「りんじんハウス」プロジェクトへの引き続きのご支援をお願いいたします
つくろい東京ファンドは「住まいは基本的な人権である」という理念に基づき、シェルター運営などの住宅支援事業をおこなってきました。
現在、難民や仮放免状態に置かれている方々が生活に困窮し、住まいを失ってしまうケースが相次いでいます。「難民・仮放免者のホームレス化」という深刻な事態も起こっています。
私たちは、住まいを失った難民や仮放免状態に置かれている方々の状況に対応するために、無償の住居提供・家賃支援事業として「りんじんハウス」プロジェクトを立ち上げ、2022年12月〜2023年2月にかけてクラウドファンディングを実施しました。
皆さまからいただいたご支援をもとに、住居の提供を開始し、家賃支援もおこなっています。
「りんじんハウス」の維持費・水道光熱費、住まいを失った、失うリスクを抱えている難民・仮放免者の家賃支援、住まいの確保を継続的に行っていくために、引き続き皆さまのご支援をお願いいたします。
仮放免者とは?
「仮放免者」とは、「収容令書または退去強制令書により収容されている者について、病気その他やむを得ない事情がある場合、一時的に収容を停止し、例外的に身柄の拘束を解くための措置」を受けている方々です。
「仮放免者」は日本政府から「日本にいるべきではない人」と一方的に判断されていますが、難民であるなど、それぞれに「帰ることができない」事情や理由があります。
- 難民であり、帰国すると差別や迫害などによって命を失う危険性がある
- そもそも日本で生まれ育った
- 日本に家族がいる
- 日本に長く暮らしてきて、生活の拠点が「ここ」にある
彼女ら彼らには、このように「帰ることができない」様々な事情があります。
生きていけない仮放免者・難民
仮放免者は働いて収入を得ることが一切認められていません。
また、国民健康保険にも加入できず、「最後のセーフティネット」である生活保護の利用もできません。働くことができなければ、暮らしを営むことができないのは当然です。
その上、さまざまなセーフティネットへのアクセスも制限されており、極めて深刻な生活状況を強いられています。
衣・食・住の不足はもちろんのこと、「病院に行けない」など心身の健康を維持することも困難な状況にあります。
支援の現場では、連日、「食べ物がありません」「家賃を払えず追い出されてしまいそうです」「ホームレスになりました」「お金がなくて病院に行けません、すごく苦しいです」といった相談が相次いでいます。
仮放免状態に置かれた方々は以前からこうした困窮を強いられています。脆弱な立場に置かれていたために近年はコロナ禍の影響を大きく受け、「生きていけない」状況は悪化の一途をたどってきました。
難民として保護されるべき人々、長くこの国でともに暮らしてきた人々、日本生まれ・日本育ちの子どもたちが「生きていけない」厳しい状況に置かれています。
来日間もない難民に課されるハードル
日本にたどり着いて間もない難民の方々も、路上生活を余儀なくされるなど、それぞれに困難な状況を強いられています。
身を寄せるあてがない方が多く、もちろん、言語の壁や文化の違いもあります。
不安定な在留資格の下では利用できる公的制度も限られており、数少ないサポートにアクセスできたとしても、その内容は充実しているとは言いがたいものです。
また書類などによる数々の手続きは、「日本人」であっても難儀させられることがあるように非常に煩雑で、ご自身には心身ともに大きな負担がかかっています。
人権侵害から逃れ、時に命の危険を抱えながら国境を越えてきた人々が、衣食住の確保もままならない状況を強いられています。
難民・仮放免者の「ホームレス化」
「難民・仮放免者がホームレス化する」という事態が現に起こっています。
彼女ら彼らの現状を「生きていけない」という言葉で表現することは、決して大袈裟ではありません。現状はそれだけ切迫しています。
こうした現状は、国際社会からも人権問題として批判されています。
2022年11月に国連の自由権規約委員会が公表した、日本政府報告審査に対する総括所見では、ローマ字表記で「Karihomensha(仮放免者)」という記載があり、これらの人々に就労を認めることなど、彼女ら彼らが生きていく術を保障する施策を検討することが勧告されました。
また、難民の適切な保護などに関しても、改善を求める度重なる勧告を受けています。
しかし、有効な手立ては示されていません。
2023年6月には、難民・仮放免者への負の影響が強く懸念される入管法改定案が可決・成立しました。
この法改定では、国際社会から示された懸念や勧告は活かされておらず、仮放免状態に置かれている人々の困難な状況は放置され、本国に帰れば命の危険がある難民の強制送還が一定の条件下で可能になるなど、この国に逃れてきた難民や、すでにこの国で暮らしてきた、あるいはこの国で生まれ育った難民や仮放免者などの人々とともに生きていくための改定ではありません。
支援者はもちろん、なによりこの改定による影響を受ける難民・仮放免者の人々の不安は非常に大きく、今後の動向を注視しています。
「りんじんハウス」プロジェクト
難民や仮放免状態に置かれている方々が、「住まいを失い、安心して生活することができない」という状況を少しでも改善するために、つくろい東京ファンドは2023年から「りんじんハウス」を運営しています。
私たちは、4世帯ほどが暮らすことができる住居を所有者の方から無償で貸していただき、修繕作業をおこなった上で、困窮し、住まいを失った難民や仮放免状態に置かれている方々に無償で提供しています。
また、仮放免状態に置かれている方々は働くことができず、家賃だけでなく水道光熱費など固定費の支払いも困難であるため、 入居された方々が中長期的に生活していくことができるように、これらの固定費もサポートしています。
そしてこのプロジェクトでは、「りんじんハウス」による住居の提供に加えて、 家賃を支払えずに住まいを失う危険性の高い難民や仮放免状態に置かれている方々が「ホームレス化」することを防ぐための家賃支援や、住まいの確保に向けた初期費用のサポートなどもおこなっています。
つくろい東京ファンドの取り組み
現在、つくろい東京ファンドは困窮する難民・仮放免状態に置かれている方々に対して、
住居支援として
⚫︎12世帯にシェルターを提供
⚫︎20の国と地域にルーツのある方々に、計47件、約400万円の家賃支援
食糧支援として
⚫︎毎月、50世帯に食糧を送付
そのほか、医療同行支援などもおこなっています。
皆さまのご支援でできること
- りんじんハウス入居者の難民・仮放免者の暮らしを支えることができる
- 「ホームレス化」のリスクに晒されている、難民・仮放免者の家賃支援
- すでに「ホームレス化」してしまった、難民・仮放免者が新たに住まいを確保するための初期費用
このプロジェクトを一緒に支えてください
入管法の改悪に反対する運動の中で「つないだ手は放さない」という言葉が語られました。
いまも有名・無名、団体・個人を問わず、多くの方が手をつなぎ続けようと努めています。
もちろん、私たちも住まいのサポートを中心として、その手を放してしまうことがないよう活動を続けていますが、さまざまなリソースが限られていることもまた、否定しようのない事実です。
すでにつながれてきた手、新たにつながれる手、数多くの「手」のひとつとして、私たちがおこなう「りんじんハウス」プロジェクトへのご支援をお願いいたします。
国籍やルーツ、在留資格の状況や種類に関わらず、「住まいは基本的な人権」です。
足もとにすでにある多様さが編み込まれた街へ。
どうか、このプロジェクトを一緒に支えてください。