス状態」になったことをいえないまま、そうした生活を続け、体調不良をきっかけに支援団体へ相談。生活が安定してから当時の支援団体スタッフに誘われ、そこから10年。
まさかこれほど長くこの仕事を続けるとは当時は思いませんでした。
かつて自分が経験したように、見えづらい社会のスキマで身動きがとれなくなっている方々へつながりを作り、新しい選択肢を提示したい。
そのためのNPO法人トイミッケの立ち上げに、どうか皆様のお力をお貸しいただけますよう、お願い申し上げます!
(NPO法人トイミッケのウェブサイトはこちら)
(Amazonほしいものリストでの物品寄付など、クラファン以外の応援方法はこちら)