活動・団体の紹介
当法人は、地域課題の解決に取り組む新しい社会事業体の支援、並びに人材育成をもって、栃木県における新しい公共づくりと若年者の力を引き出す雇用創造を進めるための事業を行っています。
①一人ひとりの、子ども・若者と、その家族を支える
学校に行けない、働くことができない、生活が苦しいなど、様々な課題を抱えている子ども、若者やその家族と向き合い、個別の課題を克服できるように伴走する。
②社会の中に、子ども・若者のセーフティーネットをつくる
困難を抱えている子どもや若者が、それを乗り越え社会で活躍できるセーフティーネットを社会の中に定着させ、拡充していく。
③子ども・若者を育む地域社会を築く
地域の中の様々な大人との関わり合いのなかで、子ども、若者が育まれていく、そんな地域社会をつくるため、地域の人たちや各種団体と協力し、子どもや若者に優しい地域社会をつくっていくために、日々活動しています。
活動の背景、社会課題について
【ひきこもりという孤立状態にあるひとたちの激増】
2021年6月に発表された内閣府調査結果で、40歳~64歳のひきこもり人口は61.3万人。そのうち6割が40歳を超えてからひきこもりになったとの結果が出ました。中高年ひきこもり人口は、今や39歳以下の若者を上回る人数となり、しかも長期化する方々の数が増え続けています。
「8050問題」に象徴される長期無業者の一般就労による自立はとても困難です。長期にわたる景気低迷、コロナ禍、そして現在の円安や物価高騰の中で生き残りをかける事業所側には、経験の浅い社員を育成し成長を待つ余力がありません。
【少子高齢化社会の中で「片付け事業」のニーズが増えている】
栃木県は限界集落が多く、高齢化率も29・6%と全国平均を上回っていることから、急速に無人家屋が増えています。空き家にはたくさんの思い出と品物が詰まっていますが、思い出の品は継承する人がいないまま廃棄されることがほとんどです。
モノを消費する時代から、持たない暮らしへと移行している現代において、思い出をどうコンパクトに残していくか、というジャンルには多大な潜在的ニーズを感じています。ただ捨てるのではなく、たとえば着物をパッチワークでタペストリーに仕立てる、地元の特産品を組み合わせながら、建て替えた家の窓枠になつかしい陶器を金継ぎで埋め込む、などの事業は将来性もあり、また多種多様な作業が組み合わせられることから、就労体験のない人々と一緒に取り組むには適した事業なのではないかと考えました。
活動内容の詳細、実績について
私たちは、2010年の設立当初から中間的就労事業を運営し、ひきこもり当事者の社会体験を補完してきました。現在は2つのチームが融合しながら活動しています。
【しごとや】
当事者3人+トレーナーの4人1組で依頼された現場に赴き、農家の手伝い、空家の片づけ、工場での製造補助、中古車販売店での洗車などを行ってきました。さまざまな作業を体験することで、ひきこもり当事者が自信をつけ、主に就労に向けて次の一歩を踏み出すことができるよう支援をしています。2022年1月現在の登録生は14名。そのうち2名が、今年就職によって卒業しました。
【てしごとや】
「しごとや」にまだ行けない当事者の居場所兼作業場として、2017年にスタートしました。内職や着物リメイク、編み物、栃木県の特産品である野州麻を使った作品作りなどを行っています。「家から出られないが働きたい」という人々のために、着物ほどきやコラージュなどの内職素材を配送し、動画を見ながら作業していただく仕組みもあります。2022年度の登録生は63名。今回のプロジェクトの基幹となるチームです。
代表者メッセージ
新事業が始まりました。社会問題とも言われているひきこもりからの新しい生き方を創る取り組みです。人がひきこもり状態になるのは決して自己責任ではなく、社会構造の変化から生じていることが分かっています。ひきこもり支援は徐々に社会に拡大しつつありますが、ひきこもり状態からの出口をどのように構築するかはまだ未開拓です。ひきこもり状態や社会不安を抱えて苦しんでいるひとたちが、新しい働き方、新しい生き方を見つけていく取組みにぜひ、皆様のお力をお貸しください。ご協力お願い致します。
寄付金の使い道について
「てしごとやさん」運営のための材料費調達、運営のための交通費、スタッフ人件費の補填などに使わせていただきます。収支はホームページで公開させていただきます。