なぜBOSAIが必要なのか?代表理事のご挨拶
このページにご興味を持っていただいてありがとうございます。私は代表理事の小野裕一です。
私が防災に携わるきっかけとなったのが、バングラデッシュで大規模な竜巻の被害を目の当たりにしたことです。1996年5月13日にバングラデッシュ中部で700名以上の犠牲者を出した竜巻が発生し、それを受けて米国留学中の研究テーマであった竜巻の被害軽減の実地調査のために単身バングラディシュに向かいました。
20代の私にとって被災地での経験は大きな衝撃を与えました。高校の校庭に築かれた無数の土饅頭。出稼ぎの季節労働者の遺体は身元不明のまま埋められていました。「遺族は彼らが死んだことさえ知るすべはないでしょう」と聞かされました。こんなことは起ってはいけないと強く思いました。停電して手術もできない地方の拠点病院には、全身切り傷だらけの患者が痛みでうめきながら床にまで溢れていました。
ちょっとしたシェルターと正しい知識さえあれば助かった命、当時の想いを伝えるために、長年国連でBOSAIに携わりながらあたためていた構想を2017年に実現することができました。世界防災フォーラムの開催と翌年の一般財団法人の設立です。東日本大震災の経験や知識を踏まえ、BOSAIを世界に広く伝えることで「災害で苦しむひとをなくす」世界の実現のため活動してまいります。どうか皆さんの温かいご支援お願い申し上げます。
世界防災フォーラム代表理事
小野裕一
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私たちの活動 防災を考える市民参加型国際会議の開催
防災を専門家だけが考える壁を壊します。
スイスの防災ダボス会議と連携し、専門家だけでなく国内外から産・官・学・民の防災関係者に加え市民が広く集まる仙台発の国際フォーラム「世界防災フォーラム」を開催しています。東日本大震災に関する知見の共有や防災の具体的な解決策の創出等を踏まえ、「BOSAI」の取り組みを世界に広げることを目指しています。2017年の初会合では、42ヶ国・地域から947名の方が参画した「市民参加型国際会議」として大成功を収めました。2回目は2019年に実施、隔年開催の第3回は2021年開催予定でしたが、C O V I D−19のパンデミックの影響で1年延期することになりました。第3回はパンデミックを踏まえ災害と感染症対策や感染症適応について大きな議題として取り上げ、またオンラインでのセッション実施など、時代に合わせて発展させていきます。
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世界中の防災関連博物館のネットワーク作り
防災はどこで学ぶのでしょうか?
市民が防災を身近に感じられる博物館作りの支援を行います。楽しみながら防災を学べる場所として、博物館は非常に重要な施設であると考えます。ところが、世界はおろか日本の防災関連博物館のリストさえ存在しないのが現状です。アメリカ・ハワイの津波博物館、テキサスのハリケーン博物館、インドネシア・アチェの津波博物館、タイ・プーケットの津波博物館、スリランカのコミュニティが運営する津波博物館、中国の四川地震の博物館、そして日本にも数多くある防災関連博物館。まず、これらのリストを作って公開し、お互いに連携できるようなプラットフォーラムを構築します。博物館同士でコミュニケーションできる場や、展示物をバーチャルに共有できるような仕組みを作り、市民の方にとって親しみやすい博物館作りを支援します。
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ご寄付の使い道
現在、私たちの活動、組織の運営は企業、個人からのご寄付でまかなわれております。
特定の政治や宗教、思想などには偏らず世界中で幅広く活動し、BOSAIの理念を世界に普及させるには、私たちは中立な立場な必要があると考えています。そのためにはなるべく特定の国や組織などからのお金ではなく、広くみなさまから寄せられたご寄付やご支援で運用されるべきだと考えております。このため頂いたご支援は、まず財団の運営経費に充当させていただいた上で、世界防災フォーラムの実施などの事業に活用させていただく予定です。
※世界防災フォーラムは一般財団法人なので、公益法人と異なり個人寄付の場合、所得控除、税額控除の対象にはなりません。また法人寄付の場合、一般損金限度額の対象になりますが、別枠の損金参入限度額の対象とはなりませんのでご注意ください。