全国大学院生協議会とは
私たち全国大学院生協議会(全院協)は、大学院生の生活・研究条件の向上や権利擁護をめざして活動している、大学院生主体の団体です。各大学院の院生による自治組織(呼び方は、院生自治会、院生協議会、院生会など呼び方は様々)が加盟単位です。
毎年、全国の大学院生を対象に、その実態を明らかにするためのアンケート調査を行い、結果をマスメディアや政府・国会に届けるとともに、結果をもとにして政策要求をつくり、関係省庁と交渉しています。
大学院生に特化した実態調査は私たちのほかにあまりなく、調査結果に基づいて文科省など関係省庁と交渉しているのは全院協が唯一といっても過言ではありません。結果はマスメディアでも注目されこれまでたびたび取り上げられています。新型コロナウイルス感染拡大にあたっては、一律学費半額、1人当たり1月10万円の給付などを求める声明を発表し、朝日新聞で取り上げられました。
《声明》新型コロナウィルス感染拡大から大学院生の生活と研究を守るための緊急要求
https://www.zeninkyo.org/archives/402/
朝日新聞:「コロナで耐えきれない」研究も仕事も…窮地の大学院生(有料記事)
https://www.asahi.com/articles/ASN6544G0N62UTIL010.html
先日成立した、科学技術・イノベーション基本法の審議にあたっては、学術研究の未来を担う立場から、役員が参考人として参議院内閣委員会で発言しました。
全院協ウェブサイト:参議院内閣委員会で議長が参考人として発言
https://www.zeninkyo.org/archives/490/
大学院生をめぐる問題を院生自身の取り組みで解決するために
私たち全院協の運営や日常活動は、加盟自治組織のメンバーで条件のある院生が事務局となってボランティアで支えています。活動方針は、加盟自治組織の代表者が参加する会議(全国代表者会議や理事会)で決めています。私たちのアンケート調査では、大学院生のおよそ二人に一人が週に十時間以上のアルバイトに追われ、高額な授業料や研究・生活費の多くを自ら賄っている実態が明らかになっています。困難な状況の下でも、助け合って活動をなんとか維持しています。
近年、加盟単位である大学院生の自治組織の活動も困難を抱えています。上に述べたような大学院生の経済状況の悪化、博士課程進学者の減少、大学運営のトップダウン化による学生・院生組織との参加拒絶といったことが背景にあります。また、この間政府が進めてきた大学改革によって、研究成果を短期に求める風潮が大学や研究者に生まれ、大学院生同士が意識的であれ無意識的であれ競争させられているということもあります。
全院協の年間支出の多くは、機関誌『全院協ニュース』の印刷代や、会議への交通費、秋の要請行動の交通費補助で占められます。残念ながら、こうした基本的な活動を、加盟自治組織の分担金だけでは現状まかなうことができず、全院協OBOGのみなさんにカンパをお願いしてきました。
しかし、今回、インターネットを介してみなさんに寄付をお願いするのは、財政不足の解決だけではありません。私たちは、大学院生が抱える問題を院生自身で解決できるようになるために、一人でもどこの大学院にいても全院協に参加できるようになるための組織改革を進めています。個人加盟制度の導入にあたっては、増大する事務作業を遂行するための設備投資や、加盟促進のための宣伝物作成など、先行費用が必要です。
みなさんからの寄付は、こうした私たちの活動の発展に使わせていただきます。大学院生は、学術研究や、高度の専門知識を必要とする職業の将来の担い手です。大学院生の生活・研究条件を改善させ、その権利を向上させることは、学術研究や高度専門職を通した将来の社会貢献につながります。寄付してくださったみなさんには、全院協の機関誌やアンケート調査結果をお送りするとともに、全院協の企画など情報を優先的にお知らせします。ご支援のほどよろしくお願いいたします。