活動・団体の紹介
① 一人ひとりの、子ども・若者と、その家族を支える
② 社会の中に、子ども・若者のセーフティーネットをつくる
③ 子ども・若者を育む地域社会を築くこと
を3本の柱とし、子ども、若者及びその家族の相談支援や、学習支援活動、若者向け就労支援活動、地域団体やボランティアとの連携に取り組んでいます。
活動の背景、社会課題について
2023年に内閣府が行った調査では、ひきこもり状態にある人は全国に146万人と推計されました。大きな数字で一括りにしがちですが、そこには一人ひとり異なる事情や希望があります。就労をしたい、自分のできる範囲で働きたいと願う若者たちもいます。そうした一人ひとりの希望に寄り添えるように当法人では、相談活動、各種体験プログラムの実施、内職や外に出なくてもできる仕事づくりなど、様々な機会をつくってきました。このしごとや事業部でも、企業や農家さんと連携し、実際の仕事の現場(外に出て)で働く機会をつくり、若者たちが仕事の実践を通じて自信や経験を獲得し、希望する仕事や進路に進むサポートを行っています。
支援される、だけではない。若者たちの輝く力。
現在しごとや事業で特に力をいれているのが、農村地域での仕事です。過疎化、高齢化が進む中、農村地域では耕作放棄地の増加、荒廃する里山や空き地の増加など人手不足が原因となり課題が深刻化しています。そうした人手が必要な小さな農家さんや里山を守り、活かそうとする団体などの現場に若者たちと行き、一緒に仕事に取り組んでいます。こうした社会のピンチに若者たちの力がいかされています。
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活動内容の詳細、実績について
一般社団法人栃木県若年者支援機構では、2010年の設立以降継続して、ひきこもり等働くことに困難を抱える若者たちの「働く」を支える自主事業として「しごとや事業」に取り組んできました。
しごとや事業では、当法人が企業や農家さんなどから小さな仕事を請け負い、ジョブトレーナー(スタッフ)と若者3人のチームで仕事に取り組んでいます。若者が継続的に参加できるように奨励金(1回2,000円)も支給する仕組みがあるのが特徴です。これまで450人の若者が参加、延べ13,300人が現場で活動しました。そして、153人がその後一般就労やその他の進路に進むことができました。当法人の行う相談事業や体験プログラムなど様々な経路を経て、働きたいと想った若者が実際に仕事の経験を積む、自信を養う場として重要な役割を担っています。
自主事業ならではの課題があります。若者たちの働く機会づくりとして有効であり続けることが必要と強く感じているのですが、毎年事業は赤字です。事業を実施するために必要な経費を賄うには、仕事を請け負う際の収入が重要です。これまでの事業の歴史においては、請負事業の収入だけで事業運営が成り立っていた時期もありました。仕事を依頼いただく皆様に感謝の気持ちをいっぱいもちながら、それでも見直しをかけました。請負事業収入だけで事業を実施するためには、当然請負額に応じた仕事の量が求められます。活動時間も長いものだけになってしまいます。そうなると、作業効率やスムースに作業できる人が優先される事態にもなり、働きたいと願う全ての若者に機会と環境を整えるという事業目標から遠のくことにもなってしまうのです。また、半日だけの仕事などその若者の希望に応じた段階的な働き方、を作るうえでも障壁となります。
事業運営の仕組みを「寄付金」+「事業収入」で克服、持続可能に
このしごとや事業、年間約200日活動を行っています。1日活動を行うためには、ジョブトレーナー人件費、交通費、若者たちへの奨励金の支払いで22,000円が必要になります。うち、10,000円は仕事の依頼者よりいただく請負事業収入で、残りは毎年助成金や他事業でカバーしながら継続してきました。ですが、毎年事業継続できるか綱渡りであり、また長期的視点を持ちながら日々の活動を積み重ねよい事業にしていくためには、不安定です。
そこで、「事業収入」+若者の未来を支えたいと思いを同じにする皆様からの「ご寄付」を組み合わせた形で事業を実施できるように寄付キャンペーンを開始させていただくこととしました。
しごとや事業、若者たちと取り組む仕事例
自然栽培や環境負荷の少ない野菜づくりの手伝い
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里山整備
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空き家の草取り
寄付金の使い道について
みなさまからのご支援により年間100日、延べ300人の若者たちがしごとや事業に参加することができます。若者たちに交通費等の参加の負担をかけずに参加できる仕組みが維持できます。
具体的には、ジョブトレーナー人件費、プログラム交通費、消耗品費など事業継続に必要な費用にあてさせていただきます。
代表者 中野謙作 メッセージ
一般社団法人栃木県若年者支援機構は今年で15年目を迎えました。30年前から子ども若者支援を活動している自分にとって常に出口をいかに作るかが課題でした。
しかし、ニートやひきこもりの若者の就労の壁は高く、就労支援の限界をいつも感じていました。このままでは若者が働く出口がドンドンなくなることに危機感を持って、一人ひとりのペースに合わせた段階別の就労支援をするためにこの法人を作りました。ゆっくりしたステップを踏めるためにも多くの出口を作ること、段階別の出口を広く作ることを目指して「しごとや」は広がっていきました。でも、15年経った今でも若者の就労=出口はまだまだ高い壁があります。
過疎に苦しむ農村地帯や耕作放棄地などの社会課題に若者が取り組める新たな取組みが始まりました。支援される若者が地域の力になる。まさに私たちの法人が目指す新たな社会の構築に是非お力を貸してください。
若者たちの声
・予定のない日々を過ごしていたが、しごとや参加の予定が入るのが嬉しく思った。
・作業に参加するために生活時間を調整し、昼夜逆転の生活を正せたのが良かった。
・自分の体力が想像以上に衰えていたことに驚いた。
・外作業は気持ちが良い。鬱々した気分が少し晴れる気がした。
・現場がキレイに整っていくのが気持ち良く思った。
・やりなれない作業で筋肉痛になる。
・自然環境の中で体力的には大変ですが、一般企業では味わえない清々しさや達成感を感じることが出来ました。
・屋外での作業は気持ち良く、精神的に楽で、健全で、人間的な仕事だと思いました。
・自然相手だとノルマや複雑な人間関係がないので、農業の方がやりやすいと思いました。
・天候に左右されたり、重い物を持ったり、一日同じ作業を繰り返したり、草刈りしてもまたすぐ伸びてしまったりと大変なことはたくさんありますが、やった部分だけしっかり結果が出てわかりやすいのが良い所だと思います。
・収穫作業は特に喜びを感じることが出来て、やりがいを感じます。