増加し続ける児童虐待の現状
◆変化する現代社会において子育てを取り巻く環境は複雑化◆
このような子育てに関する様々な難しい社会環境を今すぐ改善することは、現実的に難しいかもしれません。
だからといって、ただじっと待っているだけでは事態は悪くなる一方です。もう、今は「子育てを親が学ぶ時代」が始まっていると考えます。
◆SS 式イライラしない子育て法®◆
当会独自に開発した子育て法である『SS 式イライラしない子育て法®』
“Communicative Parenting Approach”:
コミュニカティブ・ペアレンティング・アプローチ
(通称:CPA)は、親子間のコミュニケーションを大切にしながら子どもを上手く育てるコツを集めた育児法。子どもに対する親のコミュニケーションのとり方をスキルアップ(能力・技術の向上)することで、親子の良好な関係を保ちながら、徐々にイライラしない子育てを実現していきます。
◆ある自治体でイライラしない子育て法を学んだ結果◆
児童相談所における虐待受付件数(再来率)
※再来率→再度、児童虐待をしてしまい、子どもが児童相談所に預けられる割合
親子間のコミュニケーションを大切にしながら「子どもを上手く育てるコツ」を学ぶことが、虐待による再来率の大幅な減少につながる
◆「イライラしない子育て講座」開催実績◆
◆新プロジェクト!始動◆
“より多くの親御さんへ届けたい!”
陽氣会では、児童虐待0(ゼロ)を目指し、全国各地で「イライラしない子育て講座」を開催し、一人でも多くの方に子育てのコツを学んでいただきたい。また、それに伴う小冊子を作成し、より多くの親御さんのお手元にお届けしたい。そして、各地で活躍する講演講師の伴走支援をし、「イライラしない子育て講座」参加者数の倍増を促進していきたい。さらに、子どもたちへの学びとして、日常生活の中で不適切な養育をされていないか、子ども自身が気づける、また声を挙げることができるアプローチ教材を作成していきたい。
より多くのパパママへ子育てのコツを届け、子どもへの気づきを伝えていきたい!
皆さまのあたたかいご寄付が「陽氣な子育て応援団」となっていきます
◆頂いたご寄付は以下のような活動に活用させていただきます◆
◆代表あいさつ◆
青少年養育支援センター「陽氣会」代表の杉江健二です。
私は約30年にわたり名古屋市において養育里親として、これまでに50人以上の里子を養育してきました。その約8割が虐待を受けた子どもさんたちです。発達に問題のあるお子さん、愛着障害のお子さん、非行のお子さんなど、いろいろな課題を抱えるお子さんがほとんどでした。そんなお子さんたちと家族として一つ屋根の下で暮らすことは、そんな簡単なことではなく、いろいろな問題が次々と発生するなか、これまでよく頑張ってきたものだと自分たちなりに自負を持っておりました。
しかし、10年ほど前、我が家のすぐ目の前に名古屋市の中央児童相談所が移転してきたことにより、里親活動に対する思いが大きな転換を迎えることになりました。
ある初夏の午後、その目の前にある児童相談所の屋上から、子どもが「ママー、ママー」と泣き叫ぶ声が聞こえてきたのです。また次の日にも、今度は中学生くらいの男の子の声で「ちくしょー、ちくしょー」と大声で叫ぶ声が偶然聞こえてきたのです。私からはその姿を確認することはできませんでしたが、間違いなく我が家の目の前にある児童相談所に一時保護されているお子さんたちの声でした。
その悲痛な子どもたちの叫び声を耳にし、私は「里親もたいへん尊い児童福祉活動の一つではあるけれど、もっと大切なことは、虐待をされる子どもたちや里親宅に里子として委託されてくるような子どもたちをこの社会から一人でも多く減らしていくことではないか」と思うようになったのです。あの子ども達の叫び声が今の私の活動の原点になっています。
それがきっかけとなり、里親に加えて、児童虐待の発生を予防する取り組みを始めました。2013年に当会を設立し、一貫して児童虐待を減らす活動に取り組んできました。その後、増え続ける児童虐待を0(ゼロ)にすることを目標に掲げ、2021年に「一般社団法人青少年養育支援センター陽氣会」として法人設立し、さまざまな児童虐待防止活動を展開しています。
その活動の一つに、2015年に開始されました「名古屋市における児童虐待を行った保護者への再発防止の為の保護者支援事業」があります。この事業は、名古屋市内で自分が虐待をしてしまい、子どもさんを一時保護されている保護者に対し、一時保護が解除され、お子さんが自宅に戻される前に、適切な子育ての仕方を学んでもらうことで虐待の再発を防止しようという事業です。この事業を通し、多くの虐待した経験のある保護者が適切な子育てを体得し、虐待のない子育てを実現させています。その中には、現在、虐待防止カンセラーとして私たちと共に活動している保護者もおられます。
「虐待止めろ!」「虐待禁止!」と言っているだけでは、虐待は減りません。
多くの虐待をした保護者には、自身も子どもの頃、親から虐待されていた過去があります。それ以外の子育ての仕方を知らずに大人になりました。だからこそそうした保護者が虐待以外の子育ての仕方を学べる機会を作らなければなりません。また、これから親になっていく若いパパママにも、親になる前に適切な子育ての仕方を学べる機会を増やさなければなりません。
親は学べば変わるのです。不安が安心に。そして自信につながっていきます。
そのための活動資金として、皆様からの支援が必要です。「自分の子育ては終わったけれど、これからの子どもたちのために何かしたい!」そんな皆様にも、ぜひ、寄附による支援にご協力頂ければありがたいです。
子どもたちの明るい未来のため、どうか皆様の温かいご支援をよろしくお願い申し上げます。
一般社団法人青少年養育支援センター陽氣会 代表理事 杉江健二